1番クレイジーなのは何もしないこと

Ray Yamazaki
8 min readDec 1, 2016

by charity: water

この地球上では6億6,300万人が清潔な水を使えない環境にあります。

この数字はかなりの大きさです。
信じられないほどの数です。

もう少し分かりやすい例で考えてみましょう。昔乗ったスクールバスを覚えていますか?少し思い出してみて下さい。1台のスクールバスには72人が乗れます。満員のスクールバスを頭の中でイメージしてみて下さいね。これが72人のボリューム感です。

9台のスクールバスには650人が乗っていることになります。ついて来れてますよね?9台のスクールバスが並ぶと相当です。ほとんどの結婚式はこの人数内で収まります。実際のところ、よっぽど大きな高校に通っていたのでない限り、あなたの高校の生徒さんたちにはこの数のバスがあれば十分なはずです。

オーケー。ここから余りにもクレイジーな話になります。

史上最大規模の社会科見学で650人の生徒が9台のバスからどっと飛び出してきたところをイメージしてみて下さい。いま私がイメージしているのはまさにそれです。まぁ、頭に9台のスクールバスをイメージ出来ていれば問題ないのですが。

さて、これら9台のスクールバスの数を100万倍にしてみましょう。

ええ、そうです。到底はっきりとイメージなんて出来ませんよね!そこがポイントです。6億6,300万は凄まじい数です。人数としてイメージすると尚更です。この惑星の人口の11分の1にもなるのですから。アメリカ合衆国の人口の2倍ですね。水問題を脇に置いておいたとしても、人類の11人に1人が何か同じ問題で苦しんでいるというのはクレージーな状況です。

私たちは月に行けたのです。

私たちは飛行機で空を飛ぶことが出来たのです。

私たちは電話で食べ物をデリバリー出来るのです。

それにしても圧倒されます。ただの数字なんですけれど。また、なかなか想像するのが難しい別の問題として水不足そのものがあります。

誰かが水を見つけるのに困っているって?

どこで探すの?どうやって集めるの?台所の蛇口がない生活ってどんなものなの?

そこで、皆さんに幾つか見て頂きたい実例があります。

ニジェール − 西アフリカ

西アフリカのサヘル地域のような場所では華氏100度(摂氏約37.8度)を超え、日陰を作る木々すらあまりないのです。そこではほとんどの家族が1,000年程前に地面に掘った穴から水を得ています。

このやり方だと焼け付く砂の上を30分以上かけて歩き、それからロープを相当引き上げなければなりません。最悪の環境で必死に頑張らなければならないのです。そのくせ得られる水は、それしか飲む物がない差し迫った場合でなければ口にしないような代物です。

インド − 南アジア

インドでは水は多少なりとも手に入れやすいのですが、料理や飲み水に使う水源は大抵風呂やトイレに使うものと同じです。

このような非衛生的な生活環境が汚染された水と栄養失調、そして水を媒介とする病気を生み出します。それによって貧困のサイクル(病気になると仕事が出来ない。収入がなければ借金をするしかなくなる)が繰り返され、数億人がその状況から抜け出せなくなるのです。

エチオピア − 東アフリカ

エチオピアのある地域では水を手に入れるのが非常に困難であり、多くの家族は1日2ガロン(訳者注:約3.79ℓ)以下の水でやりくりしている。しかも、それを手に入れるため毎日4時間歩かなければならない。

彼らの水源はほとんど干上がった川床であったり、ぬかるみの穴であったりする。コミュニティーが力を合わせて掘るもののヒルや瓦礫を取り除くために布のフィルターを通さなければならないこともある。

危機が訪れています。たとえ、100万人が苦しんでいたとしても危機は危機です。でも100万人ではありません。6億6,300万人なのです。

この地球上の6億6,300万人が汚くて危険な水を飲んでいます。しかも、ただ飲んでいるだけではありません。そのために働いているのです。日に何時間も無駄に費やしています。そのため学校に通えないばかりか家族のために金を稼ぐ時間もなくなってしまいます。それは家族の命を奪うことに繋がりかねないのです。

これは誇張ではありません。

毎年、不衛生な水や基本的な衛生設備の欠如がもたらす死は、戦争を含むあらゆる暴力よりも多いのです。

しかし、良いニュースもあります(ようやくですね?)

どれも解決出来るのです。

6億6,300万人は途方もなく大きな数です。しかし、10年前はその数は11億人でしたし去年は7億4,800万人です。1つの惑星として見れば水危機を半減出来たと言えます。世界は良くなっているのです。

そうです。世界は良くなってきています。

汚い水をようやく手に入れる状況から、清潔な水が好きなだけ手に入る状況へ変わりつつあります。

それに伴って家族の健康状態もすぐに改善されるでしょう。飲み水が衛生的になっただけでなく、定期的に風呂に入り洗濯できるようになったからです。それに手も洗えるようになります。

健康な子どもは学校でより多くの時間を過ごせますし、健康な大人は家族のためにもっと稼げるようになります。そして、状況はすぐに変えることができます。

人にもっと多くの機会が与えられることが、強い経済を築き、未来のリーダーを生むのです。

この惑星の6億6,300万の人々は、清潔な水を手に入れることができません。しかし、私たちはこの状況を変えられるのです。1番クレイジーなのは何もしないことなのです。

Written By: Tyler Riewer
Illustrated By:
Garrett DeRossett
Photos By:
Jeremy Snell, Joey L, & Tyler Riewer

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