いま、世界はまさに驚くべき変貌を遂げている

BRICsから現在の世界はどう見えているのか?

Ray Yamazaki
9 min readDec 23, 2016

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By Gustavo Tanaka

世界が大きく、いや極端なほど劇的に変化しつつあることにほとんどの人は気付いていません。

数ヶ月前、私は決まり切った社会に別れを告げて、様々な制度に閉じ込められていたことで感じていた不安や怖れから自分を解放しました。それ以来、私は世界を違った観点から見ることが出来るようになりました。全てが変化しつつあり、私たちのほとんどがそれに気付いていないのです。

何故世界は変化し続けているのでしょう?これから私は8つの理由を挙げてそれを皆さんに明らかにしたいと思います。

1 - もう誰も今までの雇用のあり方に耐えられなくなってきている

もう限界です。大企業に勤務するサラリーマンは激務に耐えかねています。目的もないまま働くことで心が絶望の悲鳴を上げてしまうのです。

多くの人がもう会社を辞めて、全てを捨て去りたいと願っています。あえて起業してリスクを取りたがっている人、休暇を望んでいる人、仕事でうつ病を患う人、燃え尽きてしまう人が一体どれほどいることでしょうか。

2 - 起業のあり方も変化している

この数年、スタートアップの起業は爆発的な人気で、何千ものアントレプレナーたちが億万長者になるアイデアを実現させるべく自宅のガレージをオフィスに変えました。この「起業家精神万歳!」トレンドの最終目的は投資家を見つけて融資を受けることです。ただ、それはワールドカップやスーパーボウルで優勝するのに近い離れ業です。

ですが、もし万が一あなたが融資を受けることが出来たらどうなると思いますか?

残念ながらあなたは雇われ人的な立場に逆戻りです。外部の人間を会社に迎えざるを得ず、自分の夢を仲間と分かち合うことが出来なくなります。当初の目的も見失うでしょう。それからすぐにすべての価値基準が金銭中心になるでしょう。「いかに稼ぐか」があなたのビジネスのすべてになります。

申し分のない理想を掲げたスタートアップですら転落してしまうことがあるのは、金銭が主たる動機付けとなるとそこに終わりがないからなのです。当然、そこで働く人々も苦しみます。

だからこそ、いま新しい起業モデルが求められています。ぜひ皆さんも考えてアイデアを出してみて下さい。

3-コラボレーションが当たり前の時代に

他人の力をあえて借りず1人で何でもこなそうとする働き方に合理性もメリットもないことに人々が気付き始めました。「いい大人なら1人でやれ?そんなのナンセンスもいいところ」と考える人が増えて来ているのです。

少し考えてみて下さい。地球という同じ惑星に70億もの人がひしめいているというのに、私たちは互いに協力しあえない程互いに遠く住んでいるとでも言うのでしょうか?また、どんな理由で同じ都市に住む何千、いやひょっとしたら何百万もの人に背を向ける必要があるのでしょうか?お互いに協力しあえない環境がまだまだ大勢を占めることに想いを巡らす時、私は残念な気持ちになります。

ですが、幸い状況は変わりつつあります。シェアリング・エコノミーやコラボラティブ・エコノミーといった新しい概念が人口に膾炙し始めました。それによってコラボレーション、シェアリング、互助、連帯の方向へと移りつつあります。

この変化は素晴らしく、胸を打つものです。

4- インターネットの姿がいよいよ明らかになりつつある

インターネットは驚くべきスペクタクルで、黎明期から何年も経った今になってようやく、私たちは「インターネットの力」を理解し始めました。インターネットによって世界はオープンになり、壁は低くなり、地域の分断が終わりつつあります。それと共に連帯やコラボレーション、互助が勢いを増しつつあります。

幾つかの国々ではツールとしてのインターネットが歴史的な革命をもたらしました。「アラブの春」もその1つです。私の住むブラジルではこの驚くべきツールの活用が始まったばかりです。

インターネットは民衆の操作を不可能にします。自分達に都合の良いメッセージを好きなように操作して伝えていた財力と影響力のあるメディア・グループは、もはや情報を独占出来ません。あなたは自分が正しいと思う情報を信じ、誰とでも繋がれますし、自分が調べたい知識をどこまでも探究することが出来ます(訳者注:ブラジルのインターネット&メディア事情を調べてみるとこのストーリーの背景が深まります。)。

インターネットの出現に伴い、少数派の声は黙殺されることもなくなりました。声を上げることが出来るようになったのです。名もなき人の声が取り上げられるのです。世界が1つになり、旧来のシステムは崩れ去るでしょう。

5-大量消費主義の凋落

あまりにも長い間、私たちは限界ギリギリまで消費し続けるよう操られてきました。新しいプロダクトがローンチするたび、例えば新車、最新モデルのiPhone、誰もが知るブランド品、服、靴、手にすることが出来るものなら何でも買いたくなるようにです。

このような一般的な風潮に反し、多くの人々が違う道を模索しています。反消費主義とでも言うべきでしょうか、スローライフやスローフードは今までのバカげたライフスタイルへの反省として私たちの話題に上ることが増えました。

新車を買ったり浪費をする人が少なくなる一方で、服の交換やリサイクルショップの利用、車や家、オフィスといった様々な資産をシェアする人が増えています。

メディアがうるさく押し付けてくる商品をすべて買う必要なんてないのです。消費のあり方を変えることで、今までのような大企業主導の極端な大量消費主義にも変化が訪れるでしよう。

6- ヘルシーでオーガニックな食生活への見直し

ブラジル人は「食べられれば何でもいい」と考えている人が多いですが、正直どうかしています。味が良ければ他はどうでも良いのでしょうか?

消費者は今まで食に対する関心が低く、互いに意見交換する機会もなかったので、大企業が食の安全を脅かしても何も出来ませんでした。

ですが、最近では問題意識をもってヘルシーでオーガニックな食を届けようとする人も現れ始めています。

このムーブメントは高まる一方です。

ですが、私たちの経済や仕事のあり方にどのような影響を与えているのでしょうか?ー言ってみれば「すべての面で」です。

食糧生産は社会のファンダメンタルを支えるものです。もし私たちがマインドセットを変えたなら、食習慣はもちろん食糧そのものをどう作るかといった今までのあり方も大きく変わるでしょう。

小規模農家も食糧生産で一定の地位を確保するでしょうし、個人が家の中で野菜を育てるようにもなるでしょう。

そして、この事が経済全体を立て直すきっかけになるかもしれません。

7- スピリチュアルな目覚め

あなたの友人にヨガや瞑想をしている人は何人いますか?かなり増えてきましたよね。10年前、一体どれくらいの人がヨガや瞑想をしていたでしょう。

スピリチュアルなものは長い間、秘儀を受け継いだ変わり者でミステリアスな人々のためのものでした。

ですが、この状況も運良く変わりつつあります。現在の私たちは理性と合理性が際どく問い直される地点まで来ています。私たちの意識でカバー出来る範囲では、周りで起きているすべてを理解することが出来ないことが分かったのです。何か意識下では気付かないことが起きていて、あなたもそれが何なのかきっと知りたがっているはずです。

あなたもスピリチュアルなものが働く理屈を知りたがっているはずです。生命とは何か?死んだ後にどうなるのか?人がよく話している「エナジー体」とは何か?量子物理学とは何か?どのようにして思考は物質化して現実感を生むのか?偶然や共時性なぜ生まれるのか?なぜ瞑想は実際に効果があって、薬を使わず手をかざすだけで人を治癒出来たりするのか?そして、こういう代替医療は効果があるのに、なぜ現代の医療からは認められていないのか?

企業の中には自分たちの従業員に瞑想を勧めるところもあります。学校ですら生徒に瞑想のしかたを教え始めています。この事についてよく考えてみるのも良いかもしれません。

8- 公教育以外の教育法を求める動き

今の教育モデルを生み、必修科目を決めたのは誰でしょう?歴史の授業で何を教えるか決めたのは誰でしょう?教科書で教える古代文明だけが真実ではないことをなぜ学校では教えてくれないのでしょう?

なぜ子どもたちは様々な規則に従わなければならないのでしょう?なぜ黙って授業を受け、制服を着て、しっかり勉強したことを証明するためにテストを受けなければならないのでしょう?

これでは単に現在のシステムに盲目的に従う人間を量産するだけです。このような教育はありきたりの人間ばかり産んでしまうでしょう。

ですが最近では多くの人々が今のあり方を再考し、アンスクーリングやハックスクーリング、ホームスクーリングの道を選んでいます。

ひょっとすると、あなたはこんな事が起きてるなんて今まで考えもせず、それを知ってショックを受けているかもしれません。でも、世の中は変わりつつあるのです。

静かにではありますが、人々は少しずつ目覚め始め、今のブラジル社会がどれ程クレイジーか気付き始めています。

これまでお話しした内容を見つめ直し、これまで正しいと教えられた内容が本当に正しいのか考え直してみて下さい。きっと新たな気付きがあるはずです。

私たちの社会にいま何かが起こりつつあります。

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グスタホ・タナカ ー ブラジル国籍の作家でアントレプレナー。友人と共に新しい社会モデル、システムを築こうとし、新しい経済モデルを創る手助けをしようとしている。

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