#2 いきものの交差点ーつくば駅(茨城県)

つくばエクスプレスの終点つくば駅は、地下にある。

首都圏ならばよくある地下駅だが、車窓でずっと田園風景を見てきたせいか、はやく自然が見たくてたまらない。
緑を求め、A5出口の対角線上にある、木で覆われた空間のほうへとふらふら向かう。

木と湖、そして芝生に覆われた広い公園が、そこにはあった。


公園の脇には、細い道がたくさん並ぶ、少し坂になった場所がある。
細い道と道とはちいさな飛び石で繋げられ、まるで歩道と横断歩道のようだ。

普通の歩道は、車の道と人の道とを分けている。しかし、ここでは人以外のいきものの道と、人の道とを分けているようだ。この公園の他の場所なら、芝生の上を自由に歩ける。だが、ここの芝生は踏んではいけないような気がして、みな何となく、整備された道の上だけを歩く。まるで、そこで日常生活を送るいきものたちに、よそから来た人々が遠慮しているかのように。

人以外のいきものは、そんなことなどおかまいなしに「人の道」へとはみ出してくる。そこは、普段は意識しない他生物との“出会い”がはっきり目に見える、いきものの交差点になっている。

「人の道」を歩いていると、三角形のの鐘が見つかる。「交通安全を守れる誓いを立てたら、一回ついてください」。意外と大きい鐘の音が、黄昏の空にごおおんと響いた。


芝生広場の小道を抜けると、普通の空間に戻ったような、不思議なきもちになる。あちらの道もこちらの道も、同じ人の道なのに、どうしてこうも、違うきもちになるのだろう。

「普通の歩道」をよく見てみると、道路に向かってまた別の、ちいさな道が延びていた。

これは果たして、獣の道か、人の道か、それとも…

不思議な道を横目に見ながら、いきものの交差点を後にした。

訪問日:2016.5.7