同棲
Living Together
「喰う寝るふたり住むふたり」の新巻が出た。
発売日をチェックして待ちに待っての即買いである。
本マンガは、同棲カップルを中心に描かれるほのぼのラブコメディ。
特徴は、同じストーリーを彼視点と彼女視点の表裏で別々に描くこと。
二人とも正しく、間違ってて、甘えて支えて、人間くさい。
このマンガを通じて思う「同棲」について。
私も彼と同棲しはじめてかれこれ1年ほど経つ。
やんわり山あり谷ありしたし今でもしてるが、総じて幸せだと思う。
このマンガを通じて自分の同棲を振り返ると、意外と見えてなかった部分がある。
ひとつは、相手と自分は共に時間を過ごしていることが多いけど、見えている世界は全然違うということ。
マンガの中では、小さな部屋で夕飯を食べるわずかな時間ですら、男がクローズアップしていた情報と女がズームインしていた世界が全然違うのが見事に描かれている。
そして、お互い、当然のごとく自分の視点、自分の考え方で、相手にフィルタをかけて時間は流れる。
でも実はとっても違うのだ。
いわゆる「カップル」だとこの違いで喧嘩だの別れだのなんだのとなるわけだが、「同棲カップル」になると、いい意味でも悪い意味でもこの視点の違いに許容範囲が広くなり、違いが大きいことを忘れがちになる。
ふたつめは、二人の男女が長く続くコツは、多分「マイペース」が合っていることだろうな、ということ。
趣味の違いや慣習の違いは大なり小なりの相互調整でうまくいくが、この「マイペース」というものが実はすごく大事だ。
まず、マイペースが存在しない人に長い付き合いは無理だろう。相手のペースに合わせて合わせ尽くして、どこかで壊れる。
そして、マイペースが違いすぎると、根本的に自分時計が狂ってしまい、相手と居ることが居心地悪い、というなんのためにつきあっているのか状態になる。
同棲は、お互いのペースは崩さず同じ時間を過ごせることが大切だ。
そんなことを思うと、やっぱり今のパートナーはすごく自分に合っている一方で、ちゃんとお互い見られているだろうか、という心配もある。
なんだかんだ、帰って迎えてくれるひとがいるということ、待つ相手がいるということだけでも、かけがえなく幸せなことなのだけれど。
ふとした瞬間相手のことを観察したり、考えたりする。深く深く。
そして新しく発見する。
それがいとおしいなと思う。
そんなことを繰り返して、また明日も、一年後もいられればいいなと思う。