ベルギーの思い出
写真:マラルメの詩にのせて
マラルメの詩にのせて—ベルギーの思い出—

ベルギーの友人達の思い出
幾時間もまたそれを動かす風もないのに

殆ど香の色をするすべての寂は
(見えるが人目を忍ぶように寂の一襞一襞を寡婦の石造建築が脱いでいるように思われる)

漂うが時間の古の芳香を撒く
証拠もそれ自身持たないように見える
私達のこの突然の新しい友好に満足した
太古の民族の幾人かの私達に
おお多くの白鳥が乱れて通過する

古いさびれた運河に暁を増す
この非凡な市ブリュージュで会った親友達

市民の誰が迅い翼の様に精神を放射するのか
またもう一つ別の鳥の飛翔が指示するのだと

その時厳かにこの市[まち]がわたしに教えてくれた
『マラルメ詩集 -世界詩人選07-』西脇順三郎訳 (小沢書店)
「ベルギーの友人達の思い出」より Remémoration d’Amis Belges p.93
-思い出写真-
ブルージュに訪れた時、あらゆるものが美しく、あらゆるものが新鮮だった。

バス車内から街の景色を撮る。
かわいらしい家が、目に眩しいような緑の中に、ぽつりぽつりと建つ。

建物は直線的なものが多いが、どこか愛嬌がある。
三角屋根は、日本でいう合掌造りによく似ている。大きくて、しっかり覆い被さるような形だった。
途中みかけた作りかけの門。
街の匂いはどうであったか、今では思い出すことができない。
ああ――確か、馬の匂いがしたのだった。

馬車がよく通る
それに、どこもかしこも色彩に溢れていた。光に溢れていた。

風景を撮る
植木もキレイに刈られていた。

ようだ


チューリップも咲いていた。ちょうど、ブルージュを訪れたのは4月頃だった。

可愛い

なのだろうか
窓やドアが可愛らしい。
ゴテゴテした装飾はなくて、シンプルですっきりとした色の建物が多い。
窓際には、よく可愛らしい小物や鉢植えを見かけた。
これは向かい合った犬の置物。

白い壁が青空に映える

オブジェが
ボートに乗って川から建物を眺めると、様々なものに遭遇した。

カモ
カモがひと休みしている。

私たちを見ている人が
あるのだろうか
川側から見た風景。
遊び心だろうか、壁の中途半端な場所にいきなりドアがついていたりする。

たくさんの観光客の姿も見える。
瀟洒な建物、華麗な彫刻、ピカピカの窓――
何もかもが素晴らしかった。
お店もカラフルだ。

並ぶ店
刺繍が有名なのだそうだ。

もちろん、ベルギーチョコ、ベルギーワッフルも売っている。
歩いていると、絶えず甘い香りがしてくる。

詳しくないので、どこが老舗だかわからないのである。
しかしどのお店も面白そうで、入らずに通り過ぎることなんて出来ない。通りを歩くだけで数時間は費やす。

まるでお菓子の箱だ。
菓子箱の中には、どんな人たちが住んでいるのだろう?

まる1日も滞在時間がなかったので、駆け足で見てまわった。3年前くらいのブルージュの街並み。
マラルメの詩にみられるように、きっと昔から魅力に溢れた街なのだろう。
いつかゆっくり、時間をかけて再び訪れたい。
Camera: Sony Cyber-shot DSC-WX7