米国ビジネスの強さはJust Do Itで説明できる

Daisuke Ishii
Kiara Inc. Blog
Published in
4 min readJan 28, 2016

NikeのCMではありません

米国シリコンバレーのトップ起業家育成組織、

Y Combinatorの創業者Paul Grahamが、

実は有名なプログラマー(Lisp)兼エッセイストだという事を知り、

色々彼の本を読みました。

翻訳文章はここにまとまっています。

非常に含蓄のある文章が多く、

全てのビジネスパーソンに読んで頂きたいと思うのですが、

中でも”ハッカーと画家”という書籍に書いてある一節に非常に納得しました。

要約;

米国には良い所も悪い所もある。

良い所はチャレンジ精神旺盛で、

特に科学技術の発展に大きく貢献している所。

悪い所は食事がまずい所、

街並みが醜い事。

(注:Paul Grahamは英国人なので、欧州人目線で分析しています)

これらはNikeのスローガンである、

Just Do Itで説明できる。

つまり、Just Do Itな考え方だから、

実行者=チャレンジャーは高評価される。

Just Do Itな考え方だから、

クレージーな発想でもすぐ実験・実行に移し科学技術を発展させる。

Just Do Itな考え方だから、

美味しさを考えずとりあえず料理するので食事がまずい。

Just Do Itな考え方だから、

都市計画を十分練らず、

街並みがきれいではない。

(要約終わり)

私自身、

2014年走ったハワイのハーフマラソンで街頭の応援が半端なかったり、

シリコンバレーでチャレンジャーをフルで応援する社会の仕組みを体験したり、

米国人の並外れたプレゼンテーション技術を目の当たりにしたり、

米国は凄いなと思う機会が多い最近だったので、

この一節でなるほど!と思いました。

Just Do Itがポジティブに働いてるから米国のビジネスは発展を続けており、

Just Do Itがネガティブに働くと(行動に慎重な日本人と違い)銃で人を打ったり戦争で核兵器を使ったり、

といった事が起きるのではないでしょうか。

ひるがえって、

私自身のビジネスにもこのJust Do Itが足りない事に気付きました。

ビジネスに関して調べたり、検討したり、話したりする時間と、

ビジネスを実行する時間を比較すると、

前者の時間が長すぎたような気がしていて反省しています。

ビジネスであまりに思慮深さが足りないのも考えものですが、

もっと悪いのは考えすぎでビジネスが前に進まない事です。

シリコンバレーがビジネスで強いのは、

起業家の母数の多さが大きく起因しています。

良くビジネスの天下一武道会(ドラゴンボール)、

と例えられますが、

中国・インドをはじめ世界中から、

優秀な人材が一発当てにシリコンバレーにやってきます。

でも、体験していてわかったのですが、

良いアイデアを持っていない人は、

躊躇せず流行中のビジネスを真似てWebサービスを作ります。

そこには”考えている時間”はありません。

Just Do Itなのです。

流行っていて、

投資家から資金調達しやすいからやる。

それだけです。

シンプルなのです。

日本人から見ると、

”おいおい、プライドとかオリジナリティないの?”と突っ込みたくなりますが、

それがシリコンバレーの現実です。

以前私は短期間中国上海にも住んでいましたが、

中華系もこの”流行っているビジネスを即真似する”スピードがめちゃくちゃ速いです。

ビジネスは顧客の要望に合わせ刻々変化するものなので、

スタート地点は他人のコピーでも、

改善を繰り返す内にオリジナルのサービスになっていきます。

そういう意味では、

コピーからスタートするのは効率的で正しい手法でしょう。

結果、米国ではスタートアップが量産され、

Airbnb、Uberなど一部の新規成功例が経済を元気にしています。

マナーが良く思慮深いのが我が日本民族の美徳とはいえ、

アイデアと改善の実験回数が物をいうビジネスの世界では、

米国標準のJust Do Itに合わせた方が良いでしょう。

私も”仕事は速く”を常日頃心がけていますが、

シリコンバレーと比べるとまだまだ遅いです。

今年こそはもっとスピード感を持って、

Just Do It = 思い立ったら即実行でビジネスに取り組みたいと思います。

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