シリコンバレー流起業法

Daisuke Ishii
Kiara Inc. Blog
Published in
5 min readJul 24, 2015

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売上計画不要+プロトタイプ+顧客開発+マーケティング計画+数値管理

昨日の500Startups(シリコンバレーのトップ起業家育成組織)創業者DaveのTwitterにとても良いまとめがあったのでシェアします。

起業家たちへ(Daveより)

  1. ビジネスプランは書くな。代わりに試作品を作り顧客に試してもらえ。
  2. 5年間の売上計画を作るな。代わりに12ヶ月の経費計画を立てろ。
  3. マーケティング計画は必ず立てろ。次の顧客単位の利益や指標の分析に集中しろ。a)顧客獲得コスト b)製品開発コスト&マーケティングコスト c)何人の顧客から幾らの売上をいつあげるのか
  4. 起業家の推測のテストを繰り返せ。ビジネスプランをビジネス業績指標の計器盤に変えろ。計測を続け毎週改善しろ。
  5. 現金を不足させるな。毎月の経費消化と銀行残高をチェックしろ。残った現金がいつ無くなるのか。向こう6ヶ月分の現金は必ず用意しておけ。

投資家たちへ(Daveより)

  1. 投資家へ。ビジネスプランコンテストに参加するのを止めろ。インターネット業界のひどい行事を支持する必要はない。
  2. 同様に。起業家に3–5年の売上計画を作らせるな。(どうしても必要なら12ヶ月の経費予想を立てさせろ。) 売上計画を作らせるのは嘘を作らせるのと同じだ。
  3. 起業家に未来の業績指標と結果を予想させようとさせるのは、寸劇だ。そんなものはビジネスではない。起業家にはさっさと試作品を作って顧客を獲得してもらえ。
  4. 君がビジネスプランコンテストや業績予想を支持し続け、起業家が勝者だったりリアルなビジネスかの様に扱うなら、君を偽善者と呼ぼう。
  5. 勝者を目立たせたいなら、試作品で判断しろ。顧客単位の利益や初期顧客をどの様に獲得したかの内訳を入手しろ。
  6. 過去にビジネスプランを作っていたのは、実際の進捗を計測するのが難しかったからだ。今は瞬時に指標が出るのでビジネスプランは不要だ。
  7. 君がビジネスプランや業績予想をプロトタイプや指標実績よりも重視するなら、君は起業家よりも脚本家を選んでいることになる。
  8. ビジネスプランや業績予想はせいぜい良いアイデアどまり。さらに言うならリアルなビジネスを始める代わりに嘘と言い訳をしているのに似ている。
  9. まとめ。脚本を書くのを止めろ。推測や嘘を止めろ。起業家を製品開発と顧客獲得に集中させろ。
  10. 通告。マーケティング計画と経費予想はOKだ。それらは投資した金がどこでどの様に使われるかを教えてくれる。起業家が頭がおかしいかどうかも分かる。

私見:なぜ売上計画不要なのか?

この様な思想になった背景としては、

シリコンバレーではエンジニア同士で軽く早くWebサービスを立ち上げるのが標準になっており、

無料サービスや無料ツールの登場もあって、

立ち上げコストゼロ、

運営コストゼロ(=創業者給料ゼロなので)、

という環境になっている事が挙げられます。

昔:パワーポイント&実績ゼロで投資家や銀行から開始資金を調達しないとビジネスがスタートしない。Daveが言う芝居&脚本の世界。

今:学生のお小遣い程度でサービスは立ち上がる。結果でなければサービス潰して、チームは学びを活かして次のアイデアに移る。つまり投資家や銀行に行くのはビジネスの実績が目鼻たってから。Daveが言うリアルビジネスの世界。

僕自身も現在新規事業を計画しているため、

*色々な試作品を軽く早く作る。

*Codeはなるべく書かない

*開発経費をゼロにする様努める。

*小さく世に出す。

*反応を数値化して分析する。

*次の手を改善案として打つ。

*反応が悪ければ割と早めに諦める。

このサイクルを繰り返す様にしています。

確かに、

以前パワーポイントとにらめっこしていた時代に比べると、

リアルビジネスをしている実感はあります。

今流行っているProductHunt.comも、

創業者Ryanに東京で会った時、

うちは”メールマガジンからスタートした”、

つまりCodeはほとんど書いていない、

と言っていましたし、

Googleの主力商品AdSense/AdWordsも、

開発は2週間という超短期間で、

今や2.5兆円を稼ぎ出すお化け製品になっているのも事実です。

米国を経験して、

起業家でも軽い思いつきで即行動して、

偶然うまくいった人が割といるのにも驚きました。

日本人は思慮深いところが長所とはいえ、

パワーポイントが茶番とまでシリコンバレーの起業家集団トップに言われてしまうと、

軽い思いつきをどんどん形にし世に出さないと、

米国にイノベーションで勝てないのかもしれません。

もちろん僕自身もいまだ挑戦者であり、

イノベーションに関して偉そうな事は申せませんが、

皆様の何かの気づき・事業チェックリストになると幸いです。

(もし共感していただけたら記事をレコメンドして頂けると嬉しいです)

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