シリコンバレーの起業家育成組織に入って良かったこと

Daisuke Ishii
Kiara Inc. Blog
Published in
6 min readJun 7, 2015

倍率低いので、日本人チャレンジャーにはオススメです

石井@サンフランシスコです。

早いもので4月3日の渡米から2ヶ月が過ぎ、

一旦ビザ取得の目的での日本帰国が近づいて来ました。

今回はまとめとして、

お世話になったシリコンバレー起業家育成組織(アクセレレーター)、

One Tractionでの体験について書きたいと思います。

*One Tractionとは?という過去の記事はこちら

簡単に説明すると、

僕が米国で会社を設立する際の株式の一部と交換で、

シリコンバレーの各専門分野で活躍する先生役(メンター)が、

親身になって事業の指導を行ってくれ、

次のステージである米国人投資家(エンジェル)、

投資会社(ベンチャーキャピタル)からの投資を、

一緒に目指すという強化プログラム(ブートキャンプ)です。

自社株のオプションを一部渡す事により、

いわゆる”同じ船に乗った”状態となり、

一緒にお金儲けをしようと思ってくれているので、

安心してどんどん相談できます。

具体的に良かったこと

*米国人投資家サイドから見た合理的思考を学習できた

*起業家育成組織が乱立していて供給過剰になっているので、起業家にはチャンスである事がわかった

*村社会でアクセスが難しいシリコンバレー投資家への人脈ができた

米国人の合理性+Out of Box発想

よく言われる”米国人は理詰め。日本人は曖昧。”という事を、

身をもって各所で体験した今回の米国滞在でした。

定期的にOne Tractionとビジネス進捗状況の確認(メンターシップ)を指導役と行うわけですが、

学びは以下でした。

*理にかなわない事、目的が曖昧な事は一切やらない(日本人はこれが苦手)

*施策の検討範囲に漏れがないか徹底的に考える(脳みそを絞り出す感じ)

*煮詰まったときに奇策で状況を好転させようとする(米国人はOut of Box Thinkingといいます。脳みその外にあるアイデア、という意味だと思います)

*徹底した効率性重視(戦略的に考えろ+長くではなく賢く働け、と何回も言われました)

*2週間施策を必死に試して手応えがなければあっさり戦略変更(ピボット)する

*戦略(目標へのアプローチ)は柔軟に、ビジョン(大きな事業目的)には頑固にこだわる姿勢

*スモールビジネス(零細企業)を脱して、スタートアップ(当たると飛躍的に伸びるビジネス)に進化するための思考法

*一言で説明できないビジネスは検討外(米国人投資家は気が短いです。Simple is bestです。物事は単純な方が真理をつくという意味の、オッカムのカミソリKeep It Simple, Stupidという思考法もあります)

供給過剰=起業家にはチャンス

僕は渡米前に下記AngelistというスタートアップのためのWebサービスから、

40社あまりの募集中のアクセレレーターに応募しました。

自社の紹介を1分動画などを使って作りこむ必要はありますが、

応募自体は簡単な質問とクリックを繰り返せば、

数十社に数日で申し込めます。

僕はラッキーな事に渡米2週間後にOne Tractionに合格して、

事業を進める上での方向性がはっきりしたのですが、

リスクはほぼありませんので、

日本人の挑戦者の方々には、

ぜひこの方法を取って頂きたいと思います。

僕たちのAngelist応募フォームはこちらです。

シリコンバレーでは投資金額と成功事例が、

インターネットビジネスのグローバル化により、

年々大きくなってきていますので、

起業家と一緒にひとやま儲けようというアクセレレーターも、

年々増加して現在は供給過剰です。

つまり競争倍率は下がっているので、

今はチャンスです。

Y Combinatorというトップアクセレレーターが有名ですが、

僕がお世話になったOne Tractionは、

YCと違い規模も小さく手作り感も満載でした。

色々な種類のアクセレレーターがいますし、

行くか行かないかは合格してから決めればいい訳で、

とにかく数を当たる事をお勧めします。

日本ではあまりやりませんが、

アクセレレーターの掛け持ち、

という事も可能ですので、

2社のアクセレレーターで頑張ったのち、

トップのY Combinatorに合格、

という事例もあるようです。

僕自身この後他のアクセレレーターにも応募の予定です。

シリコンバレー投資家への人脈

シリコンバレーは村社会と言われていて、

人脈がないと一流の人たちには入り込みづらい文化があります。

投資を受けたい起業家にとっても、

投資家や投資会社とのアポイントが取りづらい状況にあるのですが、

アクセレレーターを介してアポを取ると、

比較的面会しやすいようです。

アクセレレーター自身も効率を求めているので、

投資家に会うべきタイミングかどうかも、

アドバイスしてくれます。

シリコンバレーのアクセレレーター組織には、

MBAや大企業、

投資会社関係者も多いので、

その様な人脈を買うと思えば、

少数の株を渡すのは安いのではないでしょうか。

次のステップへの架け橋に

米国式思考法、

人脈の紹介の他にも、

法務サポート(特にVISA問題)、

米国で会社設立にあたるアドバイス(デラウエア州に作るのが有利)、

住居サポート(パロアルトに住居兼シェアオフィスあり)、

などもパッケージの中に含まれています。

メディアでは、

Y Combinator/500Startupsなどのハイレベルアクセレレーターの報道しか目にしない為、

敷居が高そうに思えますが、

世界中アクセレレーターブームの昨今、

海外進出を狙う日本の起業家の皆さんには

このインフラの利用をお勧めします。

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