奨学金約250万円を3年弱で早期返済した話

Masayuki Goto
JFDI
Published in
6 min readMar 5, 2018

一つの例としてご参考までに。

数年前の話になりますが、僕は約3年弱という早期返済で奨学金2,532,000円を完済しました。当時はかなり真剣に返済について考え、行動していた気がするので、奨学金の返済に関する一つの例として書き残しておこうと思います。かなり極端なことを実行しているかもしれませんが、ご参考までに読んでいただけるとうれしいです。

早期返済を目指したきっかけ

僕は大学で第一種奨学金612,000円、大学院で第二種奨学金1,920,000円を借りていました。どちらも独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金です。

学生生活を過ごしている最中は、社会人になったらのんびり返済していけばいいかなと考えていました。その考えが変わったのは、ある日BOOK-OFFで立ち読みしたときのことです。

投資戦略の発想法」という本を何の気なしに手に取り読んでみると、「資産形成するにはまず負債を整理することから始めるべきだ」という旨のことが書いてありました。その章を読んだとき、「ああ、奨学金といえば聞こえはいいけど、要は今、自分は借金、負債を背負っているのだな。やっぱりなるべく早く返済しよう」と決意したのです。

極端で飛躍した考えだったと思いますが、有利子の第二種奨学金の兼ね合いで、返済が長くなると金利により返済額が多くなるということも、その決意を後押ししたと思います。今となって思えば、奨学金の金利など住宅ローンやカーローンに比べかなり低いとは思いますが、当時の僕は金利の分を支払うことすら嫌だと思っていたのです。

その時は大学院卒業まで数ヶ月あったので、そこから自分ができることを最大限実行し、ASAPで奨学金を返済しようと思い立ちました。

実行してきたアクション

ここからは、完済までに自分が実行してきたことをまとめていきたいと思います。基本的には、「繰上返還を可能な限り実行する」というポリシーに則り、愚直にアクションを取っていました。

1. 在学中から返済を開始する

在学中の繰上返還では、大学院卒業年の3月で支給が終了する奨学金を、同じ年の3月から返還開始することが可能です。こちらを知った僕は、可能な限りアルバイトをして、スカラネット・パーソナルから返還しました。

限られた時間でのアルバイトでしたので金額は微々たるものでしたが、繰上返還する意識付けはついたので良かったと思っています。

2. 可能な限り実家に住む

早期返済を思い立った時には、社会人になったときの住まいをどこにするか決めていませんでしたが、実家から通勤することにしました。(先輩や知り合いに実家から通勤しているという人がほとんどいなかったので、ここは自分を信じるしかありませんでしたが…)

結果的に片道1時間半程度かかることになりましたが、運良く最寄り駅が始発駅だということもあり、座って通勤することが出来たので良かったです。浮いた家賃分はそのまま繰上返還に充てていました。

その後今の家内と同居することになるまでの約半年間、実家から通勤していました。

3. なるべく家賃が低い場所に住む

可能な限り繰上返還できるようにするというポリシーを持っていたので、家内と同居する場所もなるべく家賃が低い場所が良いという思いがありました。

物件選びについてで一つStoryが書けそうな気はしていますが、気にしたのは以下の2点です。

  • 通勤のストレスを最小限にすること
  • 車無しで生活に必要な物品が揃うこと

探した物件は都内ではなくなりましたが、最寄り駅が始発駅で座って通勤できる物件で、家内も気に入ってくれました。結果、都内に比べおおよそ6 ~ 7割程度の家賃で住むことが出来、その分奨学金返済に充てることが出来ました。

4. ボーナスを9割繰上返還に充てる

こちらは家内の理解が絶対条件ではあったのですが、もともと豪勢にお金を使うという性格ではなく、ボーナスをパーっと使うという発想はありませんでした。ほとんど使わないのであればそのまま繰上返還に充てればいいと思い、自分のボーナスの9割は繰上返還に充て、残りは貯金しました。

5. 毎月一定額貯金できる生活を送る

上記のアクションを実行することで、貯金が全く無いという状況になるのは本末転倒だと考えていたので、上記を実行しつつも一定額貯金できるような生活を心がけていました。

ごく当たり前のことですが、外食を控える、余計なものは買わない、格安スマホに切り替えるといったありふれた節約方法を実行することで貯金をしていきました。また当時は給与天引きでの貯金も使い、強制的に貯金するということもやっていました。

奨学金を完済してみて思ったこと

上記を愚直に実行することで無事奨学金を完済することが出来たのですが、完済してみて思ったのは、月並みではありますが「気持ちが軽くなり、清々しい気持ちになる」ということでした。早期返済では想像以上に精神的にすり減るものがあったのだなと思います。完済して、冒頭の画像のハガキが届いたときの達成感は尋常ではありませんでした。

また完済したことで、奨学金について考えることが無くなったということも、非常に価値があることだったと思っています。通常のペースで返済していれば今後十数年、「奨学金」というワードが自分の考えるリソースを一定数消費し続けていたと思います。しかしそれがゼロになり、別のことを考えるのに考えるリソースを使えるようになったのは、自分にとってとても良いことでした。

そして、今後軽々しく借金してはいけないな、と非常に強く思いました。今後ライフイベントに応じて住宅ローンやカーローンなどを組むことになると思うのですが、返済には相応の覚悟を持つ必要がありますし、借りる額もシビアに見ていく必要があると感じています。

終わりに

奨学金の早期返済を実行している例はインターネット上でも少なかったので実行中は不安ではありましたが、結果的にやってよかったと思っています。読んでくださった方々の何かしらのお役に立てば幸いです。

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