キャリアコンサルティング事例(7)
有期実習型訓練・雇用型訓練実施前のキャリアコンサルティング
キャリアコンサルティングが必要な場面は、求職中・在職中共通しますが、何か自分の中で転機に立たされている時です。
職業訓練といえば、以前は再就職のために必要な技能や資格を取得するためのものというのが一般的でした。
今は、助成金関連でも人材開発を目的にした在職者職業訓練があります。
例えば、既存の契約社員やパートさんの技能をアップさせることで正社員に転換したり、生産性を向上させるためにOJTとOFF-JTを組み合わせた、専門技能をレベルアップするといったケースなどです。
いずれにしても、職業訓練実施前にキャリアコンサルティングを受けることが要件になっています。
雇用型訓練のキャリアコンサルタントの役割とは
雇用型訓練は評価シート(ジョブカード様式3–3–1–1)がありますが、評価は訓練終了後職場の責任者が作成するので、基本的には、ここに関わる必要はありません。
キャリアコンサルティングを実施する目的は、やはり訓練の効果(成果)を高めることにあるでしょう。
契約社員やパートなら、訓練の成果次第で身分が変わりますし、生産性をあげるための訓練なら、その訓練を受講した先にある得たい結果があるはずです。
だから、
・本人の課題を明確にし
・不安や懸念事項を払拭し
・受身ではなく能動的に受講できる
そんなサポートが必要です。
ジョブカードをどう使うか?
基本的にジョブカードで私が見ているのは、その方が成果を出す時に使っているスキルを特定することで、行動計画をたてる時にその強みを生かした提案をするためです。
ツールはあくまでも手段です。
訓練プログラムの限界を補足する仕組みを提案
職業訓練校を運営していた時から感じていたことですが、「訓練」で得られるものには限界があります。
なぜなら、訓練は基本的にやり方を教えます。でも、現代は知識が刷新化するスピードが早く、専門的な技術や技能も日々刷新化しますから、マニュアルにないことや新しいやり方を自ら考える力が求められます。
決められたやり方をただ繰り返して身につけるだけではなく、物事の本質を深く考えたり、前提条件を疑い、新たなやり方を自ら考える必要に迫られる力が求められるからです。
それに、基本的な技術が変わらなくても、状況に応じて臨機応変さが求められることや、その技術や知識を目的のために再構築する必要に迫られることもあります。
学習を引き起こすFILMシート
そこで、能動的に取り組める簡単なツールとして、FILMシートを紹介しています。毎朝、訓練受講前に5分くらい書き、終わってから振り返る。たったこれだけですが、効果は10倍以上変わります。いや、もっとかもしれません。
学習=自ら獲得した学び
人から教わったことは学習ではなく、ただ理解しただけです。
身につけるためには行動が必要ですが、FILMシートを使うことで、習得するプロセスが自発的かつ、毎回新しい発見があります。