キャリアコンサルティング事例(8)

管理職に昇格したがやっていける自信がない

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キャリアコンサルティングは、仕事の節目や転機に実施すると効果的ですが、今回は、管理職に昇格した女性の方の事例です。

売上を拡大する役割を担うことに不安がある

その方の一番の悩みを要約すると、事務方だった自分が営業、販売の第一線にいるスタッフさんを統括していく自信がないということでした。

社歴は一番長く事務方としてはベテランです。また、社長の信頼があつく管理職に抜擢されたとのことです。

会社としての課題は、スタッフさんはそれなりに優秀だけれど、売上が今ひとつ思うように伸びないことです。

そこで、

「リーダーシップってどんなイメージですか?自信がないのは、もっと具体的にあげるとどんなことなんでしょうか?例えば?」

すると、

「例えば、時間の使い方とかも、もっとこんな方が良いんじゃないかと思うこともあるんです。でも、現場を始終見ているわけじゃないし、本人たちの都合もありますから、自分があれこれ指図しても反発されるんじゃないかという不安があって、うまくいかないと思うんです。」

「つまり、『リーダーシップ=指示命令』、現場仕事は専門外なので自信がないと。そんな自分が管理職として売上の拡大を図るなんて無理じゃないかという不安ですかね?」

「そうです。」

問題ではなく、強みにフォーカスする

そこで、彼女の強みをさぐっていくと、

・商品や備品を常に切らすことなく揃えておく配慮

・スタッフの気持ちや状況を理解するコミュニケーション

などなど、

現場のスタッフさんが働きやすい環境を常につくっていくことには自信があるとのことでした。

人が自発的に働く要因で重要なこと、本来経営者が最も力を入れるべき要素は、成果をあげやすい環境をつくっていくことです。だから、そういう視点から考えると、社長が管理職に抜擢したのもわかります。

もともと総務・経理をメインに会社の金庫番と環境づくりを地味にやってきたわけです。なら、その良さを伸ばすことに力を入れる方向で、何ができそうかをいくつか考えてもらいました。

面談終了後、

「自分に合った管理職をめざして頑張ってみます」

視点を変えると弱みと思っていたことが強みになります。

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キャッシー:内藤圭子
有限会社あじさいキャリアフロンティア

人の隠れた強みを引き出すことに情熱を燃やすラーニングファシリテーター。家族は7歳年下のダーリン。特技はニコニコしながら言いにくいことを伝えること。プリン大好き神戸っ子です♪