Hello! from Vancouver

こんにちは!バンクーバーに留学中の絵茉 です。 少し自己紹介をすると、四国は徳島で生まれ育ち、もっと広い世界を見たいという欲求だけに従って18の年で上京、大学生活最後の一学期を使ってバンクーバーのUniversity of British Columbia(UBC)に4ヶ月間留学したのち、2ヶ月間アフリカのタンザニアにてインターンをする予定です。 日本では東京大学法学部に所属していました。バンクーバーに来てからしたこと思ったこと、抱負などを長々と書いていきたいと思います。

①圧倒的な文化的多様性

9月3日にバンクーバー入りし、寮が開く5日までダウンタウンのユースホステルに滞在しました。9月頭なのに既にバンクーバーは風がひんやりとしてセーターだけでは肌寒いほど。ダウンジャケットを着てバンクーバー中心部を見て回りました。来る前から聞いていたことですが、それでもやはり強く印象づけられたのがコスモポリタンな雰囲気です。世界中のあらゆる場所にルーツを持つ人たちが集まっているように感じました。それは後にUBCのキャンパスを歩き、授業を受けることでさらに強く実感することになります。誰がどんな意見を言っても全然周りの人が気にしていない様子・とりあえず発言は評価され、教授がいちいち理解を示して発言を推奨している様子は、日本で教育を受けこの間まで就活戦線にいた自分にとってなかなかに新鮮で面白いものです。ちなみに文化的多様性と言いましたが特にアジア人が多く、なんとキャンパス内に私の知る限り4つも寿司を売っている店がある(どの日本の大学よりも多いんじゃないでしょうか‥)ため食には全く苦労していません。寿司と言っても巻寿司が多いですが、スナックのような感じで気軽に食べられています。

美味しいんだけどなんか違う、バンクーバーのお寿司

②寮での暮らし

9月5日には寮が開き、私も5日に入寮しました。1つのフラットが六人でキッチン、シャワー、トイレを共有、それぞれに個室があります。私のフラットには私を含めて日本人2人、韓国人、イギリス人、マレーシア人、カナダ人がいます。まず軽く自己紹介をし合い、キッチン用品など共有するものを決めて一緒に買いに行ったり、トイレットペーパーなど消耗品の購入・ゴミ出しなどの分担を決めたりしました。

私は大学入学前に寮に住んでいたことがあり、寮生活が大好きだったので寮に住むことはとても楽しみにしていました。ただ全員日本人だった以前の寮とは異なり、習慣も考え方も母語も全く違う人同士が一緒に住むという状況なので、なるべく声を掛け合って隣人としての信頼関係を築いておくこと(少なくとも自分が悪いやつじゃない、と分かってもらうこと)が大切だと強く感じます。いくら同じ大学の生徒とはいえ赤の他人とシャワーやキッチンを共有して一緒に生活することにお互い少なからず怖さを感じているということは否定し得ないと思うからです。 それは入寮直後にIKEAに買い物に行ってどの包丁を買うか話し合っていたときに「大きな包丁が部屋にあると絶対に危ないから買わない方が良い」という結論になったこと、つい先日他のフラットにおいて盗難があったというニュースを聞いてみんなが不安になったことなどからも明らかでしょう。

二週間が経つ今では、それぞれが作った自国の料理をシェアし合うなど、徐々に仲良くなっていけそうな雰囲気を感じています。共通語は英語ですがお互いの距離を縮めるには食べ物という非言語コミュニケーションがとても有効なのだと改めて実感しました。特に韓国人のルームメイトやその友達はとても料理好きな人が多く、週に2回以上プルコギやトッポギ等大好きな韓国料理をごちそうになるなど甘えきっています。

韓国人の友人が作ってくれました!美味しい‥

③オリエンテーション・授業

9月8日にオリエンテーションが始まり、授業はその翌日から始まりました。北米の大学ではよく聞くことですがこちらでは1つの授業を取ると全て週三回か二回あり、しかも出席・文献を読んでくることが重視されるので1つの授業の負担が大きいです。私は「Comperative politics of Public Policy(公共政策の比較政治)」「Development and underdevelopment in the Third World(第三世界における開発と低開発)」「French Intermediate(フランス語 中級)」のクラスの三つを履修する予定です。

「Comperative Politics…」は北米とヨーロッパとの比較を行います。特に自分が4ヶ月間住む予定のカナダから見て世界の社会制度は、そして日本はどう見えているのかということを意識しながら勉強したいと思っています。 また、「Development and underdevelopment in the Third World」は社会学(文化人類学が中心)の授業ですが、今のところThird Worldをどう捉えるかというマクロな視点中心の授業と、Third Worldと呼ばれる地域でのフィールドワークをまとめた文献(ミクロな視点)中心のアサインメントとがセットになっていて、なかなかにハードです。大学ではあまり社会学を学ぶ機会がなかったので、自分にとって新しい考え方のフレームワークを吸収してみたいと思っています。 これらはいずれも現地の3年生の人たちが履修する授業であり、授業の内容だけを取ってみると東大に居たときの方が難しいかな、と思うこともあります。しかし授業を離れて読む文献は非常に難しく、そのギャップに驚かされます。1つ1つの授業を丁寧に受けて考え方を習得したいので授業は三つに絞ることにしました。履修している授業の全ての教授がオフィスアワーを設けて下さっているため質問にも行ってみたいと思っています。(ただ今は与えられた文献読みだけで終わってしまってそこからさらに考えるということができていない状況でありますが‥)

④外国人として暮らすこと・英語について

以上のようにつらつらと書き連ねていると、なんともスムーズに留学生活が進んでいるかのようですが、実際には毎日自分が母国にいたときとは違う空気の中にいることを実感し、かつなんとか適応しようと模索した二週間でした。つい先程文化的多様性について書いたのでやや矛盾しているように取られるかもしれません。もちろん文化が多様でこれといったものが無いのがカナダ、というのがよく言われることですが、それでも来て数日間の私にとっては、カナダに一定以上住んでいることで身に付くある種の文化があるように思えました。それはないのかもしれません。でもあるのではないか、と推測してしまう自分がいるのです。 それは自分が日本という非常に「空気を読む」ことが求められる社会に生きて来たからかな、と思います。 (つい先日カルチャーショックについての文章を読んでいたとき、social cuesという言葉を発見しました。どの文化にも一定の「空気を読む」という概念は存在し、それが分からない段階ではその分からなさがストレスの原因になる、というような内容だったと思います。以下ではこの言葉を使いたいと思います。)

日本は非常にsocial cuesの強い社会です。そのsocial cuesを無意識の前提とし、頼って生きてきたからか、カナダにあるのか無いのか分からないsocial cuesのようなものをまだ理解できないことが自分にとっては軽いフラストレーションの原因でした。例えばそれは挨拶におけるトーンであったりある1つの言葉に含まれる言外の意味であったりするかもしれません。相手の人は何を伝えんとしているのか、言葉だけでなく行動や表情などからも読み取って生きて来た私は、相手が何を考えているのか・自分の行動や言葉がどんな言外のサインを送っているのか分からない状況の中で振る舞うことはなかなか疲れることでした。これは何度も色んな人と話し、たくさん失敗して克服していくしかないのだろうと思っています。

それから当たり前ですが英語。10年以上英語を学んできて何度も英語で悔しい思いをしてきたにも関わらず、情けないことですがまだまだだな、と感じさせられる場面が非常に多いです。特に日常生活において①自分がその瞬間伝えたいことを伝える瞬発力のようなものと②聞き取りづらい状況/自分の慣れないなまりの英語を聞き取る力が無いと感じます。

①については、伝わらなかったときに言い換えるイディオムだったり単語だったりが頭の中からすぐに取り出せる状況にしておくようにしておくこと、なんでも堂々と話すことがまずファーストステップだと思っています。(最初は発音を気にしていましたが、それよりも伝わらなかったときに言い換えられることが大事だと思うようになりました)これは非英語圏ながらもなぜか存在感を発揮していたイタリア人男の子や、英語を勉強し始めて6年しか経っておらず外国に来るのも初めてと言っていたブラジル人の女の子を見ていて思ったことです。この英語に対するアプローチの仕方の差は面白いと同時に自分にとっては危機感を抱かされるものでもありました。

②については、相手の言っていることが聞き取れなかったらなるべく聞き返すようにすることを心がけることが本当に大事だと思いました。いろんななまりの人がいて、私はルームメイトが話す(たぶんちょっと方言の)イギリス英語が聞き取りづらいと感じるのですが、聞き返さないとものすごい勢いで一気に話が流れて行ってしまいますし、相手の話を理解せずにそのままにしておくとあとでコミュニケーションに齟齬が生じてしまって(この間言ったじゃん、みたいになる)大変なので、会話の流れを遮らない程度に聞き返したり確認したりするようにしています。ちなみにこのルームメイトの言ったHow was the day?があまりにも早すぎて、聞き取れなかったことは自分でも衝撃でしたね‥。

そんなルームメイトが作ってくれたパスタ!

とまあ長々と書いてしまいましたが、最後に留学の抱負をば。

何のためにUBCに来て、そしてさらにタンザニアに行くのか。奨学金の面接・研修などで何度も聞かれて当たり前のように答えていたことですが、その目的意識というものの大事さをこの二週間を終えてさらに強く感じています。目的は何で、その目的は何のためにあるのか、ということを再認識しないと大海の中でなんだか自分を見失ってしまうような気がしています。 留学の目的は

①世界各国の人に会って異文化内での自分の表現の仕方・役割を模索すること。 (今自分に欠けているのは日本語を話さない人たちの中で自分を表現する力だと思います。外国の学生が母語以外でも自分のことを伝えたりアピールをしたりすることの上手さにいつも圧倒されています。せっかく多国籍多文化のUBCに来ているのでいろんな国の人と話し、自分や日本のことを伝えてみたいと思います。4ヶ月間で50カ国以上の人と話すこと、毎日1つ日本ではやらなかったことに挑戦し、言葉を通じても言葉以外でも楽しみつつ人とつながる手段を探していきたいと思っています。)

②社会科学分野において、英語圏でそれらの分野を学んだ学生に劣らない能力を身につけること。 (これは集中力を要し、期末前などかなりプレッシャーとなることだと思っていますが各授業においてA以上を取ることを当面の目標に頑張っていきたいと思います。)

③体力をつけること (今は日曜日の午後で、寮の部屋でこれを書いています。せっかくの週末なのになぜ部屋に引きこもっているかというとバンクーバーの日中の寒暖差ゆえに風邪を引いてしまったからです。やれやれ‥。ということで自炊して運動もして(Zumbaというダンスのクラスに申し込みました!)健康的な生活を送ります。)

寮の部屋から見える景色(運動日和〜!)

コスモポリタンで多様なアイデンティティを持つ人たちが暮らすこの地において、改めて自分は日本というある文化圏の中で育って来たのだなあと実感することが多いです。それは日本というアイデンティティを持つんだからこうしなきゃ、という意識につながるのではなく(日本に感じるアイデンティティにも各人によって濃淡があるのでそれは不可能だと思う)、どうやったら各人がそのアイデンティティを活かして生きていけるのだろうかということを考えています。

UBCキャンパスの端にある新渡戸稲造記念公園の静謐な空気に落ち着きを感じつつも、ずっとここに居てこの静けさに浸り続けることは自分の性分でもないと思い、一歩一歩外に出て行こうと思うのです。

NItobe Memorial Garden
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