留学万歳??

Bonsoir! ジュネーブ大学で言語にまみれているaoです。

留学前半、寒いとか高いとか何もないとか騒いでおりましたジュネーブにこの上ない愛着心が湧いてきた今日この頃、早くも3期の留学生活は終盤にさしかかっていますね。プロフィールを読ませていただいてスイス組がいつの間にか増えていて嬉しい限りです。早く帰国して皆さんに会いたいです^^けどやっぱりまだ帰りたくない!

マルシェの頻度も冬に比べて増えてきました 八百屋さんは親切に料理に合わせて一番いいものを選んでくれます!

イースター休みをまるまる使って旅行をしてきました。テロの影響から空港でヒヤヒヤしたり、英仏独を総動員しても読めない地名にあたふたしたり、逞しさを向上させたい欲求と安全性確保のバランスをこれでもかというほど深く考えた前半はポーランドに。

今学期のドイツ語の授業で興味が湧いた、アウシュビッツ強制収容所の見学が目的でした。折しも旅行直前に井伏鱒二『黒い雨』の映画鑑賞会がジュネーヴであり、第二次世界大戦関連で座学以上の勉強する機会を得られました。ドイツがまたしてもなにかをもたらしてくれたようです。

秋のショパンコンクール参戦以来、ポーランドは早くも2度目でしたが、留学初期の高揚感を思い出したりして、個人的にとっても思い入れの深い場所にいつしかなっています。

後半は同じJISS2期の愛するオスロ先輩とともに詰めに詰めた日程でバルト三国を駆け巡り…(首都と国名全部言えますか??)時間がないと分かっているのに観光を脇に置いてレストランで閉店時間まで喋り倒したり、たまたま入った博物館や教会で見事に東ヨーロッパやソ連の文化にはまって長居したり。

見たことのないものにわくわくし、前代未聞の文化に出会い、(おまけに物価が安い)そんな初歩的かつ最大の楽しみを満喫できた旅でした。

スイスは2月後半に春学期が始まったので、このイースター休みでやっと3分の1の区切りを迎えました。今学期は先学期よりかなり心が軽く、原因は’慣れ’だけではないような気がしています。特に語学について、この場を借りて思っていることをまとめてみます。

ポーランドの京都、クラコフ旧市街*目的はアウシュビッツ強制収容所の見学でした。

留学中の人に共通の感覚だと思いますが、半年経つと格段に授業の内容がよりよく分かるようになります。留学する前、このように感じるのは留学前の努力が足りないからだ、最初から100%理解できるように語学力も知識量も準備していこうと構えていました。しかしこちらに来て初めて「物事がわかる」ことの大変さを体験しました。

例えば、”école”という単語はフランス語で「学校」という意味で、見ての通り暗記するのも、授業中に聞き取るのも決して難しくありません。それが社会言語学の中では”国の言語政策を決める政治(ピラミッドの頂点)とその国に住む個人や家族(ピラミッドの根元)の間に立ち、定められた「教育」を「地域の言語で」教える機関である”と考えます。単に子供が勉強する場所ではなく、国が国民に求める最低限の知識を教え込む場、ジュネーブでは就学前教育を含めたフランス語での義務教育の期間、という暗黙の了解がたった一語の中に含まれている。おそらく、別の大学の言語学の授業や他の分野では別の意味の次元が広がっているでしょう。

日本語で授業を聞いていたら、微々たる言い回しの違いや文脈からの読み取りでこうした背景が自然に理解できる上、もし事前知識がゼロでも素早くその場で情報収集することができます。しかし帰国子女でない以上、外国語は文字の羅列としてしか頭に入ってこないのでこうした背景をひたすら勉強するほかなく、やみくもに試験勉強をした先学期の知識を総動員してやっと今学期の授業が深く理解できます。

専門分野の語彙を外国語に変換する手間が少なくなる→授業で議論されていることがその場で直に理解できる・留学先で話題に上っていることも進行形でチェックできている→質問も自然に出てくる・授業に参加できる→次の授業に向けて準備する気になる(→こつこつ振り返って勉強しているので試験前に焦らない…はず))今学期はこうしたサイクルが回っている、またはうまく回すコツが分かるようになりました。

”深い”友達が増えました^^

聞ける、分かる、友達出来る、やっとのことで調子に乗ってきて留学バンザイ(/・ω・)/もうフランス語も完璧!と言いたいところですが、たった一年の学部留学で語学はマスターできません。言語学専攻と騒いでおいて情けないですが語学と言語学は別物で、自分の語学力は理想からとてもかけ離れています('_')

Kei氏のブログにあったように、日常生活の中で外国語を使うことに違和感を感じなくなったのは事実です。ネイティヴのように話さなくても良い、という意識も身についてきました。単純にアウトプットの機会が増え、話すスピードや会話の持って行き方に慣れたのだと思います。そして、専門分野の語彙は格段に増えました。スイスの言語政策についてはいっっっっくらでもフランス語で話せます。(悲しいことに、ジュネーヴ大学の教授くらいしか需要がないですが)

ただ、一つの分野だけで半年もかかっていて、ある言語を自分の思うように操れるようになるまで、何年留学すればいいの?!やっぱり外国人と付き合わなきゃダメ?!いやでも全部の分野について話せるようになる必要はないし…じゃああのちんぷんかんぷんな歴史の授業は切っちゃおうかな…でも先生いつも添削してくれるし申し訳ないな…こんなことを授業中に考え始めちゃったりするので笑、慌ててまた録音レコーダーのスイッチを入れ…の繰り返し。果たして進歩したのかしていないのか。

(実はこういう、特定の分野にのみ通用する外国語能力をcomplémentabilité(補完性)と社会言語学の中では呼びます。一言でマルチリンガルといっても、完全に外国語を使いこなせる必要はなく、自分の使いたい分野で通用する能力さえ身につければよいのです。ショパンが得意なピアニストがリストはうまく弾けないけれどもショパンコンクールで優勝し、ピアニストとして成功するというようなものです。)

自分自身も留学前に過剰な期待をかけていましたが、勉強すればするほど話せないのが外国語ですね。そこにロマンを感じるまでに成長しただけ良かったと思います。ロマンを感じられるような素敵な言語に出会えて幸せです。

いやはや、ここまで自分の思考を言語化することに人生で最長級に時間がかかりました。最後に言うのもなんですが、留学は楽しいです。下らない事から真剣な事までいろんな事を考える時間があります。

もう分かったよと言われそうですが、あまりにも綺麗なので何回でも載せます。Lac Léman♥

帰る前にやっておきたいことが沢山あるのでラストスパート頑張ります。Bonne semaine à tous!!

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