Hong Kong is not China??

Lee Haruki
JISS blog
Published in
4 min readDec 27, 2015

つい先日、大学構内で平等な選挙と民主主義を求めるデモが起き、かけつけた香港メディアの姿を見たばかりですが、今回は「Hong Kong is not China?」というテーマで、書いていきたいと思います。

12月下旬、香港大学の図書館前のボードに、「Hong Kong is not China」という張り紙が突如現れました。(写真)誰が貼ったのかは分かりませんが、この張り紙は1週間ほど、ボードに貼られたままでした。香港は中国か否か。程度の差こそあれ、私が仲良くしている香港人学生は皆、香港は中国でないと述べます。

実際、香港と中国では政治・経済体制の面から非常に異なっています。中国は97年の香港返還に際し、「一国二制度」というシステムを導入しました。一つの国に、二つの制度。つまり、一つの中国という国において、大陸では社会主義制度を、香港、マカオでは高度な自治権を有する特別行政区として資本主義制度を実行するということです。こうして香港では、返還当初から中国共産党一党独裁の支配をある程度免れ、独自の憲法、党派を持ち、資本主義の道を突き進むことになりました。さらに、香港では言論の自由が保障されており、中国では禁止されているFacebookやTwitterも使用することができます。言論の自由があるからこそ、「Hong Kong is not China」という張り紙や、昨年の雨傘革命(中国政府に対するデモ)も可能でした。雨傘革命については、また回を取って紹介できたらなと思います。

政治、経済体制から中国と異なる香港ですが、文化や人々の意識の面でも、両者はかなり違っているように思います。香港の電車に一時間ほど乗ると、中国(深圳)についてしまうので、私はよく中国に旅行に行くのですが、中国に行くたびに、香港との違いに愕然としてしまいます。文化面の違いを表す画像をいくつか下に乗せたので、見てみてください。

香港では繁体字・広東語、大陸では簡体字・北京語がつかわれています。広東語と北京語の発音は、日本語と韓国語ほどの差があるので、勉強しない限り理解はできません。そのため、北京語のできない香港人が中国人と話す時は、英語かもしくは英語も出来なければ筆談をしています。
中国に入ったとたんに英語は全く通じなくなります。また外国人もほとんど見かけなくなります。確かに、海外に目が向いている香港人学生は多いです。(多いというかほとんど?)
これは本当に、本当です。中国旅行の一番の難関でもあります。

その他、両者の違いはまあまだあるのですが、気になる人は「HK is not China」で画像検索をしてみてください。多少の誇張は有りますが、あながち間違っていないと思います。実際、香港人を中国人と一括りにするような発言をすると、むっとするか、苦笑いを返してくる香港人が特に若者には多いです。そして、学内でも香港人は香港人どうし、中国人は中国人どうしで仲良くしていることが多いように感じます。特に、雨傘革命に関して、多くの香港人の友人がポジティブに話すのに対して、ほとんどの中国人の友人がかなり批判的に話すのを聞くと、両者の間にある確執のようなものを肌で感じてしまいます。

どちらのグループにも属さず交換留学生という立場である私は、客観的な視点で両者を眺めることができるので、それが時どきありがたく、また時には客観的にしか考えることができないことが歯がゆくもあります。一度、中国人の友達と雨傘革命についてどう思うかという話をしたときに、私が「interesting」という言葉を使って相槌を打ったら、その子にこれはぜんぜん「interesting」な話ではないもっと深刻な問題だから、と叱られたこともあります。でも客観的にしか考えられない私からしたら、やっぱり「interesting」なんですね・・・。

次回は一学期の振り返りと、二学期目の抱負について書きます!

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