アフリカの空港で海外の大物をナンパした話

僕はよく知らない人に声をかける。

日本人だろうと外国人だろうとあまり関係ない。

ついでに言えば男だろうと女だろうとあまり関係ない。

ここではアフリカの空港で海外の大物から番ゲ(ナンパの世界で電話番号をゲットすること)した話を書きたい。


夏の暑い某日。その時僕はアフリカのとある空港にちょうど着陸したところだった。

飛行機から降りてうだる暑さの中、入国審査の列に向かう道中、突然あることを思い出しやや焦っていた。

それは迎えの人の有無だった。荷物が多いにもかかわらず、迎えの人の返信を待たずに出発してしまったのだ。アフリカの空港×多量の荷物×ポッチで待つ。これはあまりいい組み合わせではないだろう。

あーミスったな。ビザ関係のことで頭いっぱいだったと一瞬反省し、審査上の列に並ぶと、目の前にビジネスマンっぽい人がいたので、流れで話しかけた。50歳前後の白人男性で、外と連絡とらせてほしいとの思いから。

ただノリで話したとはいえ、一瞬頭によぎったのは「この人めっちゃちゃんとしてそうだし、アフリカと言えど丁寧に話そう」と思ったことだ。

確かこんな感じだ。

僕:「すいませんちょっといいですか?」

ジェントルマン:「ええ」

僕:「今迎えの人が空港に来ているかわからない状況でもし現地で使える携帯を持っていれば、電話してもいいでしょうか?お金は払うので。」

ジェントルマン:「大丈夫ですよ。ちょっと待って下さいね。」

そして、ジェントルマンが現地の携帯を取り出してゴニョゴニョ設定をしている間、話す空気になったので(ちなみにローソンでレンジ待ちの時も大抵話す)、とりあえず見たものをそのまま話した。

会話のきっかけ

僕:「そのジャケットかっこいいですね。ビジネスですか?アフリカでは?」

ジェントルマン:「おーありがとう。そうだよ。君もかい?」

みたいな感じでとりあえず目的とは関係ないことを話し始める。イギリス人でお互いアフリカのビジネスということで、

僕:「イギリスでアフリカビジネスだと結構有利なんじゃないんですか?フランスみたいに。でもフランスほど聞かないか」

ジェントルマン:「んー実際はあんま関係ないかな。イギリスは。」

僕:「でもなんでフランスはあんなイケイケなのにイギリスはダメなんですかね?植民地までは同じなのに。」

ジェントルマン:「それは難しい質問だね。」

僕:「イギリスとフランスって似てるような似てないような感じですね」

ジェントルマン:「ハハ、そうだね」

ここまでは他人でアフリカなので、相手はかなり緊張感を持って話していたと思う。フザケたことはすんなよというオーラと言ってもいい。ただ一方でまあまあ丁寧だし無視するわけにはいかないという感じか。

イギリスのイメージ

話の最中、ふと一呼吸おいてイギリスについて考える。

僕:「イギリスか。。。」「イギリスの人ってそういえばなんか他の国に興味なくないですか?フランスは何か外見てランク付けしたがるけど。日本でもフランス人はいるんですけどイギリス人ってあんま会わないんですよね。来ててもなんかしゃーなしでみたいな感じで。イギリス人他の国に興味ないでしょw?」

ジェントルマン:「んーそうかもしれない。そうかもしれない。」ここでジェントルマンなかなか長めに考えこむ。

そして、

ジェントルマン:「うん面白いね。確かにそうだと思う。」

ここでおそらくある程度感情が動き、相手からの初めての質問が来る。コミュニケーションはコモンセンスに基づいた感情のボラティリティがキーと言ってもいいのかもしれない。

アフリカの大変なところ

ジェントルマン:「ところで君アフリカはどう思う?日本との違いとかの観点から。」

僕:「んーアフリカでは集中して歩かないとって感じですね。僕にとって。」この時は実際の交渉の場面などをイメージしていたので一転してかなり真剣な表情で。

僕:「まあ日本ではすいません、ペコペコって感じなんでw」ちょっとしたギャップ。

ジェントルマン:「んーなるほど。」ここでもまあまあ長めに考えこむ。

これを堺に大きくゲームチェンジしたような気がする。ジェントルマンはこの後、自分の家族の話や好きなことについても色々話してくれた。

今しばし振り返ってみると、おそらく相手に刺さったなと思われる場面は1イギリスのイメージを言った時2アフリカの大変な所を言った場面だ。なぜかと言われたらムズイが、1は今までの経験から先進国の人は何だかんだ自国の事が好きだという所。2は単純に外国人のアフリカビジネスでの共通点だったからというところか。ただ基本は相手の仕草などのリターンが重要なサインだろう。

とにかく宴もたけなわでタイムアップとなった。ここでジェントルマンの入国審査が開始されたからだ。別れ際に良かったら連絡してくださいとビジネスカードを渡し、お別れ。結構ぼくの声はでかいので一部始終をみていたイミグレのオフィサーも僕らに対してフレンドリーに対応してくれた。何だかんだ人種は重要で、アジア系のぼくと白人が気兼ねなく話しているのを認識させた後は、完全な他人でもコミュニケーションが円滑に進む。アジア×アジアで話して盛り上がってるのとは多分違うだろう。


そして一週間後、そんなやり取りも忘れかけていた頃一通のメールをもらった。会社の名前は聞いていたけれど、そのメールで偉い人だということを知った(ヨーロッパのインターナショナルカンパニーのアフリカ地区トップ)。結局アフリカと言えど広く、要件もなければいまいち話すこともないので軽いやり取りをして終わったが。ただ今思えば今までで最も快適な入国審査待ちの時間だった。ありがとうジェントルマン!

PS:ちなみに外の人とは無事に連絡がつきたくさんのスーツケースも無事運び出せました。