HoloLens 2 の環境構築をして実機で動かす
今回は HoloLens 2 を使って新規に Unity で開発を行う際の環境構築とテストシーンのビルドまでを行いたいと思います。
Microsoft が推奨している MRTK (MixedReality ToolKit) を使用させていただきました。
これは MR デバイスで行うことのできる操作をまとめたパッケージです。MR デバイスだけでなく、OpenVR ヘッドセットの開発にも使用することができます。
動作環境
- Unity 2018.4.x , 2019.2.x 以降
モジュール:UWP モジュール - Visual Studio 2019(16.2)以降
ワークロード:C++によるデスクトップ開発、ユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) の開発 - Windows 10 SDK 10.0.18362.0 以降
今回は、以下の環境でビルドを行いました。
- Unity 2019.2.21f1
- Visual Studio 2019 (16.5.2)
さっそく環境構築に移っていこうと思います。
デバイスを開発者モードにする
HoloLens 2の開発には、Windows、HoloLens 2 ともに開発者モードである必要があります。
Windows
- 「設定」から「更新とセキュリティ」を選び、開発者向けの機能を使う選択肢から「開発者モード」を選択します。
- オンにするか聞かれるので「はい」を選ぶと、開発者モード用のパッケージがダウンロードされ、開発者モードになります。
HoloLens 2
- HoloLens 2 にも同様のアプリがあり、「設定」から「更新とセキュリティ」を選び、開発者向けの機能を使う選択肢から「開発者モード」を選択します。
2. こちらもオンにするか聞かれるので、「はい」を選択すると、開発者モードになります。
Unityの環境構築
Unity で HoloLens 2 の開発を行うための環境を整えます。
- UWP モジュールを追加した Unity でプロジェクトを作成します。
UWP モジュールが入っていない場合は追加します。
2. プロジェクトが立ち上がったら、File → BuildSettings で TargetPlatform を UWP に SwitchPlatformします。
3. ウインドウ左下の PlayerSettings を開き、XR Settings でVirtual Reality Support を有効にし、SDK に WindowsMixedReality を設定します。
4. MRTK では TMP が使われているシーンがあるため、Window → TextMeshPro → Import TMP Essential Resources よりインポートしておく。
5. MRTK のリリースページより、「Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Foundation.2.3.0.unitypackage」をダウンロードします。
ダウンロードしたパッケージを読み込みます。
6. MRTK の設定を出す。Config MRTK の設定を適用する。
このとき、MSBuild for Unity のチェックは一度外します。
7. 新しいシーンを作成して、MixedRealityToolKit タブから、”Add to Scene and Configuration” を押します。
8. Hierarchy ウインドウで Create → 3DObject → Cube を生成し、Inspector から position を(0,0,1)に設定します。
Ctrl + Shift + S で任意の場所にシーンを保存します。
9. Hierarchy ウインドウにある MixedRealityToolKit を選択し、Inspector ウインドウの MixedRealityToolKit(Script) の、「DefaultHololens2ConfigurationProfile」にプロファイルを変更します。
10. File → BuildSettings → Add Scene を行い、任意の場所に Build
( App というディレクトリを作成し、App 内に Build しました。)
Visual Studio での操作
さて、Unity でビルドして生成された Visual Studio のプロジェクトを開き、ビルドしたものを実機で動作確認していきます。
有線でインストールを行う方法と無線でインストールを行う方法の二通りがありますが、今回は無線でインストールを行います。
- ビルドしたディレクトリに生成された .sln ファイルをダブルクリックして、Visual Studio を開きます。
この時、コンポーネントが不足していた場合、ダイアログに従って追加を行います。 - 構成を「Release」、アーキテクチャを「ARM」または「ARM64」、インストールターゲットデバイスのドロップダウンを開き、「プロパティ」を開きます。
この時、「Il2CppOutPutProject」が選択されていた場合、” [プロジェクト名] ( Universal Windows ) “ を右クリックし、スタートアッププロジェクトに設定を押します。
3. 「構成のプロパティ」→「デバッグ」→ コンピュータ名を Hololens 2 の IP アドレスを入力します。
HoloLens 2 の IP アドレスは設定アプリの「ネットワークとインターネット」→ 現在つながっているネットワークの「詳細オプション」をタップするとみることができます。
(※この手順は有線接続を行っている場合は不要です。)
入力が終わったら、適用してウインドウを閉じます。
4. 「デバッグ」→「デバッグなしで開始」でデバッグインストールが開始されます。
5. 初回のみデバイスのペアリングが必要なため、PIN の入力が必要になります。
設定アプリ → 更新とセキュリティ→ 開発者向け → デバイスのペアリング → ペアリングで PIN を生成して、 Visual Studio で求められたら入力します。
6. ペアリングに成功するとアプリのインストールが続行されます。
7. インストールされたアプリを実行すると、目の前に巨大なバーチャル Cube が出現します。
デバイスにインストールだけ行いたい場合
「ビルド」→「ソリューションのビルド」でビルドを行い、「ソリューションの配置」でインストールを行います。
まとめ
お疲れさまでした!
公式のチュートリアルがとても丁寧で、あまりつまづくことなく環境構築を行うことができました。少しでも参考になると幸いです。