HoloLens 2 の環境構築をして実機で動かす

Motoki
Kadinche Engineering
8 min readApr 8, 2020
HoloLens 2 開封時の様子

今回は HoloLens 2 を使って新規に Unity で開発を行う際の環境構築とテストシーンのビルドまでを行いたいと思います。

Microsoft が推奨している MRTK (MixedReality ToolKit) を使用させていただきました。
これは MR デバイスで行うことのできる操作をまとめたパッケージです。MR デバイスだけでなく、OpenVR ヘッドセットの開発にも使用することができます。

動作環境

  • Unity 2018.4.x , 2019.2.x 以降
    モジュール:UWP モジュール
  • Visual Studio 2019(16.2)以降
    ワークロード:C++によるデスクトップ開発、ユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) の開発
  • Windows 10 SDK 10.0.18362.0 以降

今回は、以下の環境でビルドを行いました。

  • Unity 2019.2.21f1
  • Visual Studio 2019 (16.5.2)

さっそく環境構築に移っていこうと思います。

デバイスを開発者モードにする

HoloLens 2の開発には、Windows、HoloLens 2 ともに開発者モードである必要があります。

Windows

  1. 「設定」から「更新とセキュリティ」を選び、開発者向けの機能を使う選択肢から「開発者モード」を選択します。
  2. オンにするか聞かれるので「はい」を選ぶと、開発者モード用のパッケージがダウンロードされ、開発者モードになります。

HoloLens 2

  1. HoloLens 2 にも同様のアプリがあり、「設定」から「更新とセキュリティ」を選び、開発者向けの機能を使う選択肢から「開発者モード」を選択します。

2. こちらもオンにするか聞かれるので、「はい」を選択すると、開発者モードになります。

Unityの環境構築

Unity で HoloLens 2 の開発を行うための環境を整えます。

  1. UWP モジュールを追加した Unity でプロジェクトを作成します。
適当なプロジェクト名を付けて作成

UWP モジュールが入っていない場合は追加します。

モジュールを加える
Universal Windows Platform Build Support を選択して実行

2. プロジェクトが立ち上がったら、File → BuildSettings で TargetPlatform を UWP に SwitchPlatformします。

Universal Windows Platform に Unity のロゴがついていることを確認する

3. ウインドウ左下の PlayerSettings を開き、XR Settings でVirtual Reality Support を有効にし、SDK に WindowsMixedReality を設定します。

Virtual Reality SDKs 右下の+を押して、SDKを追加する。

4. MRTK では TMP が使われているシーンがあるため、Window → TextMeshPro → Import TMP Essential Resources よりインポートしておく。

5. MRTK のリリースページより、「Microsoft.MixedReality.Toolkit.Unity.Foundation.2.3.0.unitypackage」をダウンロードします。

ダウンロードしたパッケージを読み込みます。

6. MRTK の設定を出す。Config MRTK の設定を適用する。

このとき、MSBuild for Unity のチェックは一度外します。

7. 新しいシーンを作成して、MixedRealityToolKit タブから、”Add to Scene and Configuration” を押します。

8. Hierarchy ウインドウで Create → 3DObject → Cube を生成し、Inspector から position を(0,0,1)に設定します。

Ctrl + Shift + S で任意の場所にシーンを保存します。

9. Hierarchy ウインドウにある MixedRealityToolKit を選択し、Inspector ウインドウの MixedRealityToolKit(Script) の、「DefaultHololens2ConfigurationProfile」にプロファイルを変更します。

10. File → BuildSettings → Add Scene を行い、任意の場所に Build
( App というディレクトリを作成し、App 内に Build しました。)

Visual Studio での操作

さて、Unity でビルドして生成された Visual Studio のプロジェクトを開き、ビルドしたものを実機で動作確認していきます。

有線でインストールを行う方法と無線でインストールを行う方法の二通りがありますが、今回は無線でインストールを行います。

  1. ビルドしたディレクトリに生成された .sln ファイルをダブルクリックして、Visual Studio を開きます。
    この時、コンポーネントが不足していた場合、ダイアログに従って追加を行います。
  2. 構成を「Release」、アーキテクチャを「ARM」または「ARM64」、インストールターゲットデバイスのドロップダウンを開き、「プロパティ」を開きます。
    この時、「Il2CppOutPutProject」が選択されていた場合、” [プロジェクト名] ( Universal Windows ) “ を右クリックし、スタートアッププロジェクトに設定を押します。

3. 「構成のプロパティ」→「デバッグ」→ コンピュータ名を Hololens 2 の IP アドレスを入力します。

HoloLens 2 の IP アドレスは設定アプリの「ネットワークとインターネット」→ 現在つながっているネットワークの「詳細オプション」をタップするとみることができます。
※この手順は有線接続を行っている場合は不要です。

入力が終わったら、適用してウインドウを閉じます。

4. 「デバッグ」→「デバッグなしで開始」でデバッグインストールが開始されます。

5. 初回のみデバイスのペアリングが必要なため、PIN の入力が必要になります。

設定アプリ → 更新とセキュリティ→ 開発者向け → デバイスのペアリング → ペアリングで PIN を生成して、 Visual Studio で求められたら入力します。

ペアリングを押すと PIN が生成される

6. ペアリングに成功するとアプリのインストールが続行されます。

7. インストールされたアプリを実行すると、目の前に巨大なバーチャル Cube が出現します。

デバイスにインストールだけ行いたい場合

「ビルド」→「ソリューションのビルド」でビルドを行い、「ソリューションの配置」でインストールを行います。

まとめ

お疲れさまでした!
公式のチュートリアルがとても丁寧で、あまりつまづくことなく環境構築を行うことができました。少しでも参考になると幸いです。

--

--