『「正しいものを正しくつくれているか?」〜経産省プロジェクトでのアジャイル開発〜』に参加しました #devlove

Kohei Kadowaki (@kadoppe)
Kadoppe’s Blog
Published in
5 min readJun 4, 2019

2019/06/04 に開催された掲題のイベントに参加してきました。

プレゼンテーションで使われた登壇スライドは以下。この記事ではプレゼンテーションの詳細には触れないので、気になる方は資料の方をご覧いただけると。

気づきと学び

いくつかあった気付きと学びをメモ。

行動して結果を残すことで、次に繋がる

ものごとを正しい方向に進めるために、誰かに対して正論をいくら言い続けたとしても、いろんな背景や理由が制約となって理解してもらえなかったり、理解してもらえたとしても「とはいえ」という形で受け入れてもらえないことがある。

でも、そこで自分が「正しい」と信じるものを「正しい」と信じるやりかたでつくることを止めてしまったり、終わらせてしまったりしてはいけない。「なんだこの人達、何言ってもだめやん」ってキレて、さじを投げるのは簡単だ。

今日のプレゼンには、そういった状況においても、

  • まず自分がやってみる(=行動をする)
  • 行動によって何らかの結果を残す

ことを諦めずに実行することが大切だというメッセージが込められていた。

誰かが正しいと信じたやり方にもとづいた明確な結果が眼の前に現れることで、それ目にした人たちは、その結果を無視できなくなり、それについて考えざるを得ない状況になる。そうすることで、行動を伴わない言葉だけの正論を言われ続けるだけの状況よりも、これまでの積み重ってきた前提を覆した上で、ものごとを正しい方向に変えていけるような動きが生まれやすくなる。

行動を伴わない正論には、そこまで価値は無いと個人的には考える。

口だけで正論を言うのは -200 点、Next Action を提示して -100 点、実際に行動をして 0 点、結果を出して 50 点、結果から学びを得て次の Action につなげることができて80点

みたいなことを同僚が言っていたときに、ものすごく納得感があったあことを覚えているけど、それと近い感覚を今日のイベントでも覚えた。

とにかく結果と学び(自分にとっても周囲にとっても)が伴う形で行動することを、最優先事項として心がけよう。結果でプロダクトや事業にコミットしたい。口だけ達者な人や、評論だけして何もしない、結果を生み出さない人にはならない。

ユーザーを巻き込むことで自分達を変えていける

サービスを開発・提供している社内だけでは、ものごとを正しい方向に変えていくことがどうしてもできない場合がある。そういった場合でも、サービスの作り手とユーザーの境界線を曖昧にし、ユーザーを社内に取り込み、一緒になってサービスを作っていく・成長させていくことで、ものごとを正しい方向に進めるための力学が働きやすくなる、というメッセージがプレゼンテーション中にあった。

ユーザーからのフィードバックと強制的に向き合う機会をつくることで、気づいてはいるんだけど、実際は見てみないふりをしていた不都合な事実や問題に向き合わざるを得なくなる。

ユーザーテストやユーザーミートアップ、ユーザーと社員が混ざり合ってのワークショップといったように、サービスの作り手とユーザーが対話し、向き合うような機会を必要なタイミングで用意することが大事。

長く同じプロダクトを作り続けると、どうしても作り手の中に自分達が正しいことをやっているというバイアスが芽生えてくると思う。必ずしもユーザーからのフィードバックが正しいとは限らない。ただ、それを知らない状態で視野狭窄になっている事自体が、作り手にとっては危険な状態だ。

ひとりだと、ものごとを捉えるときに使える視点の数は限られる。そういった視点から見える情報をもとに行なった意思決定やアウトプットは、違う視点からみたら明後日の方向を向いたとんでもないものかもしれない。

自分達が正しいと信じるものをつくり、世の中に出し続けることは、強いプロダクトを生み出すためにすごく重要なことだとは思うけど、自分達だけでは、見える世界の広さには限界がある。自分達の判断が間違っているかもしれないという前提を常に持ち続ける必要がある。

自分達が見えてない部分を補うためにユーザーの力をお借りすること、そのために社内の活動にユーザーに参加していただき、双方の境界線を曖昧にして、一緒になってサービスを成長させる取り組みを始めることが、さらにユーザーにより素晴らしい体験を提供できる、強いプロダクトを生み出すために必要なことだということを改めて感じた。

おわりに

今日は具体的なエピソードにもとづくプレゼンテーションを聞くことができた。こういうイベントに参加するといつも思うけど、こういう他の誰かが体験した具体的な話やそれに紐づく学びを、自分の中でどうやって汎用的な学びや知見に昇華させた上で、その後自分が実際に向き合っている具体的な問題・世界にどうやって落とし込むかが大事で、かつ少し難しい。

具体例をそのまま鵜呑みにしてはいけない。汎用的に捉えることができたとしても、汎用的な世界から神様目線で問題を解こうとするのもあまりうまくいかない。最終的に自分達の具体的な世界まで知見や学びを引きずり下ろすことができて、実際に結果が伴う行動ができたタイミングで始めて、こういうイベントに参加する意味や価値が生まれるんだろうなと思った。

おわり。

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