チームで仕事をすることについて

morygonzalez
Kaizen Platform のモノ作り
5 min readOct 12, 2016

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こんにちは、 Kaizen Platform, Inc. に入職して 1 年 3 ヶ月の Hitoshi Nakashima と申します。普段は福岡市で生活しており、遠隔にて就労しております。小社ではウェブアプリケーションエンジニアとして勤務しており、主に Ruby on Rails で構築されたウェブアプリケーションの開発・保守を行っています。最近では Kaizen Chat と呼ばれる Kaizen Platform ユーザー向けの Chat ソフトの開発に関与しました(小社製品をご利用の皆様でまだ Kaizen Chat をお試しいただいたことがないという方がおられましたら是非一度お試しください)。

個人では年に一度(主に年末)、失敗談や暗い話をブログに投稿してソーシャルネットワークの耳目を集めることを主な活動内容としております。

今日は最近のチームで仕事をすることについて話したいと思います。

私は去年、自分のブログにこのような記事を書きました。

良いエンジニアの定義 — portal shit!

その中でスクラムを批判するようなことを書いて物議を醸しました。

スクラムチームでエンジニアは、スクラムマスターとスプリント計画、プロダクトオーナーとの「合意」により保護される。自分一人で問題に向き合い、問題を解決する能力がつきにくい。

一方でスクラムを採用していない荒野のような環境では、エンジニアはチームに頼れず、自力で要件を定め、関係者の合意を取り、自らプロジェクトを推進していく必要がある。そのような厳しい環境に身を置くことで、上に挙げたようなプロマネ力が身についていくのではないかと感じる。

自分自身がスクラム開発でスポイルされてしまい、一人で仕事するようになったときに無力を痛感したとスクラムを逆恨みし、スクラムではない環境の方が IT エンジニアとして成長できるのではないか、というようなことを述べた記事です。

かつての状況

あくまで自分が感じた範囲で、というお断りをつけますが、入職して以下のような雰囲気を感じました。

  • 自分たちはプロなのだからスクラムやらなくてもプロジェクトを回せる
  • チームで仕事するというより個人で仕事する(傭兵の集まりのような)

個人で仕事を進める風潮があるのはスタートアップで人手が足りていないから、スピード感が求められるから、ということがあったのだと思います。とはいえ以前の職場でチームを組んでスクラムで開発することに慣れていた自分は当初、非常な違和感を覚えるとともに、先のブログ記事で書いたように自分の無力ぶりを痛感いたしました。

最近の状況

最近は少し状況が変わってきていて、スクラムをやろうという雰囲気になってきております。最近入社したエンジニアリングマネージャーの Masato Horinouchi が中心となって、スクラムのプラクティスをチームに根付かせようと奮闘しています。

やはりスクラムはよいものです。

朝会での昨日やっていること、今日やること、困っていること共有、振り返り、チームでの見積もりを通して、自分たちが直面している問題と、チームとして向き合っているという感覚が持てます。

これは小社東京オフィスの壁に貼ってあります標語です。とはいえ語弊を恐れずに言えば、小社にはチームとしてというより個人技で突破口を切り開いていくサッカーブラジル代表のような趣があると思っています。

かつて小社でプレイング技術顧問を務めていた Naoya Ito 氏が推薦していた『チームが機能するとはどういうことか』という本があります。この中で、以下のような状況においてチーミング(チームで仕事に取り組むこと)は不可欠であると述べられています。

ミスを最小限にしながら複数の目標を達成する必要のある仕事をしているとき

高いレベルのコミュニケーションと緊密な協調を維持しながら、次から次へとさまざまな状況に対応しなければならないとき

多様な分野の考え方をまとめることが役立つとき

異なる場所にいながら協働するとき

仕事の性質が変わり、事前に計画された協調が不可能、または非現実的になったとき

複雑な情報がすばやく処理・統合・活用されなければならないとき

– エイミー・C・エドモンドソン『チームが機能するとはどういうことか』( Kindle 版 Location 516 )

まさに小社の(そして多くのスタートアップの)開発チームが置かれている状況そのものだと思いました。インターネットテクノロジー業界のような変化の激しい状況において、一人の目ではなく、より多くの人の目で現象をとらえ、課題に立ち向かっていく必要があるのではないでしょうか。

チームとして変化に適応し、高度なコラボレーションを実現してより「チームを優先する」組織へとなっていけるよう、自分個人としてもレベルアップしていきたいと思っている次第です。そしてその手段としてのスクラムを見直した、というお話しでした。

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