プロダクトだけでなく哲学を買ってもらうためのモノづくり

Kenji Sudo
Kaizen Platform のモノ作り
8 min readSep 4, 2016

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こんにちは

創業者 兼 CEOのスドケン、こと須藤です。

今日は、KaizenのモノづくりチームのBlogへお邪魔しております。

先々週になりますが、韓国へ行ってました。

Ad tech Koreaが初めて韓国の釜山で開催されるということで登壇する機会をいただいて行ってきました。

会場はこちらです。 デカイ。。。

釜山で、韓国の広告業界の人にたくさんお会いしました。

何ていうか、毎度毎度思うんですが、全然知らないマーケットに行くと興奮が隠しきれません。

ドキドキ、ワクワクしてテンションが上がりきってしまいます。

とにかく、ローカルの人達と仕事の話をするのが大好きです。

僕自身は、グローバルという言葉は好きではありませんが、グローバルなサービスを提供したいと考えています。

Anywhere(どこでも)という言葉の方が自分の中ではしっくりくるのですが、世界中のどこに行っても同じような課題で困っている人がいます。

その人たちにサービスを提供したいと考えるのは、とても自然なことだと思うのです。

まさに今回も改めて、そう思いました。

いつまで経っても、チャレンジャーでいたいものです。

この会場で喋りました
私と韓国の方2名の3名でのプレゼンとパネルディスカッション

日本からも10~20名くらいの方がいらっしゃっていましたが、とにかく現地の人達と喋りたくて、ひたすら韓国の広告業界の方々と喋っていました。

全然知らない市場で話している時、日本や海外の事例はなかなか通じません。

一番大切なプロダクトのデモも、ご当地の市場にアジャストさせたものではないので、いまいちピンときてもらえないことも多々有ります。

そんな時に最も重要なのは、プロダクトのコンセプトです。

コンセプトさえ理解してもらえれば、その後は大変スピーディーです。

実際、コンセプトをご理解いただいたので7社と早速商談が始まりました。

顧客体験は、購入するまでわからない

さて一体私達は、何をお客さまに買って頂いているんでしょうか?

費用対効果のよい広告でしょうか?

使いやすいUIでしょうか?

それともお客さまに満足してもらうことでしょうか?

最近ではUX(顧客体験)という言葉で一括りにされていますが、本当に顧客は顧客体験を買ってもらっているんでしょうか?

残念ながら、顧客体験は購入後に提供できるものです。

では、購入前の顧客は何を買っていただいている事になるのでしょうか?

本当にプロダクトを買っているのでしょうか?

私は、プロダクトのコンセプトや哲学に期待や夢を抱いていただいて買って頂いてるものだと考えています。

我々が、モノを購入する時というのは、なんらかの期待をいだいています。

「これを食べたらこんな味じゃないかな?」

「これを買ったらこんな風に楽しいんじゃないか?」

「これを使ったらこんなに便利になるんじゃないか?」

そんな期待を持って対価を支払います。

その期待に対して、顧客体験が提供されて、その結果として驚き、あるいは裏切りによって顧客満足が形成されていきます。

さて、モノづくりの際に顧客体験について設計されること自体は、幸いにして増えてきました。

では、顧客の期待についてはどれほど設計出来ているでしょうか?

BtoBスタートアップにおける顧客期待の設計とは、マーケティングメッセージの設計であり、セールストークの設計である

何を当たり前の事を言ってるんだといわれてしまうかもしれませんが、どんなマーケティングメッセージで、どんなセールストークで販売していくのか?を意識しながらモノづくりに入っていくのと、そうではないのは大きな差が生まれます。

マーケティングメッセージやセールストークというのは、その製品の価値やポジショニングを素人にもわかりやすく説明でき、かつベネフィットが明確に想起できるものです。

これは、ワイヤーフレームを切る時、要件定義する時、仕様に迷う時に立ち戻る大きな指針になります。

また、リリース後に成果を測るKPIを定義する時にも、非常に重要になってくるわけです。

どのような期待を醸成して、どのような体験を提供する事で満足してもらうのか?

それをチームの各人が想像していく事が、非常に重要になってきます。

それらを、定義するためにKaizenで私が良くやっているのは、プレスリリースを先に書くことです。

良いプレスリリースは、よく出来たマーケティングメッセージであり、キレ味のよいセールストークになっています。

実際に今でもKaizenのプレスリリースの半分くらいは僕が直接書いていたりします。

これを、チーム全員で読み込むだけで、

自分たちがどんな期待を設計しようとしているのか?

それに対してどんな顧客体験を提供しようとしているのか?

イメージが持ちやすくなり、各人の認識ギャップがクリアになってきます。

製品のリリース前にサービス紹介のデモ動画をつくることも良いかもしれません。

顧客期待の設計が商品設計であり、それに応える顧客体験の設計がプロダクトサービス設計になってくるわけで、これをいかにチームメンバーと共有し、擦り合せるか?が重要になってくるわけです。

BtoBサービスの場合、セールスやカスタマーサポートなど多岐にわたる関係者がそこに絡んでくるわけですから、余計にその認識の擦り合せが重要になってきます。

新サービスを投入する際のインセンティブ設計

その認識の擦り合せに非常に有効なのが、ご褒美です。

バカにすることなかれ。

月商〇〇万を超えたら、沖縄にチームでご褒美旅行に行こうとか

月商〇億を超えたら、マカオに行こうとか、

月商〇〇億を超えたら、モナコに家族も招待しようとか

Kaizenでは、結構きめ細かにチームインセンティブが設計されています。

むしろ、サービス設計よりきめ細かなんじゃないか?と思えてしまうのが、やや不安ではありますが、これだけでどんな立場のメンバーも利害が一致しやすくなります。

それだけで、良いサービスにしていこうというモチベーションのドライブの掛かり方がかわります。

あくまでも、新サービスをリリースすることは、最初の一歩です。

そこからいかに良いサービスに磨き上げていくか?はチームの姿勢がとても重要になってくるわけですから、内部のインセンティブ設計も影響が大きいわけです。

スタートアップのモノづくりにおいて哲学を買ってもらうためにすべきこと

さて、冒頭の話に戻ります。

全く知らない市場で、プロダクトを販売していくにはコンセプトや哲学が重要です。

プロダクトそのものは、現地の習慣に合わせたチューニングが必要になってきますが、コンセプトや哲学を買っていただくことで、それを実現するためのフィードバックが得られます。

顧客やパートナーと共にプロダクトをつくっていくことができます。

もし、プロダクトを販売してしまっては、優れたフィードバックは得られません。ただ不満を解消することに終始してしまいます。

コンセプトを正しく理解いただいて販売することで、そのコンセプトとのギャップを埋める正しいフィードバックを得ることができるのです。

ユーザーの理解なしには、正しいフィードバックを理解できない

先ほど述べた通り、モノづくりは、使っていただくユーザーやパートナーと共にしていく必要があります。

そのために、必要なことは使うユーザーの理解です。

どんな人が使ってくれるのか?

どんな環境なのか?

どんな生活で、どんなビジネスをしていて、どんなモチベーションなのか?

使っていただくシーン以外にも、いろんな情報があります。

それを作り手が理解することが、とても重要です。

最近、共同創業者の石橋がグロースハッカーの皆さんのところにお邪魔して、いろんな発見があったようです。

まさに、百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、何度も私が指摘していたことについて

「ようやくわかった!」

と吠えておりました。

だから、何度も言ってんじゃん!という言葉は飲み込んだ上で、使っていただく人に寄り添うモノづくりを強く推進していきたいと思っています。

いつ何時でも、誰とでもそんな激論を交わす準備は出来ております。

Kaizen Platformでは、CEOのバカさに負けず、一緒にモノづくりする仲間を大募集中です。

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