マーケティング部門が向き合うべき正しい課題の見つけ方

Kenji Sudo
Kaizen Platform のモノ作り
7 min readNov 5, 2017

--

僕は職業柄、マーケティングに関わるよろず相談事を沢山頂きます。

本業は、サイトや広告の改善を提供しているので、もちろんこれは嬉しい事です。商売的に嬉しいっていうのもあるんですが、それ以上に僕自身が課題解決が好きなんでしょう。相談に乗りながらも、どこかでウズウズする自分がいます。

今年も、様々な企業のお手伝いをさせて頂きましたし、勝手にご提案することもままありました。

その中で、ふと気づいたことがあります。

「今相談されている問題は、本当に解決すべき問題なんだろうか?」

実は、相談を受けながら色々紐解いてみると問題だと思っていた事象は、そんなに問題ではなくて、真の問題は別のところにあって誰も手につけていないというケースが大半だったのです。

問題意識を持つプロセスの解明

これは、とても興味を惹かれる問題でした。

というのも、通常マーケティングの戦略を立てる上で、正しい問題意識がある上で、オリエンテーションを代理店やコンサルに実施します。

当然その与件そのものを適切に見極めて、真の課題は別のところにあって、それに対する適切な解決策を提供してくれる素晴らしい営業マンやコンサルタントがいることも重々承知しています。

僕が興味を惹かれたのは、問題意識が醸成されていくプロセスそのものの問題です。

というのも、大体私のところにくる相談というのは、代理店やコンサルに発注するまで問題意識が醸成されていないけれども、「何かモヤモヤする」あるいは「明らかに問題症状はあるが、原因がわからない」という状態のものがほとんどです。

そこから相談しながら問題意識が醸成されていくわけなんですが、ここに大きなバイアス(偏見、固定概念)がかかることがとても多いのです。

そしてそのバイアスによって、解決してもさして事業の成長に影響を与えることができない課題設定をしてしまうことがあります。

要するに、芯を食った問題ではない問題を必死に解決している状態に陥るということです。

経営陣やマーケティングの責任者の問題設定が正しい前提で組織は動きますので、組織は一生懸命動いているわけですが、なかなか成果に繋がらず徒労感が出ている状態になります。

いや、これは恥ずかしながら全く他人事ではなく、自社や自分自身にもこういう状態が起きることが多々あります。

なぜ正しい問題を設定することがこんなに難しいのか?ミスリードされた問題設定をしてしまうメカニズムについて俄然興味を惹かれました。

ここから、最近の僕自身の個人的な勝手プロジェクトが立ち上がりました。

無視すべき課題の存在

戦略の議論、組織の悩み、経営にまつわる課題は尽きないので、本当に様々な課題があります。

ただ、これらの課題は本当に課題なんだろうか?と立ち止まって考えてみる事が重要だと考えています。

特にマーケティング部門が抱える課題というのは、横断部門と事業部門の摩擦、代理店と広告主のジレンマ、人の育成とローテーションによるノウハウ流出、人手不足、クリエイティブの課題・・・多くの課題に見える課題は本当に今取り組むべき課題なんでしょうか?

ドラッカーが経営者の条件で、

注意を引く問題は、実際は症状の一つにすぎない。そして、本当の問題を探さなくてはならない。

と書いています。

実は、今問題意識にある問題は、本当は単なる事業や組織に出ている症状であって、真の原因が全く別のところにあって、叩いても叩いても全くその症状が解決されない、あるいは別のところに問題が生じるということが往々にしてあります。

かくいう僕も自分にまとわりつくハエのように煩い問題を深刻な問題だと勘違いしてしまうことが多々あります。

リソースが無限であれば、ハエと格闘しながら、もっと重要な問題に取り組むことも可能です。ただ、大半の場合リソースもケーパビリティーも限られているわけです。

つまり、組織のリソースを最大限成果が上がる問題に標準を絞り込んで、当てるべきなんですが、それがなかなか難しいわけです。

選択と集中とよく言われますが、圧倒的に選択の難易度が高いから集中できないわけです。

つまり、様々に見える課題の中で非常に目障りではあるものの、叩いても成果がそんなに上がらないハエのような無視すべき課題が存在しているわけです。

課題の質の高め方

私自身が、色んなマーケティング部門の責任者や担当取締役などの経営者の方のお悩みを聞いて、気づいたことは「本当に向き合うべき正しい課題がなんであるか?」がわからなくなってしまうケースがとても多いということです。そして同時に、その問題について気づいていないケースもとても多いということでした。

様々な相談を受けると言いましたが、「イシューからはじめよ」で安宅さんが書かれていた”課題の質”についての悩みを相談されることは、ほとんどないわけです。

イシューからはじめよ 安宅和人著

“解の質”がなかなか上がらないことについての症状についての悩みから相談の全ては始まります。

要するに、うまくいかないからうまくいくやり方について相談したいというものがほぼ相談の全てです。

そうして、話を色々聞いているうちに取り組んでいる問題の方がズレていたねとなるケースがとても多いことに気づいたわけです。

要は、芯食ってない問題に組織が向き合ってる状態をいかに避けるか?はマーケティング部門や事業部門の責任者に求められる、めちゃくちゃ重要な役割なんですが、これが想像以上にハマってしまうことが多いわけです。

別にこれは、私自身が何か名探偵コナンのように何か鋭い推理をしている訳ではなく、ただ深く理解するために質問を繰り返すことで自分で勝手に気付かれるケースがほとんどです。

そうして、話を聞いている中で、なんとなく正しくない問題設定のパターンが見えてきました。

地道に試行錯誤しながら、
なんで表面上大きく見える問題に気を取られてしまうのか?
正しい問題がいかに今優先度が低い状態にあるのか?

思考の枠の外し方について、少しだけ考えがまとまってきたので僕手弁当でワークショップでやってみたいと思ってます。

あー自分達にもこれは当てはまるなー
とか
今芯食ってないんだよなー
というお悩みをもつマーケティングや事業責任者、経営者の方で、ご興味ある方はこちらからどうぞ!

追伸

まさかの、このBlogをアップするよりも先に3回の予定が満席になっちゃったみたいなので、追加開催を検討してます。

もし、ご興味ありましたらLinkから追加開催の際のご連絡を希望で、登録お願いします。

さらに追伸

昨日、第一回を実施しましたが、非常に盛り上がりましたのでスクーでの開催を決定しました!

全3回で、じっくり実施してみたいと思います!ご興味あればご参加ください!

--

--