カンムでやってるテックデーというアクティビティ

月1回行っているテックデーという社内イベントについて紹介します。

テックデーとは

一言で言うとゆるいハッカソンのような催しです。社員全員参加で技術を駆使して日々の業務改善を行うという日のことです。箇条書きにすると次のような経緯で生まれて運営されている社内イベントです。

  • 後回しになっている業務やその効率化をする日を作りたい
  • 改善・効率化したい業務はすべての部門に存在する
  • 金融のテックカンパニーとして業務は技術で効率化しよう
  • エンジニアだけじゃなくて全員でやってみよう

スケジュールは大まかに下記のようになっていて、一緒に食事をするなど社員交流を行うという側面もあります。

  • 10:00 : 各位やることを考える。事前に考えてきた人は作業し始める。
  • 12:00 : みんなで弁当を食べながらやることを共有したりする。
  • 13:00 : 作業
  • 18:30 : オフィスで食事しながら一人1, 2分で成果のプレゼンをする。

成果

2018年10月から毎月やっていて多くの業務改善が行われました。例えば下記のような成果が出ました。

Python (PyOCR) でPDFから文字を抽出する

請求書が PDF で送られてくるケースがあり、そのPDFを画像化→文字を抽出する。手作業と目視確認の自動化ですね。これはバックオフィスの人間の成果です。

Figma (https://www.figma.com/) を検証する

エンジニアとのデザインデータ連携の効率化を目的とした検証です。デザイナの成果です。検証を行った結果、カンムでは sketch の方が妥当そうだという判断になり導入は見送ったようです。検証のポイントを伺ったところ下記のような特徴が見えたようです。

  • 【Figmaのメリット】
  • デザインデータの受け渡しが楽。URLを知らせるだけで済む。
  • ソフトウェアのバージョンを合わせる、みたいな作業が必要がない。
  • 過去のデータもブラウザから参照できてデータの管理が楽。
  • 【sketchのメリット】
  • プラグインが豊富でデザイン作業でかゆいところに手が届く(デザイナー目線)
  • デザインデータからJsonに書き出しができるので実装がラクになる(エンジニア目線)

GAS でお客様への案内メール配信を効率化する

CS担当の成果です。今まではテンプレを編集してメール送信していたが、変数(メアドなど)を入力してボタンを押すだけでGmailがとばせるような機能を GAS で書いた。本来であれば管理画面にあるべき機能かもしれませんが、無いから自分で類似の機能を作ってしまったという例です。

バンドルカードを本番用とテスト環境用で別アプリにする

フロントエンドエンジニアの成果です。バンドルカードのテスト環境用のアプリは DeployGate で配信しているのですが、今まではテスト環境用のアプリをインストールすると本番用のアプリを上書きしてしまうという問題がありました。担当者は都度インストールし直していました。テックデーを使って一気に今まで後回しにしていた改善を行った例です。

上記はほんの一部ですが、みんなの成果の傾向を見ると、エンジニア以外の職種の人は SQL, GAS, Python を駆使するのがトレンドになっています。エンジニアは後回しになっていた改善や検証が主流の模様です。

まとめと感想

試験的に始まった社内イベントですが、毎回おもしろい成果が出ていて、何よりもみんな楽しんでいます。今のところテックデーがうまく回っている要因ですが、一つはカンムにスペシャルな人間が多いということ(自画自賛ですが)、一つはスパルタンSQLという別の催しが行われていて社員全員がSQLを書けるようになっているので、その副次的効果として技術を扱うことに対するハードルが下がっているというのがあるのではないかと思っております。

私の職種はエンジニアですが、エンジニア以外の人の課題やそれを解決するアプローチは聞いていて非常に面白いです。先述したバックオフィスの人間が Python を活用した例は、なぜバックオフィスで OCR かというと、各取引先から契約書が画像で送られてくることがあるということ、それを毎回目視で文字起こししていたということ、そこに日々痛みを感じていて、技術で解決してしまおうという話でした。これはまさにその業務に向き合っている人ならではの課題とその解決策でした。

このような動きやみんなの成果を見ていると、簡単なソフトウェアを書くことは誰でもできる時代になったということを実感します。これには先人たちが便利なライブラリやフレームワークを作ってくれたことや、XaaS が発達してソフトウェアを実行するプラットフォームが成熟したことなどがあると思います。昔に比べてソフトウェアを書いてそれを実行することができる環境は確実に身近になっています。ハードウェアに目を向けても Raspberry Pi のような汎用的なデバイスが安価で手に入ります。このようなITエンジニアリングのコモディティ化は更に進んでいくでしょう。

これにより、凡庸なコードを書くだけのエンジニアでは居場所がなくなっていくという危機感も覚えます。きれいな設計ができる、効率的なコードを書くのがめちゃくちゃ早い、高負荷や運用を考慮した設計ができる、モバイル・フロント・サーバなど複数領域の開発ができる、業務ドメインに精通している(例えばカンムであれば決済などの金融領域)など、なにかのアクセントがないと価値を提供できなくなってくるのではないかと思っています。

テックデーが行われると業務改善・効率化、スキルアップ、新しい発見があり良いことしか起きていません。継続してやれたらいいなと思っています。

おわり