まちと人をつなぐ、インキュベーションスペース

インタビュー:今泉 大哲・德田琴絵・沼俊之:とやまビジネスインキュベーション中央通りオフィス HATCH |064|202204特集:わたしの街のワークスペース

KT editorial board
建築討論
Apr 21, 2022

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商店街に面したHACH。右からHACHI運営の今泉さん、徳田さん、設計を担当した建築家の沼さん

育ちながら、育てる場所

—— インキュベーションスペース「HATCH」(★1)は一昨年2020年12月に富山県富山市の中心市街地である中央通りにオープンしました。私のオフィスも同じ商店街にあるのですが、コロナ過でさらに寂しくなったシャッター街に、一つ明かりが灯ったように感じています。まずは、このスペースを開設した経緯と目的をお聞かせ下さい。

今泉:我々運営会社は、日本海ガスを中心とした日本海ガス絆ホールディングスのグループ会社の一つになります。グループ会社としては、今までガスに関連した事業を展開してきましたが、地方の人口減小や温室効果ガス削減などの社会背景によって、ガス事業のマーケット縮小や人手不足が予測される中、新規事業への挑戦と、インキュベーションを通じて地域社会発展の好循環を生み出すことを目標に事業に取り組んでいます。
新しいことに挑戦する意欲のある人が集まる場所を作り、支援することで地域の活性化に繋げ、将来的には仲間として協働できる人が1人でも多く生まれればと思っています。

——創業支援施設として特徴的だなと思うのが、スタッフである徳田琴絵さんの富山愛に溢れる情報発信とコミニケーションです。

徳田:最初は福原というスタッフから「富山を盛り上げる仕事を一緒にやろうよ」って言われて、富山が大好きなので、「富山を盛り上げる仕事」というのがすごいキラーフレーズで、やります!と言ってここに来ました。オープンの2週間前くらいから参加することになり、自分の役割もはっきり認知していたわけじゃなく、やりながら、動きながら、作っていきました。

今泉:私はずっとガスの仕事をしていて、人事異動で開設の2か月後に来た感じなので、徳田さんは先輩にあたります。オープンから1年少し経って、今の体制がようやく固まってきたというのが正直なところです。

徳田:私は富山各地の情報を持ってたり、富山の人をお繋ぎするっていうようなことをやっていて、今泉さんは企業からの目線でアドバイスをしてるという感じです。私を誘った福原は、自分で4つ程事業を立ち上げてやっているので、創業のアドバイスをやってたりしますし、他にも2人サポートスタッフがいるんですけどそれぞれ得意なことが違っています。

今泉:みんなスキルがバラバラですが、よくようやくいい感じにまとまってきて、特徴を生かしながらできてるかなと。いいバランスで多様なスキルがあるのかなと思います。

小さいことが、コミュニケーションを生み出す。

——具体的な場所としては、どのようなデザインになっていますか。

沼:設計スタート時はどういった機能が必要かなども定まっていない状態で、運営者さんと探りながらでした。中央通りは人通りも少なく、暗い寂しい印象があったので、入りやすさだったり、明るさだったり、フレッシュな感じは絶対作らなきゃなと思いました。最初は1階のみだったので、面積も限られており、個人ブースを作りたいというような要望もなかったです。
いくつかコワーキングスペースを手掛けてきて、運営スタッフや常時施設にいるコミュニケーターさんが決まってくると、それが場所の個性の1つになると感じています。しかし、1階の立ち上げ時にはまだそれが見えていなかったので、場所の個性として、古い土壁を残し、中央通りの古い痕跡を見せたりしています。

オープン当初の平面図、1階のみを改装 ©dot studio
右:オープン当初の1階 左:既存の土壁が顕れた窓 ©dot studio

今泉:オープン後、丁度1年たった時に2階を改装して、増床リニューアルしました。

沼:リニューアルの時には全くアプローチが違って、運営スタッフを含めた利用者さん達によって場所の個性が見えていたので、発信力や賑わいについて、空間で何か主張しなくても良いという安心感がありました。

今泉:開設当初から将来的に2階を増床するというのは計画にありましたが、最初は利用者さんの数も把握できなかったので、とりあえず1階のみでスタートしました。増床時には自分たちがどういう風に進んでくかっていうのもはっきりしてきていて、機能的に必要なものも割と明確になっていました。

徳田:利用者さんに、ホワイトボードに要望を書き出してもらったりして、具体的な声を集めさせてもらいました。足を伸ばす場所が欲しいとか、外にアーケードの屋根があり天気がわからないので、外を感じられる場所が欲しいとか、日々利用されてるからこその要望がありました。その声を反映して設計して下さったので、みなさん大満足しています。

改装後の平面図 ©dot studio
改装後の2階 新たに個室を設けた ©dot studio

——地方都市でコワーキングスペースを利用されるのはどのような方で、どんな使われ方をしていますか?

徳田:様々ですけど、学生さんから50代60代ぐらいの方までいらっしゃって、自分で事業されてる方や、会社員でフルリモートで働いていらっしゃる方とか、あと日中は普通に職場で働いていて、副業をしに夕方から利用される方もいらっしゃれば、これから春に向けて創業の準備してますっていう方もいれば、様々ですね。年代的には二・三十代が多いです。

今泉:うちは単にコワーキングとして作業できる場所っていうわけではなくて、インキュベーション施設としてのチャレンジ支援、コミュニケーションっていうのが、しっかりできているので、そこを一番魅力に感じてもらっているのかなと思います。とりあえずHATCHに行けば、作業ももちろんできるんだけど、何かまた新しい人と知り合えるとか、あの人今日いるかな、とか、そういう新しい居場所という所に魅力を感じているのかなと思います。

徳田:みんなが入ってくる時に、おはようございますとか、お疲れ様とか、自然に声をかけあったりする流れがすごいいいなと思ってて、なんかこの空間の幅の狭さとか、丁度いい狭さがあると思います。

今泉:そういう意味でも、最初1階のみで始めたのは結果的に良かったなと思っています。限られたスペースで、ひきこもるような個室も無かったので、良くも悪くもすごくコミュニケーションを取れるっていう。もしかしたらちょっと集中できないって思ってた人もいるかもしれないんですけど、嫌でもみんなの顔見ないと奥にも行けないし、誰とも知り合わず作業できないっていうのはいいと思っています。今は2階にオンライン会議のできる個室を設けていますが、1階も2階もレイアウトが自由なスペースがあり、ワークショップやセミナーをする時には違うレイアウトにしたり、便利です。
さらに、会員さん本人がその場にいなくても、存在を感じられたりとか、何かコミュニケーションを取れるものを作れたらいいねっていうので、沼さんと相談して、お手紙コーナーというものを作りました。壁面に封筒の絵が描いてあるんですけれど、そこに会員さんそれぞれが、自分用の封筒を作って、そこにメッセージをやりとりする。実際にはなかなか実働していなくて、難しい面もありますが。

徳田:2ヶ月に1回、県内の創作活動されてる方に壁面での展示をお願いしているんですけど、その第2回のときに展示してくださった、南砺市の野口真理子さんというイラストレーターの方に、その壁の封筒の絵を書いていただいています。

——そういった雰囲気は地方ならではのものでしょうか?

今泉:東京の大学生の方が、卒業研究でコワーキングにおけるコミュニケーションなどの課題を整理していらっしゃって、都心部の施設だと、コミュニケーションを取るときの心理的なハードルが高くて、今声かけていいのかなとか、そもそも声かけていい人なのか駄目なのかとかいうハードルがあるのですが、HATCHはそこが全然なくて、ちょっと変わってますね、みたいなことを仰っていました。そういうところは、ことちゃん(徳田さん)が会員さんとのコミュニケーションを上手くやってるので、そんなにコワーキングっぽくないかもしれません。

場所がきっかけになる

——実際に運用してみて、当初想定していた利用者さんと違う点はありますか?

徳田:最初は、スタートアップやるぞ!みたいな志があって、私もついていけないぐらいの人たちが集まるのかなって思ってたんですけど、もちろん、そういう方もいらっしゃいますが、そんなに具体的に起業を考えてないけど、なんとなく人との交流に興味があって、でもそういう交流をしていくうちに刺激をもらって、自分も何か始めたいと思ったとか、何かその、種みたいな、潜在的なプレイヤーみたいな方も発見できるというか、それがすごい面白いなと思っています。
私自身もフリーランスになったのはHATCHの影響というか、最初は運営の委託先の会社に職員として呼ばれてたんですけど、HATCHでの交流の中で、フリーランスで自分の得意なことを生かしていろいろやってみたい、という感じで独立しました。
最初から「やるぞ!」みたいな人じゃなくても、挑戦したいっていう気持ちが芽生えたり、具体的に自分には何ができて、どういうふうに活かせるのかが見えてくる、みたいな。何か芽生える可能性がある場所になったなと思います。

今泉:皆、潜在的にそういう気持ちがどこかにあるような感じがします。僕もどこかで何かしたいなっていう思いは、小さいながらも持っていて、こういうところで刺激されたりとか、人の活躍とか行動を見て、じゃあちょっと自分でもやってみようかな、という気持ちになる人は多い。

徳田:ハッチは孵化するという意味もあるんですけど、まさにそうだなって思いました。まだ何も見えてない状態から何か芽生える場所でもあるんだなと思っています。

——6時には大体閉店してしまう商店街において、24時間営業というのも大きいと思います。

今泉:そうですね、そこは最初から必須条件でした。

徳田:HATCHの立ち上げに関わった伊藤さんが、いつでも好きなときに使えるっていうのがまず大前提だと言っていました。東京では当たり前の感覚も、その時は、まだ富山では前例がなくて、そういうのをHATCHに作ろうというのもあったんだと思います。

今泉:会員さんも、ちゃんとモラルを持って利用してくれています。酒気帯び利用や飲酒はダメですよっていうルールはあるんですけど、24時間開けていても運営上は全然困らないです。学生の会員もいるんですけど、たまに朝まで課題をしていて、僕が来たら机で寝ていたこともあります(笑)

徳田:多様なライフスタイルに対応できる場所っていうのは、やっぱり良かったです。

今泉:自分の場所っていう感覚を皆さん持っているのかな、という感じもします。リニューアルの時の意見を沢山くれたりとかもそうですけど、自分事にしてくれてるんです。だからちゃんと使ってくれてる。
リニューアル後、会員さんそれぞれにお気に入りスポットみたいな場所があって、絶対に下のフロアで作業する人もいれば、静かに上に上がってって、上のフロアでやる人もいるし、それぞれ自分の場所を見つけてる人が多いのかなって思います。

なぜ、シャッター商店街なのか。

沼:当初から、中央通りでやりたい、という運営者の強い想いがありました。

今泉:冒頭に申し上げた通り、そもそも町の活性化に貢献したいという思いがあり、何か挑戦していこうっていう気持ちを示す意味でも、中央通りという場所をあえて選びました。
将来的な構想としては、例えば中央通りが、いろんな企業の出先機関というか、新規事業部門の人たちが多く集まって、そこのビルにはどこどこの会社の新規事業部門があって、あそこには東京から来た若い人たちが事務所やってるよ、みたいな形で、通り全体として見た時に面白い人たちが集まる場所になったらいいなと思っています。行政も巻き込んで、例えば規制緩和的な措置が実現したりすると、さらに面白いなと考えています。
隣接する総曲輪通りはまだまだ店舗もあり、再開発もあって賑わっているので、中央通りはそれとは違う特色を出して、盛り上がったらいいなっていうのを構想として持っています。

徳田:新しいことを考えるなら中央通りに行こうよってなるようなカルチャー作りというか、その拠点がHATCHになったらいいなと思っています。

——構想の要としては、法人会員があると思いますが、そちらの利用状況はいかがでしょうか?

今泉:法人会員は増えてきて、現在7組です。既存の企業さんで、新規事業をやりたい方、考えていらっしゃる方々で、会社の中で同じメンバーで同じような会話をしていてもなかなか新しいことを見い出せないから、いろいろな年代や立場の方の話を聞いてみたいというので、興味を持って頂くことが多いです。
オープン当初は、リモートで働けて、どこでも仕事ができてっていうWeb系会社などのビジネス会員さんが多かったんですけど、最近はどちらかというと、何か新しくやりたいから、HATCHでいろんな人と知り合って、話を聞きながらっていう人は増えてきている。

——どこでもいい人たちだったのが、今はHATCHだからこそできることをやりたい、という需要に代わってきているのですね。

沼:県外企業で、富山に支社を設けているような会社は、リモートワークが普及して、こちらにオフィスをちゃんと構える必要性もなくなってきたと思います。そういった企業さんの需要とかもあるのかなと。

今泉:そこは一つあるかなと思っていて、まだアプローチはできていないんですが、富山支社に2人とか3人ぐらいしかいなくて、コロナもあるからそれぞれ在宅で、みたいな働き方になっていると、人の繋がりも限定的になるし、場所としてもわざわざオフィスを借りる必要があるのか、といった話になってくるので、そういうところに需要はあるのかなと思います。地元の人との繋がりは、ここですごく作れると思いますし、そういった企業と、地元の企業さんをマッチングして、新しいこが始まったリすると、面白いかなと思っています。

——商店街との連携という部分ではいかがでしょうか?

今泉:中央通りの皆さんとうまくコミュニケーションをとって、我々がやってることを理解してほしいので、今年から、中央通りを巻き込んだ形のイベントなどを開いています。先週の土曜日、1回目のイベントを行いました。(★2)
通りの人の話を聞いてると、歴史がすごくある通りなんで、良いときも悪いときもあって、いろいろな思いをもってらっしゃる方がいます。一過性の活動や、外部の人間に疑問を持つ方もいらっしゃいますが、少なくともここに拠点を構えている我々は受け入れられている感じがします。

沼:空き物件をHATCHさんが借りるというのはあるのでしょうか。地元不動産と提携して、物件は賃貸募集中のままなんだけど、例えばHATCHさんがビルの中の会議室だけ借りるとか。その稼働状況によってオーナーさんにもお金が入るとかいうのができると面白いと思います。
空き物件でただシャッターを下ろしておくんじゃなくて、HATCHの中の個室が埋まった時に、ちょっと使うとか、朝まで泊まったりする場所とか、通り全体を拠点にできたら。

今泉:10人くらいの会議をやりたいっていう時に、では商店街のここで、っていうのが案内できたらすごく面白いですね。

3階部分の床を撤去して吹抜けにした、2階カンファレンスルームにて

地方の働き方・ワーケーションとコワーキングスペース

沼:今、設計もパソコン一つあれば、できちゃうじゃないですか。富山にコワーキングスペースも結構ありますけど、地方都市だと顔の見える関係なので、どこに誰がいてどんなことをしているのかっていうのが分かりやすくて、それが、それぞれの場所の個性になると思うんですよね。地方ならではなのかな、と思います。
一方で、富山だと家でも広くていい環境で仕事ができるので、だからこそ人と会える魅力を用意することが必要だと思います。相互乗り入れというか、家とコワーキングスペースを併用したり、複数のコワーキングスペースを気軽に行き来して利用する人が増えて、裾野が広がれば、より地方ならではの働き方へとつながるのかなと思います。

徳田:それぞれの施設にどういう人が出入りしてて、どういう特色がその施設にあってっていうのは、まだ見える化されてないっていうのはあって、県で大きい創業支援センターを整備する(★3)のを機に、県内のいろいろなコワーキングスペースの皆さんと連携して、どこにどういう特色があって、っていうのが一目瞭然で分かるような仕組み作りっていうのはしていきたいなあ。自分に合う場所を見つけられたりとか、お試しで気分によって使えるっていうような、状況にはしたいなと思いますね。
ハッチでキャッチって言ってるんですけど、富山の最新情報を得られるというのもHATCHならではの機能としてあると思います。富山のことを聞きたいならHATCHに行きましょうみたいな。県外の方で、SNSとか見ましたっていう方が、富山のこといろいろ教えてくださいって言って来てくれることが増えてきて、そういう富山の面白いこと知りたいっていう方の窓口でもありたいなって思っています。私は観光マップを広げて、ここにこういう面白い人がいるよって、マジックを持って書いちゃったりするんですけど、すごい喜んでくださいます。

——情報を聞いてくる方というのは、出張で来られた方などですか?

徳田:今後、富山に事業を展開したいとか、何かお仕事で、例えば旅系の事業をされていて、富山でツアーを組む予定があるとか、ていう方だったり、ワーケーションで2週間滞在するときにハッチをご利用していただいて、その間にどういうところに行ったらいいかな。といったご相談もあります。

今泉:本当に出張で数時間、商談とかの合間にちょっとだけ作業場として使われる方もいますけど、そういうときでも、やっぱりことちゃんは、何処からいらっしゃったんですか?といった質問を必ずするんです。例えば、今日夜まで富山で、ご飯食べて帰るならこういうのもいいですよ、みたいなこととか、まだちょっと時間あったらあの辺とか行ってみたらどうですか、みたいなコミュニケーションを必ずしてくれています。もしかしたら利用者の人も、そこまでのことは全く求めずに、とりあえず作業したくて来たかもしれないんですけど、何か+αとして提供できています。コミュニケーター的な役割は、他のコワーキングスペースでもすごく求めてる要素だと思います。

沼:それこそ、声かけていいのかどうか迷いませんか?

徳田:最初に聞いちゃいます。「こんにちは」からの流れで、今日はどこから来ましたか?など聞いておいて、帰るタイミングでまた話したりとか。戻られた後に、お手紙いただいたりして、本まで頂いたりとか、HATCHの、富山の大ファンになっていただいてます。

これからの展望と課題

——最後に、今後の展望や課題について、それぞれお聞かせ頂ければと思います。

今泉:さっきの話の続きみたいになりますけど、既存の会社さんが新しいことに取り組む時に、HATCHを使って、というのをもっと増やしていきたいと思います。参加者が増えれば、いろんな人の話も聞けますし、コラボレーションも起こりやすくなって、魅力が増します。また、県外の人からも見つけてもらいやすくなると思うので、今はそれを一番に思っています。それが、中央通りが面白い場所になっていく、というのにも繋がって来ると思うので、まずは富山の企業の人に使ってもらう、というのが一歩かなと思います。
あとは、現在整備されている、もしくはこれから整備されるコワーキングやインキュベーション施設との、横の連携を作る仕組みができれば、県外から見たときに、富山って特徴のあるワーキングスペースがあって、行ってみたら楽しそうだなっていうのが分かる。そういう形ができるといいなと思っています。今後、県内にいろいろな施設ができそうなんですけど、そこでお客さん取り合っててもしょうがないので、それぞれが特徴を活かして魅力を作っていければいいなと。

徳田:私自身が元々、ザ・富山の働き方してたタイプなんですよ。職場と家の往復の生活をしていたんですけど、高岡にコワーキングスペースのCOMSYOKUができた時に、そことの出会いで、めっちゃ価値観が変わったというか、富山にもこんな面白い人たち、場所あるんやって、コワーキングとの出会いで、富山の面白さに気づいたっていう自分の実体験があったので、HATCHもそういう、潜在的に何かしたい思いを持ってる人たちが、気づきをもらえるきっかけになる場所になりたいので、その層にどういうふうにアプローチしていけるかなっていうのは、取り組んでいきたい部分ではあります。

沼:僕も会員になりたいなと思っています(笑)ただし、どこか一つの施設限定じゃなくて、それぞれの場所にいる人に会いたいし、場所を選べる環境になっていくといいなと思っていて、富山のコワーキングスペースを行き来しやすい環境が整ってくると使ってみたいなあという人も結構いそうな気がします。
システムや運営方法についても、設計者から提案できるようになっていくと面白いかなと思っています。

2022年3月15日、HATCHにて
インタビュー時写真・文=本瀬あゆみ



★1-とやまビジネスインキュベーション中央通りオフィス HATCH(ハッチ) https://toyama-incu.jp/
★2-まちを尋ね、まちを知るフィールドワーク~「中央通りカルタ」をつくろう~https://toyama-incu.jp/FuEvents/view/50
★3-2022年秋に開設予定の富山県創業支援センター 設計は仲建築設計スタジオ https://www.pref.toyama.jp/100222/sougyo/01.html

今泉 大哲 /株式会社日本海ラボ ビジネスデベロップメントマネージャー
新卒で日本海ガス株式会社に入社し、管理部門、ガス供給部門、営業部門を経て2021年より現職。

德田琴絵 / HATCHコミュニケーター/ライター
生まれも育ちも富山、生粋の富山っ子の自称「富山オタク」。書くこと・話すこと・繋ぐことの自身の3つの「できる」を活かし、富山の魅力を伝える。ライティングやイベント登壇、コワーキングの運営を通して富山ファンを生み出すきっかけづくりに励み、富山を盛り上げたいと日々奮闘中。

沼俊之 / 建築家
1982年 富山県生まれ 2007年 法政大学大学院建設工学科修了 2008年 設計組織ADH 2014年-dot studio開設 2020年-シェアスペース「花水木ノ庭」運営 2021年GOOD DESIGN賞、第53回中部建築賞入選、LOCAL REPUBLIC AWARD 2020等

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建築討論

建築討論委員会(けんちくとうろん・いいんかい)/『建築討論』誌の編者・著者として時々登場します。また本サイトにインポートされた過去記事(no.007〜014, 2016-2017)は便宜上本委員会が投稿した形をとり、実際の著者名は各記事のサブタイトル欄等に明記しました。