【翻訳】継ぎ目のない建築を目指して

| 069 | 202305–06 | 特集:建築と紐

寺西志帆理
建築討論
36 min readJun 12, 2023

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本稿は『U-Joints–A taxonomy of connections』収録の「Towards a jointless architecture」(pp.16–29.)の全訳である。(翻訳:寺西志帆理、監訳:小見山陽介)

Andrea Caputo, “Towards a jointless architecture”, U-Joints — A taxonomy of connections, Andrea Caputo and Anniina Koivu (eds.), Sync-Sync Editions (Milan, 2022).

U-Joints–A taxonomy of connections
Editors:Andrea Caputo, Anniina Koivu
Editorial team: Margherita Banchi, Marta Pezzoli
Senior researcher: Eleonora Castellarin
Design: Graphic Thought Facility
Printed and bound by: Musumeci Spa
Publisher: SYNC-SYNC Editions
Printed in Italy © U-Joints, Milan 2022
ISBN 979–12–210–0342–0

U-JOINTS — A taxonomy of connections ©Delfino Sisto Legnani

継ぎ目のない建築を目指して

アンドレア・カプト

振り返ると、19世紀の建築物を構成する物質や材料の技術的実現や構造的構成の豊かさは、建築技巧の技術的・構造的な基礎として理解できる。19世紀の建築物は、特定のデザインとは全く関係なく、私たちが建築産業における接合技術の意味と象徴を考えるのに役立っているのだ。カルロ・フォルメンティは、『製造の実践(原文:La pratica del fabbricare)』(1893年)の中でこのような考えにおける基本的な前提条件を検討している。フォルメンティはこの本で、イタリア統一後の「メゾン・ド・コマース」の原型となったイタリア的「パラッツォ」と、戦間期における都市住宅建設モデルを分析している。彼はクロモリトグラフの図版を用いて建築物の構造や製造工程に共通する特徴を詳細に説明した徹底的な図集を作成した。そして地盤の掘削から鉄筋コンクリートの基礎、衛生設備、仕上げ工事まで、建設現場の各段階を分解して、当時の技術的、実用的、建設的方法論を総合し、一般の建設ニーズに適応する解決策を提案している。本書は学生の実習のための教則本であると同時に、手引書、つまり実行計画の策定や工事実施のための基本的な道具でもあった。よって当時からそして現在でも多くの建築学校の図書館に所蔵され、20世紀初頭には多くの建設現場でもこの本を目にすることができた。今日では、本書は遺産的建築のプロジェクトへ介入するための第一歩として、例えば、複数階建ての集合住宅やビルの建設の背後にある合理性を理解するために利用されている。

『製造の実践(La pratica del fabbricare)』は、経験則や普及・定着した建設手法の理解に役立つ貴重な文献と言える。同書は、19世紀イタリアのパラッツォ様式を特に特権的な存在として前面に押し出し、一般的な建築技術や建設方法、そして専門領域や建築史が建築の進化や建築技術を理解する傾向を検討することから始めている。

ヨーロッパの工業都市の発展がみられた1879年から1910年にかけては、都市への人口流出とその収容の必要性から、住宅建築は都市論と建築学の根幹となるものであった。これは、生活環境や経済原理と関係している。当時開発された住宅は、耐久性のある垂直方向の要素が優勢であり、それらは石やレンガの組積造、金属製の大工仕事、木製の床など、現代の素材と伝統的な素材を複合するものであった。そしてそれらは、長持ちすることを意図した建設技術システムと製造方法の全体像を伴う規則と基準に基づいていた。これらはすべて、古くからの熟練建設技術者たちによって、世代から世代へ、そして国境を越えて伝えられてきていた。この方法の洗練(そして進化)はフォルメンティの本において明確に示されている。しかし、同書で説明された無数の接合部の形態や建築要素(壁と床、あるいは壁と床の間、配管要素や換気)間の接続の種類を考えると、これらは特定されておらず、建築施工の要請への対応、言い換えれば建築の組み立てそのものに関する側面が欠落している。本の魅力的なタイトルとは裏腹に、建築分野では接合技術はあまり考慮されていないのだ。それは何も収まらない空白であり、ある実体が終わり別の実体が始まるその間のスペースは存在しないかのようである。

このように、建物内の無数の接合部に対する注目の欠如は、他の建築ディテールや施工に関するマニュアル、さらには建築の歴史、実践、技術に関する論考にも見られることである。建築理論の歴史において、建物の接合部、その機能、構造、性能、構法についての分析と定義はほとんど無視されてきた。建築物の接合部の役割や特徴について徹底的に調査したものとして、ウィトルウィウスの『腸の作品(Intestinum opus)』やフランスの『建築における大工仕事(menuiserie des bâtimens)』もある。しかし、19世紀にイギリスの建築家ウィリアム・ホスキングが『建築、建物、石工、接合、大工に関する論考(Treatises on Architecture, Building, Masonry, Joinery and Carpentry)』(1844年)に示すまで、芸術や話題について書かれたことはほとんどなかったのである。それ以来、木工関係の建築の伝統では定番の特徴であるような、特に中国、日本、インドの建築・建設の伝統でよく記録され(そして讃えられ)ていた類の仕事は、ある意味、食い尽くされてしまった。建築ディテールの設計や、切石積石術的(stereotomic)あるいは結構術的(tectonic)なデザイン思考に関する論考は、接合部の意味や象徴にまで手を伸ばすことはほとんどないのである。その代わり、接合部や接合工の仕事に対する注目は、空間、形態、構造、組織、あるいは用途、機能、表現基準、あるいは建築物の解剖学や材料(品質と入手可能性)、等に対する精査、すなわち建築の主要な歴史的、理論的なカテゴリーやトピックに取って代わられてしまった。

建築の歴史や理論を見る限りは、繋ぎ目という概念をほとんど考慮せずに建物がつくられていると考えられる。

しかし、建築は継ぎ目のないものなのだろうか?
ルネサンス以降、建築の歴史や理論に関する研究は、建築物の実用的かつ/または象徴的な「要素」に関連する、固定された概念(topoi)の分析と定義によって為されてきた。

レオン・バティスタ・アルベルティは、建築に関する最初の出版物である『建築十書(De Re Aedificatoria)』(1485年)において、建築を遂行するための6つの基本要素、すなわちregio(地域/場所)、area(敷地)、partitio(計画)、paries(壁)、tectum(屋根)、apertio(開口部)の分析を行った。

ヘンリー・ウォットンは、イギリス人による建築理論への最初の貢献である『建築術の諸要素(The Elements of Architecture)』(1624年)の中で、建物を扉、窓、階段、煙突、導管(conduct)の5つの見出しに分類している。

ゴットフリート・ゼンパーが著した『建築の四要素(The Four Elements of Architecture)』(1851年)は、建築を4つの要素に分け、4つの「原技法」(織り、結び、編み、織物技術)に由来する、竈、屋根、囲い、マウンドに分類している。

ル・コルビュジエは、雑誌『レスプリ・ヌーヴォー』に掲載された後、『建築をめざして(Vers une architecture)』(1923年)に転載された「新しい建築の5つの要点」において、ピロティ、自由な平面、自由な立面、水平連続窓、屋上庭園に基づく(彼の)建築について述べている。

アンドレア・デプラゼスは『建築の構築(Constructing Architecture)』(2005年)の中で、基礎の台座、壁、開口部、床、屋根、階段、エレベーターを建築の要素として挙げている。

最近では、レム・コールハース、ジェームズ・ウェストコット、セサム・トルビーの『建築の要素(Elements of Architecture)』(2014年)が、床、天井、屋根、扉、壁、階段、トイレ、窓、ファサード、バルコニー、廊下、暖炉、斜路、エスカレーター、エレベーターなどを建物の基本的要素として指摘した。

これらはそれぞれ、建築物が建設または構想される際に付随する実用的かつ象徴的な要素、例えば建築物の構成要素について探求している。最近では、建築業界の専門家を支援するBIMソフトウェアで、構造、パラメーター、オブジェクトとして扱われている。このようなソフトウェアに支援された設計作業では、利用可能なオブジェクトのライブラリからこれらの要素のジオメトリをが選択されるだけでなく、適用される材料とそれぞれの物理的特性も、各建物のケースに対して確立したソリューションを構成するために適応される。これらのソリューションを構成し、接合するための接続部のほとんどは、自動化された組み合わせのプロセスの一部であり、接合技術を結果として受け入れるものであり、重要な出発点であることは稀である。

BIMソフトウェアツールやライブラリ、そして伝統的あるいは近代的な建築のマニュアルのほとんどは、応用技術と/または産業活動(商業活動も含む)に基づき、システムの論理と哲学に従って、概念的よりも経験的な解決策としてのデザインの操作手段を強化する。マニュアルでは、建築要素を分離した建設単位や構成要素として描いていることが多く、レンガ、切石、コンクリートブロック、(石膏ボードまたは)プレハブパネル、連続梁や連結梁、跳ね出し、ヒンジや固定アーチ、その他の構成要素などがそれにあたる。これらは、上記の理論的研究における要素のように正式に定義された要素ではなく、所定の規則(解析的静力学、架設、接続、貫通)や条件(耐荷重条件など)を満たすために構造的で、区別され、特別に調整された要素である。それらの要素は、接合部の設計に影響を与え、接合技術やユニットの構想や製造にしっかりと根ざしているにもかかわらず、そのようなものとして十分に扱われていない。

このような指導マニュアルの中で、接合ユニットの描かれ方は、(BIMのように)自動的な作業であるかのような印象を与える。多くの場合、できるだけ薄く、あるいはできるだけ小さく、ほとんど見えないようにして、これらはすぐに使えるソリューションとして存在し、したがって、建材や建築要素(およびそれらを接続する方法)を明確にする限定された方法である。これは、トム・F・ピーターズが「One nail is no nail」(pp.98–105)で書いているように、一つの接合部は他のすべての接合部から独立して機能することはなく、同時性の原則が、少なくともプレハブ木造や軽量鉄骨造の建設システムでは質を量に置き換えるようになった。あるいは、ファブリツィオ・ガランティが「建設業の厄介な問題(Construction’s sticky question)」(pp.744–748)で書いているように、有限の部品を接合するという伝統は、複雑な化学化合物と軽量の複合材料に道を譲り、アンドリュー・クランシーの「隠れた接着剤(Hidden adhesives)」(pp.762–765)が示すように、接合技術やユニットはモノの接合部分だけでなく、これら複合材料の内部にも隠されている。合板、エポキシ樹脂の床、そして市場にある多くのコーティング剤は、ファブリツィオ・ガランティとアンドリュー・クランシーが彼らの考えを説明するために使用する例のほんの一部に過ぎない。この点で、フェルディナンド・イノチェンティ(イラリア・ジェネッティIllaria Giannettiの寄稿文(pp.390–393)を参照せよ)や、コンラッド・ワックスマン、バックミンスター・フラー、ジェフリー・リンジー(ラウール・ゴンザレス=ブラヴォ、カルロ・カーボン、マヌエル・オラジらのが寄稿文(pp.220–229,244–251,404–407)が示しているように)といった建築家たちによって建築技術にもたらされた創意工夫は、接合に対する「結節点の勝利(triumph of the node)」の例と言えるのではないだろうか。建築の理論や実践において、締結システムやクロス・ストラット、スプリット・コネクタなど接合要素に言及する際は、建築的には接合部よりも結節部の方が好ましい概念である。『節のある建物の外皮の金網フェンスの建具技術(The joinery art of the chain link fence in knotty building skins、pp. 674–679)で、私はこの点について、ゴットフリート・ゼンパーが示したように、籐細工によってもたらされた被覆要素の原点と、建築表面への新しい結構術的(tectonic)ソリューションの関係を描くことで、この論点をさらに補足している。

もしこの勝利によって、接合方法や継ぎ手手法と建築との関係を取り戻せるなら、本書は、王者でありながらも長続きしないかもしれない技術に対して、この分野のアプローチそのものに挑戦することになる。本書は、建築物やインフラを建設する際の技術の要素を体系化し、カタログ化する。接合部の使用が最も重要である優れた事例を、たとえ軽視されていたとしても、時には厳しく、時には遊び心を持って、批評的に評価し、挑戦し、明らかにする考察を集めている。装飾的、象徴的、美的、実用的、あるいは実利的な目的のために、本書は建築の創造へのアプローチを可能にする考察を収録している。その結果、接合部のような建設・設計技術が、実験の場としてまた建築表現の形式として、建築の根幹としてあり続ける。この本は、接合に関する様々な種類の要素を収録している。それらは、オットー・ワーグナー(pp.86–90)、カルロ・スカルパ(pp.520–535)、リチャード・ロジャース(と彼の同僚たち、pp.332–338,340–350)の作品からアリの巣(pp.880–885)まで、小屋の模型から子供の遊び場まで、軍事キャンプと兵舎からメタボリストの拡張できるユートピア建築や都市、ますます建築に採用されつつある多様な化学的な複合素材まで、建物の外観を形作る多くの構成要素のすべてよりも輝いている。
基本的なネジ、機械的接合部、木と木の接合、結び目と編み目、接着剤とシーリング材、溶接と融着ジョイント。本書で紹介する接合技術やユニットの多くは、知的財産であり、個別の特許権を有している。それらは繰り返し使われてきたものもあれば、個別の解決策あるいは建築物の一部であったり、実際には一度も立てられなかったものもあるが、これらの成果を抜きにしては、どのような建築も、構造的にも実践的にも考えることは難しいのである。■

以下に原文を収録する。

Towards a jointless architecture

Andre Caputo

Looking back, the richness of the technical realization and structural composition of the substances and materials of a 19th century building can be understood as the technical and structural basis of the mechanics of architecture. Wholly independent of any particular design, buildings from the 19th century help us reflect on the meaning and symbolism of joining techniques for the architecture industry. In La pratica del fabbricare (1893), Carlo Formenti explores the fundamental prerequisites for such an understanding. In his book, Formenti dissects an Italian palazzo, the prototype for the ‘maison de commerce’ of post-unification Italy, and the urban residential construction model of the period between the two world wars. He drew up an exhaustive atlas built of chromolithographic tables that illustrated in detail common features concerning the structures and the processes of fabricating buildings. The book breaks down the phases of a construction site — from the ground excavation to reinforced concret foundations, sanitary systems and finishing works to synthesize the technical, practical and constructive methodology of its time, and propose solutions adaptable to common construction needs. It was both a didactic manual (to prepare students for practice) and a handbook — in other words, a basic tool for developing executive plans and the execution of works. The book was to be found — and is still found today in the libraries of most architecture schools and was to be found on many construction sites in the early 20th century. Today, the book is used when preparing interventions in heritage building projects to understand the rationale behind the construction of, for example, a multi-storey apartment block or building.

La pratica del fabbricare, then, is a valuable document that helps in understanding the empirical rules as well as widespread and consolidated construction practices. It brings to the foreground the Italian palazzo style of the 19th century as a particularly privileged entity to begin examining common construction techniques and building methods, as well as the mode in which specialist domains and the history of architecture understand architectural evolution and the technology of buildings.

Between 1879 and 1910, a period that witnessed the development of Europe’s industrial cities, due to the exodos of populations to cities and the need to accommodate them, residential buildings were fundamental for urbanism and architecture. This relates with living conditions and economic principles. In the type of residence developed then, resistant vertical elements predominate, consisting of stone and/or brick masonry, metal carpentry and wooden floors, thus combining modern and traditional material, based on rules and standards that entailed an overall view of building technical systems and manufacturing methods that were intended to last. All of this was transmitted from generation to generation, and across borders, by the old construction masters. The refinement (and evolution) of this approach is clear in Formenti’s book. However, given the innumerable forms of joints and types of connection between constructional elements (of walls and floors, or between walls and floors, plumbing elements and ventilation) illustrated in the book, these are not identified and their response to the requirements of a building praxis — in other words, the pure assembly aspect of construction — is missing. Despite the tempting title of the book, joining techniques are not really considered in the architectural fields; it is a space where none fits in… then a spaceless space where one substance finishes and the other starts.

This lack of attention to, and engagement with, the innumerable connections within a building can be observed in other architectural detailing and construction manuals, as well as treatises on architecture history, practice and technology. In the history of architectural theory, the analysis and definition of building joints, their function, structure, performance and construction has been largely ignored. Evidence of a thorough inquiry into the role and features of building joints is in “the Intestinum opus of Vitruvius, and the menuiserie des bâtimens of the French”, but very little has been written on the arts and topics, until the 19th century, in the form of the English architect William Hosking, in his Treatises on Architecture,

Building, Masonry, Joinery and Carpentry (1844). Since then, the kind of work that characterizes the staple of woodworking building traditions, and which is particularly well documented (and celebrated) in Chinese, Japanese and Indian architectural and construction traditions, has been, in a way, eclipsed. Literature concerning architectural detail work and stereotomic and tectonic design thinking hardly ever expands on the meaning and symbolism of joints. Instead, attention to the work of joints and of joiners has been replaced by scrutiny of space, form, structure and organization, or to use, function, representation standards, or the anatomy and materials (qualities and availability) of buildings: architecture’s main historiographic and theoretical categories and topics.

One can assume that, as far as architectural history and theory are concerned, buildings are built with little consideration to the concept of a connector.

But is architecture jointless?

Since the Renaissance, inquiries into the history and theory of architecture have been marked by the analysis and definition of fixed topoi, related to practical and/or symbolic ‘elements’ of building(s).

In De Re Aedificatoria (1485), the first printed book on architecture, Leon Battista Alberti structures his analysis into six fundamental elements that fulfil the task of building: regio (region/location), area (site), partitio (plan), paries (wall), tectum (roof) and apertio (openings);

Henry Wotton, in his The Elements of Architecture (1624), the first significant British contribution to architectural theory, divides a building into five heads (leading parts): doors, windows, staircases, chimneys and conducts;

Gottfried Semper’s The Four Elements of Architecture (1851) divides architecture into four elements, derived from four “original techniques” (weaving, knotting, braiding and textile art): the hearth, the roof, the enclosure and the mound;

Le Corbusier in his The Five Points of a New Architecture (1923), first published in the magazine L’Esprit Nouveau and subsequently in his Vers une architecture (1923), describes (his) architecture based on: pilotis, free plan, free-façade, horizontal windows and roof garden;

Andrea Deplazes in Constructing Architecture (2005), distinguishes foundation plinth, the wall, opening, floor, roof, stairs and lifts as the elements of architecture.

More recently, Rem Koolhaas, James Westcott and Setham Truby’s Elements of Architecture (2014), pointed to the floor, ceiling, roof, door, wall, stair, toilet, window, façade, balcony, corridor, fireplace, ramp, escalator and elevator as the fundamentals of building.

Each of these inquires into practical and symbolic elements with which buildings are built and conceived: for example the components of buildings. Nowadays handle as structure, parametric, objects in BIM software assisting professionals of the building industry. In this kind of software-assisted design work, not only the geometry of these elements is chosen from the library of objects available, but also the material to be applied and the respective physical properties are adapted to compose the established solution for each building case. Most of the connections to compose and join these solutions are part of automated combination processes, which accept jointing techniques as a consequence and rarely as a starting pivotal point.

BIM software tools and libraries, as well as most architectural construction manuals, of traditional as well as modern construction practices, reinforce operative means of design as empirical rather than conceptual solutions, based on applied crafts and/or industrial activities (commercial included) and following the logic and philosophy of systems. The manuals often portray architectural elements as separated building units or components, these being: the brick, the cut stone, concrete block, (gypsum or) prefabricated panels used, as well as the continuous or articulated beam, the cantilever, the hinged and fixed arch or other constructive element. These are not formally defined elements in the way that the above-mentioned theoretical studies’ elements are, but structural, differentiated and specifically tailored elements to fulfil predetermined rules (of analytical statics, erection, connection and penetration) and criteria (such as load bearing conditions, etc.). Those elements have an impact on the design of connections and are solidly rooted in the conception and production of jointing techniques and units, yet not fully treated as such.

Amongst this type of instructive manual, the way joining units are portrayed gives the impression that this is an automatic work (as in BIM). Often kept as thin or as small as possible almost to the point of invisibility, these are there as ready-to-hand solutions, and thus limited ways to articulate building materials and construction elements (and manners of connecting them). This might be because, as Tom F Peters writes in “One nail is no nail” (pp. 98–105),

one connector has no function independently from all other connectorsand the principle of simultaneity has come to replace quality with quantity — at least in prefabricated wood and lightweight steel frame construction systems. Or else, as Fabrizio Gallanti writes in “Construction’s sticky question” (pp. 744–748), the tradition of joining finite parts has given way to complex chemical compounds and lightweight composites where, as Andrew Clancy’s “Hidden adhesives” (pp. 762–765) demonstrates, jointing techniques and units are hidden not only in between — to join — but at the very interstice of these composites. Plywood boards, epoxy resin floors and the many available sealants are but a few of the examples that both Fabrizio Gallanti and Andrew Clancy use to illustrate their thoughts. In this regards, ingenious developments introduced to the art of building by Ferdinando Innocenti — see Illaria Giannetti’s contribute text ahead (pp. 390–393) or by architects, such as Konrad Waschmann, Buckminster Fuller and Jeffrey Lindsay — as demonstrated by Raúl Gónzales-Bravo, Carlo Carbone and Manuel Orazi, in their contributions (pp. 220–229, pp. 244–251 and pp. 404–407), are but examples of the “triumph of the node”, over the joint. Where architecture is concerned, node rather than joint is the preferred concept to refer fastening systems, cross strut and sprits connectors, and to address joining elements, in architecture theory and practice. In “The joinery art of the chain link fence in knotty building skins” (pp. 674–679) I draw on the relation between the origin of enclosure elements, introduced by wickerwork — as

demonstrated by Gottfried Semper — and new tectonic solutions for building skins, further adding to this point.

If this triumph resumes architecture relation to jointing and joinery solutions, then this book challenges the very discipline’s approach to an art that is king, and that even might not last. It systematizes and catalogues connecting elements of the art of building buildings and infrastructures; gathers reflections that critically assess, challenge and illuminate — sometimes playfully other rigorously — excellent cases where the use of joint is of the upmost importance — even when neglected. Either for decorative, symbolic or aesthetic, practical or pragmatic purposes, this book contains reflections that allow an approach to the creation of architecture, whereby construction and design technologies such as of joints, remain at the basis of building: as both locus of experimentation and form of architecture expression. This book documents different types of joint-related elements, shining beyond all of the many components that form a building appearance, from works of Otto Wagner (pp. 86–90), Carlo Scarpa (pp. 520–535) and Richard Rogers (with his associates, pp. 332–338, 340–350) to those of the Ant Farm (pp. 880–885), from models of the shed to children playgrounds, military camps and barracks to expandable utopian structures and cities of the Metabolists, and the increasingly variety of chemical material compounds being introduced in buildings. These are: Basic fasteners, Mechanical joints, Wood on wood, Knots and knits, Adhesives and sealants, Welded and fused joints. Many of the jointing techniques and units represented in this book are the subject of intellectual property, with individual patent rights. Have been recurrently used, part of unique solutions and/or buildings, or never really built. It is hard to conceive any architecture, as structure and as practice, without considering their work.

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寺西志帆理
建築討論
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てらにし・しほり/京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程所属(小見山研究室)/2000年岡山県出身