カート・ローゼンウィンケルの余韻

Takashi Okada
King of Life
Published in
3 min readSep 10, 2018

鹿児島ジャズフェスティバル2018 / №02054

楽しみにしていた鹿児島ジャズフェスティバル。
2日間連続で行ってきた。

お目当てのカート・ローゼンウィンケル・トリオは、
ベースのダリオが来なくて残念だったけど、
余計にカートのギターに集中できてよかったかな。

そして2日目は、
カートと井上銘のセッション。
これまたカート自身の楽曲ではない分、
余計にカートのプレイの特徴が如実に浮きぼりになり楽しめた。

井上銘は、大好きなプレーヤーだけど、
やはり若いというか、
カートが、圧倒的な格の違いを見せつけた、凄かった。

カートのギターの音色にまず驚いた。
そして、1音1音の明瞭さ、音の粒立ちというのか、
しっかりと核のある音の説得力。

しかも、その音が途切れない。
つぎつぎと紡がれる音は、まるで魔法だ。

普通ギタリスト(ギターじゃなくてもそうかもしれない)って、
息継ぎをするように手をとめる瞬間がある。
瞬間考えて、そしてまた手が動き出す。

それが、手が止まらないのだ。
息が長いというか、
息を吸いながら吹く(管楽器ね)ヒトみたいな。

しかも、その旋律に誠実さや探究心や、愛が感じられる。

なんと言えばいいのかな、
まわりの音に感応してアドリブしていると言うより、
その楽曲のメロディや流れを大事に大事に、
掘って掘って研究し、慈しんでるような、
味わい尽くしているような、そんな雰囲気。

まさに探求者というか、修行者というか、
音楽に対する真摯さがひしひし伝わってくる。
あ〜すごいマジメなヒトなのね、カートったら。
もう、彼の大ファンになった。

話は変わるが鹿児島ジャズフェスは、
無料で野外ということもあり、
その空気は、じつに自由だ。
しかし自由すぎてマナーの悪いジジイが目につきすぎる。
酒がまた、それに拍車をかける。
ノってるのか酔っているのか、境目がじつに微妙。
しかも、そんな無自覚なジジイほど、
ステージ近くにいたりする、これは考えものだ。

たぶんジャズフェスって、奇人変人大集合なのかもしれない。
年齢層高い分、勝手気ままに生きてきた偏屈モノの集まり。
たぶん、ロックとかだと、まだ外見になんとなく主張というか、
統一的なものがあると思うけど、
昨日の天文館公園はカオスだった。

カート・ローゼンウィンケルの存在は、
そんな掃きだめに舞い降りた鶴のような神々しさ。

小汚いジジイ達(ま、オイラもジジイのひとりだけど)ではなく、
鹿児島中のギターキッズに聴かせたい素晴らしいプレイ。

カート、ありがとう。

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Takashi Okada
King of Life

ムダヅカイキング。 雑貨屋家業歴27年 What→SoWhat→Sundries→M4What。Postmark 代表を経て 中町ベルク商店街に復帰、只今事務局長。包丁づかい苦手な料理好き。妻から鍋の購入禁止令を出される。ノワール小説とJAZZが好き。最近、麻婆豆腐を探求。愛機は、Fujifilm X-T1 。