Agile Japan 2018 高知サテライトを実施しました

初の高知でAgile Japan開催と8年かけて四国を一周したという話

Takeshi Kakeda
kkd’s-remarks
7 min readSep 10, 2018

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フィードバックループのポーズで記念写真
『四国のアジャイル第2ターンに向けてのビジョン』

Agile459を立ち上げてから、今年の11月で8年が経つ。そして9月8日に、四国4県すべてで、Agile459名義でイベントを開催することができた

思えばなんで8年もかかったのだろう?

ひとつは自分が四国の土地に地縁がなく、一人からのスタートだったことだ。とはいえ、人と会い繋がりを作って四国全県の知り合いを作るのにここまで時間がかかるわけではない。

結論を言えば、その土地でオーガナイザーがアジャイルに出会い、勉強会やイベントに参加し、自分の場所で「開催したい!」と声を上げるのに時間がかかったということだ。

打ち上げ花火ならできるが、しなかった

自分が各県の人に声をかけて「開催したい。手伝って欲しい」と声をかければ、勢いでイベントや勉強会を開催することは可能だっただろう。その時にパワーを使い勢いで事を進めればいい。しかし、そう行ったやり方はしなかった。

正直言うと、そうやって勢いでどんどん四国の人と繋がって、広げていきたいと考えていた頃もあったように思うが、結果的にはやらなかった。

勢い任せのやり方だと、一発花火はあげられても、それが継続的に燃え続けることはできなかったのかもしれない。

瀕死のコミュニティを救ってくれたのは仲間だった

2010年にAgile459を立ち上げて、2015年に5周年イベントを開催した後、Agile459の勉強会が一旦止まってしまった。一区切りがついてほっとしたのと、ちょうどその頃、仕事面で袋小路に入り、自分のやるべき事、やりたい事を見失っていた。

その間半年間完全にコミュニティについて身動きが取れなかった。普通なら、こういう状況になるとコミュニティは動きを停止し、ひっそりと活動を休止していたのかもしれない。

Agile459は誰にも強制されたものでも頼まれたのものでもなく、自分が一人ではじめたものだ。自分が飽きたり続けられなくなったら、そこでおしまいかと考えていた。

しかし、そうはならなかった。そんな中で、Agile459として勉強会を企画、運営してくれたのは、それまで一緒に開催してきた仲間だった。

やりたいからやる、自律的な活動

2016年に香川県高松市で、Agile459名義でAgile Japan 2016 高松サテライトを開催することができた。その時オーガナイザーをやってくれたのが、何度も香川から松山に足を運んできてくれた@kobatomo3Hさんだった。

その後、昨年も@kobatomo3Hさんを中心に松山でサテライトを開催した。(そこで実施したモブプロの写真が、本家Woodyさんのプレゼンで紹介されるという快挙に繋がった。)

その後、2週間毎に『エクストリーム・プログラミング』のオンラインで読書会をやるというメソッドで時間をかけて実施した。(読書会のログはすべてあるので興味がある方はぜひ眺めてほしい)

そして今年は、高知の開催を目標に話を進め、 昨年からジョインしてくれた Takashi Satoさん、そして高知の 松浦春選さんの二人がオーガナイザーとして手を上げて進めてくれた。

Takashi Satoさんは、東京のAgile Japanにも参加しその熱気を伝えてくれたが、その後家庭の事情で一旦フェードアウトした。その後は松浦春選さんを中心に残りのメンバーで自己組織化し準備を進めてこの日を迎えることができた。

今回、自分はほぼ準備を手伝えていない。SlackとTrelloとZoomを駆使して自己組織化したチームがイベントに向けてタスクをこなしていく様を眺めていた。これこそアジャイルチームだった。

高知サテライトの内容

あいにくの大雨で高速が通行止めになり、移動時間が大幅にかかったり、キャンセルが発生もしたが、会場となった株式会社SHIFT PLUS さんの「bridge+(ブリッジプラス)」は、とても綺麗で素晴らしいスペースだった。

ビデオ視聴

Takashi Satoさんが、レポートで話してくれた通り、とても素晴らしい内容だった。モブプログラミングは、モブワークと言い換えるべき新しい仕事の進め方だし、Japn Taxiさんの話は、アジャイルチームという視点でも、ビジネスモデルという視点でも刺激的な内容だった。

フィードバックに踏み込む

東京から来てくれた、 Eiji Ienagaさんは、先日亡くなったワインバーグ氏の言葉を借りてフィードバックとその具体例、ポイントをわかりやすく伝えてくれた。

家永さんは『時を超えたプログラミングの道』で、フィードバックについて解説されているのを知っていたので、今回のサテライトテーマにピッタリかと思い登壇をお願いしたのだが、本当によかった。

ライトニングトークス

LTは4名の方が発表してくれた

どの方も、思いがこもったよいLTだった。

その場で運営ふりかえり

最後は、運営のふりかえりをフィッシュボウルスタイルでその場でやってしまうという形で実施した。これも「フィードバックループを参加者に体験してもらうにはどうすればよいか?」という運営チームの一つのアイデアの結晶だった。短い時間だが、とてもよい試みだった。

10年以上前の行動が今につながる

会場に付箋でペタペタフィードバックを貼ってもらうのは、ずっと前にオブラブ(当時はオブジェクト倶楽部)のイベントでやっていたのを思い出す。

そして、オーガナイザーの 松浦春選さんがファシリテーションと出会った話は、2004年8月31日に、自分と平鍋さんが出張の帰りの新幹線の中でブレストしたことがきっかけになって生まれたPFにつながる。あれから14年が過ぎ、あの時のブレストが、高知のAgileコミュニティが立ち上がるきっかけになったというのは感慨深い。

四国のアジャイルはこれからがスタート

懇親会はガッシュのポーズで集合写真

四国の人口は、全部合わせて380万人程度だ。東京都おろか、埼玉県の人口の半分程度しかない。人口密度は東京都のおよそ30分の1だ。

このような人口比率では、首都圏と比べて、アジャイルに興味を持つ人が少ないのも無理はないと以前は考えていた。

しかし、時代は変わってきている。四国に東京の企業がサテライトオフィスを設置しアジャイルで開発を回し、地場の企業でアジャイルに取り組む事例も増えてきている。高知では産業振興として、島根県のようにコミュニティの支援を始めている。

そういった実践の体験は、社内だけで留めておくのではなく、社外の人に伝え共有し、更なる相互作用をもたらすことが重要だ。アジャイルとは、そうやってこの20年近くコミュニティを通じて進化し続けてきた。

もちろん、これから実践したい人たちが、先人の体験談を聞き、行動のきっかけとする、という側面も包含している。四国地域のそういった場として、これからAgile459が機能するとよいと思う。

そして、四国で実践した人たちが、その成果を持って、東京で行われているXP祭り、Scrum Gathering、Agile Japan、そして海外カンファレンスで発表する人が出てくるようになったら最高だ。

その日が来るのを夢見ながら、今後も仲間たちとAgile459を続けたいね。

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Takeshi Kakeda
kkd’s-remarks

I’m Thinker, Doer, Maker, iki-iki Generator and Runner in Ehime, Japan. My blog is https://tkskkd.com/