いきがい図のワークショップを開催して気づいた3つのこと
「人生の目的、いきがいを考える図」のワークショップを初開催したレポートと、そこで得られたものをまとめてみた。
きっかけ
いきがい図とは何か?
2年前に、instagramに流れていた一枚の図、purpose venn diagramについて興味を持ち、経緯など色々調べた結果をブログにまとめたことがありました。当時、図を日本語にする時に、中心の「purpose」を目的と訳さずに、生きがいと訳してみました。(今は全てひらがなにしたくて「いきがい」としてますが)
その後、この図を使って自分自身でキャリアの今後を考えてみたり、仕事のワークショップでも採用する経験をし手応えを感じたので、どこかで参加者を募ってやってみたいと考えていました。
ワークショップを企画、しかし一旦ストップ
gaoryuさんにそのことを相談したのがちょうど一年前くらい。こんなワークショップができないか?という話をして、対象者や提供価値についていろいろ話した結果、その時点ではあまりニーズがなさそうなので一旦その話は止めることにしたのでした。
しかし、この1年くらいで、この図をいろいろな箇所で見ることが増えてきました。
生きがい図の露出が増えてきた
そのひとつが、World Economic Forumの記事です。この記事の中で紹介されていた図では、中心にあるpurposeがikigaiとなっていたのに驚いたのでした!英語圏の記事で、なぜ「いきがい(ikigai)」なのか?
次に、モチベーション革命の中にも図が紹介されているのを見つけました。『モチベーション革命』は、何かを実現するために前に突き進む「乾いている世代」とは異なり、満たされた時代に生まれた「乾けない世代」に対しての新しい仕事観を提案する書籍。その中で「好きを仕事にする」という文脈で生きがい図が紹介されていました。
更には、日本語にも翻訳されたIkigai: The Japanese Secret to a Long and Happy Life(邦訳名は 外国人が見つけた長寿ニッポン幸せの秘密)という書籍を見つけました。本書は、日本文化に詳しいスペイン人が沖縄の長寿村に取材に行き、長生きの秘訣を調べてまとめたものです。この書籍の冒頭に、まさにいきがい図が紹介されていました。
『Ikigai』で紹介された図の元になったのが、Marc Winn氏のブログの2014年の記事『What is your Ikigai?』です。この図では、中心をPurposeではなくIkigaiとしています。前述のPurpose Venn Diagramを調べていたときにはこの記事には気づきませんでしたが、恐らくこの方が中心のpurposeをikigaiとした人ではないかと推測します。
「ハタラキカタの前にイキカタを考える」登壇
また、自分自身が9月に開催されたCHANGE WORK 「IT技術者の働き方改革」セミナーに登壇させて頂き、その時に愛媛に引っ越して、仕事の仕方を変えた話をした。その中でもいきがい図を紹介し、自分の経験を元に、ハタラキカタはイキカタからというメッセージを発表しました。
これらの経緯があり、一旦話を止めていたワークショップの話を、gaoryuさんに再度相談し、二人で企画を進めて開催にこぎつけた、というのが今回の顛末です。
ワークをやってみた所感
その人の生き様が滲み出る
このワークは、参加者のこれまでの人生が色濃く反映されるということに改めて気づかされました。どうしてその職業についたのか、心境がどう変わっているのか、働くということについてのポリシーは当然として、何が好きなのか、今そこに満足しているのかどうか、などなど。
「好きなことしかやらない」と決めてやってきた人もいれば、「好きな仕事だったのに段々そうでなくなってきた」と露呈する人もいる。「得意なことだけやってきた」人や「稼ぐこと」を第一に考えていた人など、その人の仕事感が滲み出てきます。
自分の殻を打ち破るための相互フィードバック
このワークの狙いは「今後の自分のキャリアをどのように方向づけするか、そのための具体的な行動は何か」についてのきっかけを作ることにありました。そのため、これまでの自分の仕事についてをふりかえるだけでなく、未来の自分のキャリアをどう作り上げていきたいかという観点が必要です。そのために、自分だけで考えるだけでは手に入らない、他人の無責任な相互フィードバックによって、自分の思考の枠を越えるグループワークとしました。
互いの仕事観、人生観を共有した上での相互フィードバックは、お互い短時間とはいえ、かなり深い部分に踏み込んだものになります。普段からの「思考の枠」で考えている部分を、他人に指摘され気づくこともあります。前提として自己開示が原則となるというハードルはありますが、効果はあったように思います。
生き方を考えるきっかけづくり
もちろん、自分の仕事や生き方を考えるのは、自分のやるべきことであり、他人はそこには入り込む余地はないともいえます。しかし、日々を生活や仕事に追われてじっくりと考える時間が取れない人もいるでしょう。
今回のような場を設けることで、参加者が、仕事や生き方についてじっくり考え、自分の言葉にできる。また他の人の仕事観、人生観、大きな壁を乗り越えた話、絶賛変化の模索中の話を聞くことができます。
そのような場を設定するだけでも、非常に貴重な時間なのだと感じました(実際には、ワークを行ったグループ単位でしかその話は聞けません)
すべてが重なるか、重ならないかよりも、現状はどうなっていて、今後自分はどうしたいのか(もしくは、このままでいいのか)について、自身が考えた上で、自分自身に嘘をつかずに、納得のいく状況に向かえればよいのです。
参加者の皆さんの、多様な働き方・生き方を知り、考え、新しい一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
まとめ
今回は一般向けの初の開催だったこともあり、改善点がいくつも見えました。そちらは改善しつつ、来年にでも同様のワークショップを実施したいと考えています。今回参加できなかった方、興味を持った方は、是非お越しください!!
このワークは企業内でやってみてもきっと様々な価値があると思います。もちろんご自身でやってみてもいいでしょうし、場作り、実施のコツ、ワークショップ開催など含め、ご興味のある方は私かgaoryuさんに是非ご連絡くださいませ。