コミュニケーションで大事な推論のはしごについて
最近周囲で気になることがあり「推論のはしご」についてまとめてみる
この記事は Agile459 retrospective for 2018 Advent Calendar 2018 のエントリーです。
「推論のはしご」を最初に知ったのは『フィールドブック 学習する組織「5つの能力」 企業変革をチームで進める最強ツール』だった気がする。
端的にいうと「事実を元に、観察者が、選び、意味付け、推測し、結論づけ、情報とし、行動する」という段階をへて推論をはしごを登るように行うということ。人は、このはしごを一気に登って行くことで「自分の解釈を前提とした行動」を行う。
例えば、
「会議中にあくびをしていたAさん」という事実を元に、それを見た人が
あくびをしていた(事実)→会議に集中できていない→やる気がない→叱責する、という行動を引き起こすということだ。
ここで、事実は「あくびをしていた」というものだけであり、「会議に集中できていない」や「やる気がない」というのは、観察者が意味づけし推測した結果であることに気づかないといけない。
先日も、周囲で「推論のはしご」を登ってしまった人の行動が周囲に面倒を引き起こす場面に出くわしたし、大きな問題にはならないものの「推論のはしご」を登ってしまって早計な結論づけと行動する人がいたので、久しぶりにこのキーワードを思い出した。
このはしごを登ってしまいがちな人は、意識的に「自分が結論づけた(推測した)」所から、逆にはしごをひとつひとつ降りて行かないといけない。
- やる気がないと結論づけたのはなぜか?
- 会議に集中できていないとなぜ言えるのか?
- なぜあくびをしていたのか?
自分がはしごを登りすぎないように注意するのと同時に、相手がはしごを登ってしまった場合は、相手を一歩一歩はしごを降りてもらえるように、説明したり質問をしていくことが重要だ。
- なぜそのように結論づけたのですか?
- どうやって事実から推論されたのでしょうか?
相手を問い詰めるのではなく、教えてもらうように、ひとつずつ丁寧に聞く・問いかけることが重要だ。
ついつい、瞬時に推測し結論づけ行動してしまう私達は、常に推論のはしごを降りる準備をしておかないといけない。