おもてなし度が高い里山レース〜おごせ・ときがわ50km参戦記

子供の頃以来の懐かしの越生を一日歩いた!走った!

Takeshi Kakeda
kkd’s-remarks
9 min readSep 12, 2017

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おごせ・ときがわ50kmレースに参加した

出張で東京に来たついでに、越生で開催されたトレイルレースに参加して来た。越生の黒山三滝には小学校の時に遠足で来たことがあるし、近くの毛呂山には恩師が住んでいる。今年は、100kmのトレイルレースに挑戦するので、これまで以上にトレーニングを積まなければならないのと、ITRA(国際トレイルランニング協会)ポイントも獲得できるため、トレーニングの一貫として参加した。

トレイルレースは、今年1月の千羽海崖以来。その後はロードの100kmマラソンを2度ほど走ったが、頻繁にトレイルの練習はできていない。どんな結果になるか、自分でも予想がつかない。千羽は距離(40km)で舐めていたが、階段地獄にやられてとても辛かったので、同じ轍は踏みたくないのだが。。。

事前のコースマップ作成の時に距離と標高差から予想タイムをざっくり見積もってみると7時間後半になった。ロードレースの場合は、事前のタイムの見積精度はそこそこ高いと思っているが、トレイルレースの見積は、いまだに「本当にこれでいけるの?」と疑問符がつく。初見のコースなので飛ばしすぎてバテるかもしれないのでゆっくり行こう。

始発電車に乗り、実家のある朝霞から東武東上線で北上し、東武越生線に乗り換えて越生に着いた。アクセスがしやすいのは助かる。越生駅から送迎バスで会場へ移動する間に「ハイキングの町おごせ」の看板が見えた。越生はどうやら町ぐるみでハイキングを押しているらしい。

絶対コースアウトしない

じつは、このレースの直前に行われたトレニックワールド主催のレースにおいて、ランナーがトレイルの脇を走ったことにより、希少植物が踏みつけられ荒らされた、というハイカーの指摘が話題になっていた。個人的にはとても心が痛んだ。山の中を大勢で走らせてもらう以上、自然に対してのダメージは最小限にしたい。確かに段差のある階段を登る時には、つい脇の斜面を登りたくなってしまうことがあるのは本音だが、このレースからはそういうことはしないようにと心に誓った。

スタート・ゴール会場の荷物置き場は体育館でとても広く、自分で場所を決めておけるのでとても楽ちん。そんなこんなでレースは7:30にスタート。

スタートゲート

序盤〜早々に最難関を越えて後は楽勝?

いきなりスタート直後に道端にシカの死体が転がっていた。自動車に追突されたのだろうか?シカを尻目にひた走る。

いきなり、シカが道端に。。。

子供の頃に行ったことがある、黒山三滝の横も通った。なかなか美しい。

越生の誇る(?)黒山三滝

序盤にいきなり急勾配を登る。まだ体力はあるので、淡々と登っていく。ランナー同士の会話を聞いていると、この序盤の大きな登りが終わったら細かいアップダウンだけだそうだ。そうかそうか、あとは楽なのかな?

中盤〜よしよい、いい感じ!?

序盤の登りを終え、細かいアップダウンは比較的順調にいっていた。途中、併走してくれた地元のとても速そうなランナーの方に「強いねぇ。7時間台でいけるんじゃないの?」とおだてられたりもした。調子に乗りたいところだが、初めてのコースだし、トレイルも久しぶりなので無理は禁物。お礼を言いながらマイペースで進んだ。

allsports.jpより

途中途中のピークから見える景色がとても美しい。埼玉に29年住んでいながら、埼玉の山にはほとんど登ったことがなかった。こんなに美しかったことを初めて知った!

埼玉の山々!!

嬉しい誤算としては、トレイルレースとしてはエイドステーションが多く、飲み物・食べ物がバラエティに富んでいてとてもよかった。特に個人的には麦茶がありがたかった。

飲み物充実のエイド

途中で驚いたのは、山中でレースに参加していない一般で山に走りに来たランナーに何度も出会ったこと。これまで出たトレランのレースではこういう場面には出会ったことがない。トレラン人口密度が高く、首都圏に近いだけに、越生の山はアクセスよく人気があるのだろうか?

途中、段差が大きな階段があり、つい脇道をゆきたくなったが、冒頭の誓いを守り、えっちらほっちら段差を登った。有言実行できてよかった。

終盤〜足が売り切れた!我慢のレース

30kmを越える辺りから、足の付根に痛みを感じるようになってきた。調子の悪い時によくある痛みだ。下りの階段をぴょんぴょん調子に乗って飛び降りていたツケだろうか?痛みがひどくなり、脚があがらなくなり、力が入らなくなってきた。こうなるとペースを落とさざるをえない。

途中から、登りがまったく走れなくなるどころか、足元もおぼつかなくなりフラフラしてきた。31km地点の慈光寺のエイドでは78位だったのだが、それ以降どんどん抜かされていく。調子の良かった下りも辛くなってきた。痛みでまったく走れなくなるのが怖いが、前に進むしかない。

慈光寺を境に後退。。。

坂を登るのが苦しい。そんなときは、呼吸に意識を集中して、先のことなど考えず目の前だけ見て登る。これまで苦しい時に乗り越えてきたイマココ走法だ。これまでの経験で、雑念、つまりイマココに集中しない走りが、心や身体を弱体化させることを知っている。

辛くなったらイマココでやり過ごし、最後のエイドをすぎてゴールまで残り4kmのロードに出た。エイドでみたタイムは7時間32分。残りを6分ペースで走りきれば、7時間を切れそうだ。ここまで来たら行くしかない!と走り通し、なんとかゴールにたどり着いた。ゴール後は、かき氷や豆ご飯を頂く。涼しかったとは言え、8時間近くも多量の汗をかいた身体にかき氷の冷たさは格別だった。

ゴール直後にかき氷を頂く

タイムはぎりぎり7時間台!1月の千羽海崖のボロボロのゴールに比べれば、脚は痛むが余裕を持ってゴールができた。

「やっと終わった!温泉!」の表情(allsports.jpより)

ゴール会場は温泉が併設されており、荷物を置いたまま、すぐに温泉で汗を流せたのも嬉しい。大抵は、ゴール会場から荷物をもって脚を引き釣りながら温泉を目指すので、この差はとても大きい。

ゴールちょく直前のげー

レース感想&ふりかえり

50kmトレイルはちょうどいい長さ

50kmのトレイルを初めて走ったが、ちょうど丸一日走っていられる、体力的にちょうどいい距離だと感じた。70kmほどは長くはないが、歯ごたえはある。当然もっとロングは走れるようにしたいが、トレーニングとして楽しむのにはちょうどよい。

利便性、コース、エイド、ボランティア、総じてよい大会

この「おごせときがわ」のコースは、美しい景色、エイドの数や充実度、余裕のある荷物置き場、ゴールすぐの温泉などの利便性が素敵だった。もちろん、スタッフの方々の対応も丁寧でありがたかった。実家から電車で行けるのも嬉しい。トレニックワールドさんは、他にも様々なレースを開催されているので、できれば来年も東京出張の予定を作って走りにきたい。

後半のスタミナに難あり

自分自身については、上りが後半まったくダメになってしまったこと、脚付け根の痛みがでてしまったことなど、改善すべき点が多々あることを痛感した。総じて脚の持久力が足りていない。もう少し持久力を高めるためのハードな練習が必要なようだ。また、黒爪(二回目)になってしまったので、下り斜面の対策も必要そうだ。

少しは成長できたかな?

一方で、タイムは7時間を切ることができ、全体の1/3の順位にもなったのは、自分にとっても多少は自信となった。千羽海崖でのメタメタぶりと比べると、少しは成長できたのかな?とも思う。秋は四国のみちを始めとしてトレイルをもっと走るようにしよう。

次に向けて

残りの今シーズンは、10月15日の四万十ウルトラ100kmを皮切りに、10月末には昨年同様に奥四万十ウルトラトレイルで70km超、11月にはFTR100Kで初の100kmトレイル、そして12月にはIzu Trail Journeyで再び70kmトレイルに挑む。あまり時間はないが、今回の反省点を生かした練習をしていきたい。

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Takeshi Kakeda
kkd’s-remarks

I’m Thinker, Doer, Maker, iki-iki Generator and Runner in Ehime, Japan. My blog is https://tkskkd.com/