おもちゃは少ないほうがよい12の理由

Mutsumi Paterson
Kodomo Edu
Published in
6 min readJun 15, 2017

最近このような記事をよく目にします。

Why Kids Benefit From Fewer Toys

How to get started with toy minimalism — and let creativity flourish

photo credit: http://www.thekavanaughreport.com/

子どもは遊びを通して学ぶ

マリア・モンテッソーリは“Play is the child’s work.”(遊ぶことは子どもの仕事だ)と言いました。また、Playful Parentingという子どもと遊びがいかに大切かを書いた有名な本の著者、コーエン博士(Lawrence J. Cohen Ph.D.)はこうも言っています。‘Through play, they (children) practice cooking, cleaning, going to work, fighting, taking care of the baby — every adult activity they see around them. This kind of playful practice, performed over and over, makes them more confident.’ (遊びを通して子ども達は料理や掃除、仕事、喧嘩、赤ちゃんの世話など彼らが見る大人の世界を模倣し、自信をつけるようになる)

”子どもは遊びをと通して学ぶ”、ならば遊ぶおもちゃは多い方がよいのではと思いませんか。ところが逆なのです。おもちゃが少ない方が子どものクリエイティビティが高まるのです。

おもちゃは少ないほうがよい12の理由

1.子どもは自身のイマジネーションを使うようになります。おもちゃが少なければ、例えば葉っぱをお皿にしたりスカーフをお姫さまのドレスにしたりと、自分たちの遊びのシナリオにそって物を作り出すようになります。様々な研究により、アインスタインが残した言葉が証明されたのです。“the true sign of intelligence is not knowledge but imagination.”(本当の知性の証は知識ではなく想像力だ)

2.おもちゃが少ない方が子どもは集中力を保つことができます。おもちゃが少ないほうが手元にある物事に集中できるのです。そしてあまりに刺激の多いおもちゃはADHDにつながるとも言われています。

3.おもちゃが少ない方が子どもは他の子どもと交流するようになります。コミュニケーションスキルとは生まれつきのものではなく、学び習得するものです。物が少ない方が子どもは他の子どもと話すようになります。そして子ども達はごっこ遊びを通しはコミュニケーションを取ろうと努力しているのです。

4.子どもは自分が持っているものを大切にするようになります。他に変わるものがないと分かっているほど、自分が持っている物の価値を理解するようになります。

5.おもちゃが少ない方が子どもは学びます。大人が本、積み木、絵を描く道具やパズルなどのおもちゃを与えることにより、子どもは読み書き、組み立て、そして絵を描くことなどを練習することになります。それらのおもちゃは将来子どもが必要になるスキルにつながります。

6.子どもは自分が持っているものをフルに活用するようになります。

7.おもちゃが少ない方がシェアができるようになります。親として子どもには、”物よりも人を大切にしてほしい、欲張りにならないで欲しい”と願います。おもちゃや物が少ない方が子ども達は物質よりも人を大切にするようになります。

8.おもちゃが少ない方が物事をマスターするようになります。子どもがある特定のおもちゃに集中することにより、それをマスターし、”できた!”という経験が自信につながるのです。

9.おもちゃが少ないことにより、子ども達は何でも好きなものが手に入るわけではないということを学びます。”何でも好きなものが手に入るわけではないけど、必要なものは手に入る”ということが分かるようになります。親としては子どもが欲しがるものをあげないと友達の輪に入れないなどと心配するかもしれません。しかし欲しいものが全て手に入らないことにより、人は物質ではなく性格によって形成されるということを学ぶのです。

10.子ども達は自然が好きです。子どもは外で遊ぶことで多くを学ぶのです。しかし家の中にたくさんおもちゃがあると外で遊ばなくなってしまいます。

11.おもちゃが少ない方が子どもは自分が持っているもので満足することを学びます。子ども達が一番必要なのは愛情です。そして愛情や幸せはお金で買えるものではないということを学ぶのです。

12.おもちゃが少ないことで、子どもは整理整頓されている空間に価値があることを学びます。何かを探すためにおもちゃ箱をひっくり返したりしなくてもよく、物がきちんとあるべき場所にある癖を身につけることができます。

物が少ない方がクリエイティビティが高まる

個人的な話になりますが、私の主人はクリエイティブな仕事をしておりとにかく散らかっている空間を嫌います。物が溢れいていると新しいアイデアが生まれてこないと言います。そして主人の実家を訪ねた時に、とても整理整頓された空間に驚くとともに納得しました。これは子どもの頃からの癖なのだなと。各家庭の価値観や生活の仕方があるので、答えはひとつではないと思いますが、今日の記事が何かのヒントになればなと願います。

Mutsumi Paterson // Los Angeles

ムツミ・パタソン(ロサンゼルス)

【おすすめ記事】

英語アートサマースクール2017応募開始!(人数限定・東京)】世界で今大注目の幼児教育が上陸!
レッジョ・エミリア アプローチって何?① ”その成り立ち”
レッジョ・エミリア アプローチって何?② ”子供が100人いれば100通りの言葉がある”

Originally published at Kodomo Edu.

--

--

Mutsumi Paterson
Kodomo Edu

国内外の最先端幼児教育の情報サイト「Kodomo Edu」のコファウンダーおよびディレクター。ロサンゼルスに住み、2人の子どもをレッジョ・エミリアアプローチで育てている。http://kodomo-edu.com/