子ども食堂.....ではないけれど、子ども食堂"的な"試み。

「徳島に子ども食堂をつくる会」の今後の取り組み

森哲平
徳島に子ども食堂をつくろう!
5 min readSep 23, 2016

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「無料もしくは廉価にて子どもに食事を提供する食堂」=子ども食堂ですが、厳密に言うと「子ども食堂」というわけではなかったり、そう名乗ってはいないのに、子ども食堂"的"としか言いようがない試みがあります。

上は鶴見のラーメン屋さんが子ども向けの無料メニューをはじめたニュースです。1ヶ月に1回、小学生20食限定ではありますが、非常に子ども食堂的です。新聞にも多数掲載されたようで、注目を集めました。

子ども食堂は、素人有志による運営が一般的であるのに対し、こちらは飲食店さんが通常の営業と並行して、スペシャル無料メニューを提供する点が特徴的です。

子ども食堂には大きくわけると2つの機能があります。
①廉価で食事を提供する機能。
②いわゆる「居場所」を提供する機能。
①と②を同時に満たせる形式として子ども食堂は拡がっていると思うのですが、逆に言えば、①②それぞれの機能に分解して提供してもよいのではないでしょうか。

こちらの鶴見のラーメン屋さんの例でいえば、①の機能に特化したスタイル、だと言えるでしょう。

「コドモメシプロジェクト」とは?

我々「徳島に子ども食堂をつくる会」の目的は「子どもがタダでおなかいっぱい食べられる徳島」の実現です。

「子ども食堂をつくる会」と名乗っていますが、目的さえ達成できれば、成果さえ挙がるのであれば、子ども食堂というスタイルに実は必ずしもこだわっていません。

この鶴見のラーメン屋さんのように、1ヶ月に1回、10食、20食からでよいので、子どもに無料で食事を提供する飲食店さんを徳島で増やせないだろうか。そうした飲食店さんの一覧をマップにしたり、LINEで「今週無料で食べられるお店」一覧を送ったりできないだろうか。

これがコドモメシプロジェクトです。

私たちが子ども食堂をはじめた当初から、取り組みたい!と思っていたのですが、時間がなく、毎週の子ども食堂を運営するのに精一杯であったため、なかなか動くことができていませんでした。でも、東新町が一旦クローズになった今なら、本格的に取り組むことができます。今後の活動の一つにしていくつもりです!

「みんなでごはん」とは?

もう1つ、静岡のコミュニティスペース CRY IN PUBLICさんがされていたのが「みんなでごはんを食べる会」という試みです。

子ども食堂の機能の1つ、②「居場所づくり」ということで考えれば、何もキッチンが必要とは限りません。近くのテイクアウト店で買ってきた食事を皆で食べる。それだけでも楽しいじゃないですか。

テイクアウトする必要もありません。夕飯がある方はそれをお持ちになるだけでもOK。余ったものがあれば、個人間で分け合ったりするのも楽しいですよね。大事なのは「一緒に食べること」だし、そこに「会話があること」です。

この「みんなでごはん」的な活動も、ぜひ今後「徳島に子ども食堂をつくる会」でやっていきたいと思っています。

たまたまですが、メンバーの一人である筆者(=森)は徳島市沖浜町で私設の図書館を運営しています。

https://www.facebook.com/nagaya.project/

https://www.instagram.com/otonari3/

こちらの2階はよく「おじいちゃんちみたい」「実家かよ!」と言われる、畳にふすまのバリバリの和室。冬にはコタツも入ります。駐車場も15台分くらいあり、そこそこ余裕があります。

ここで週1回、月1回からでも「みんなでごはん」的な試みができないかと考えています。何分、まだ思いつきなのですが、お近くで広報に協力いただける方、食事やその提供方法、テイクアウトなどご相談に乗っていただける飲食店さん、絶賛募集中です!

食事機能と居場所機能

これもたまたまなんですが、「つくる会」メンバーでも、①食事提供機能と、②居場所機能と、重視する方向性が異なっています。

筆者(=森)は今、どちらかというと②の機能に惹かれていますが、メンバーの敷島さん Yuko Shikishimaは居場所づくりとか生きがいとかには、全然興味がない(笑)。「とにかく腹いっぱい食え」派。ちょうどいいので、役割分担して、敷島さん中心に①コドモメシプロジェクト、森中心に②みんなでごはんプロジェクトを動かしてみてはどうかと考えています。

もちろん場所さえ見つかれば、従来通りの子ども食堂の試みも再開させたいところです。でも、何事も実験。もとより貧困問題がそんなに簡単に解決できるとは思っていません。いろいろな失敗をして、少しずつ前に進んでいくしかないのだと思います。そのためにも「試してみること」が重要だと思っています。

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森哲平
徳島に子ども食堂をつくろう!

1979年兵庫県生まれ。2011年より徳島に移住。2015年から徳島市沖浜町にて私設の図書館や子ども向けプログラミング教室を運営している。