ビジョンを口にするのが、ずっと恥ずかしかった。

Mitsuyo Demura
Konel
Published in
4 min readFeb 3, 2018

Konelという企業の経営をはじめて7年がたちます。

主にクリエイティブ、マーケティング、コミュニケーション領域を得意とする集団です。

Jones makes something.

普段、クライアントのブランドやサービスがよりよい状態になるようなお手伝いをしており、必ずと言っていいほど「ビジョン」や「理念」が登場し、仕事の前提になる。

毎日毎日お目にかかる数々のビジョン。

事業主はビジョンを大切にしているし、その重要性は僕が説く必要はなく、時代が証明している。

ビジョンを扱うプロ集団の経営者として、矛盾を感じられる発言かもしれませんが、僕は自分の会社のビジョンを言葉にすることを、ずっと避けて来ました。

理由は単純で、クリエイティブを生業にする以上、ごちゃごちゃ理想を語るのではなく、己が生み出して来た実績で語るべきだという意識が強かったから。

ビジョンが言葉になっていなくても、一所懸命に働いていると業績はコツコツ伸びたし、仲間も集まって来た。

うちの会社にはビジョンはいらないかなと思いながら、あっという間に7年がすぎた。

でもここ半年ほど、ビジョンという言葉の重要性が一気に増した。

キャラの濃いメンバーが増え、守備範囲が広がったことで、企業としての欲が急速に高まったからだ。

あれもしたい、これもしたい。自分がいいと思うことを、どんどん形にしたい。

創業メンバーだけでなく、後から合流して来た仲間が、こういうマインドで同じ空間にいると、恐ろしいほど欲が出てくる。

こうなってくると、ヒト・モノ・カネ・情報がもっともっと必要になる。

ここで痛いことに気づいた。

いま欲しいヒト・モノ・カネ・情報は、これまで僕たちが生み出して来た「過去の実績」に共感するようなレベルでは足らない。

むしろ「これから成していくこと」に共謀したくなるような人やクライアント、投資元との出会いが必要。

つまり、過去の実績だけでは伝わらない。

まだ成してないから形はないけど、イメージがあることを伝えるために、7年目にしてはじめて、創業メンバー3人でビジョンの言葉化に取り組んだ。

大切にしたことは、創業メンバーが自分の言葉としてやりたいと嘘なく言い続けられるかどうかだけで、多くの人に刺さって欲しいとか、一切考えないようにした。

欲望を形に。

好きという感情は、欲望の原点だ。

人を突き動かす強さがある。

好きだからもっと。好きだからより良く。

だから、正しいか間違いかだけではなく、好きか嫌いかを物差しにして、

自分が信じられるアイディアだけを生み出し、形にする。

偏る。ぶつかる。けれどブレイクスルーは、そこからしか生まれない。

欲望の本質を見つけだし、答えになるまでこねる。

我々は、欲望を形にする集団です。

Konel

* English follows

ビジョンの重要性なんて、何百回と見たり聞いたり読んだりしてきたけど、本当の重要性は必要に迫られないと腑に落ちないものだな、という記録。

これからもっと、いい出会いが訪れますよう。

追伸:

こんな自己中心的企業のビジョンが言葉にできたのは、敬愛するコピーライター神谷さんのおかげです。膝詰めに付き合ってくださったご恩は、アウトプットでお返しします。

Shaping Desire

To like something is the origin of passion.

It is this that excites and motivates others.

More with passion. Better with passion.

It’s not a matter of doing what others deem right or wrong.

Instead, it is pursuing what your gut feeling drives you towards.

Bringing forth only the ideas which we believe in, we shape our desires.

These are the ideas that we will put our collective efforts into.

Determined and unwavering, obstacles will be met, but breakthroughs are born from no other path.

We will persist relentlessly until we create the answer to our desires.

We are those that shape desire.

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