クリスマース

おはなしかご
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4 min readDec 5, 2018

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森の奥に病院がありました。この病院にはちょっと変わったお医者さんがいました。森のみんなが病気をしたり、ケガをしたりするとすぐに治してくれるのです。とても楽しく治してくれるので、森のみんなはお医者さんが大好きでした。

ある日、この病院に一人のおばあさんがやってきました。おばあさんは杖をついていたのでお医者さんは足が悪いのだと思いました。ところが、自分の体はどこも具合は悪くないと言うのです。
遠い所に住むおじいさんの具合が悪いので診て欲しい・・と言うのです。
お医者さんが「その町には病院はないのですか?」と聞くと、あるかもしれないけど、どうしてもあなたに診てもらいたい・・・と言うのです。

「でも遠いってどのくらい遠いのですか?」と聞くと
「それは、それは遠いところです。よその国です」
「え?よその国(なん)ですか?」 「そうです」
「一体どうやってゆくのですか?」
「私が連れてゆきます」と(そう)言うと杖をついて立ち上がりました。(ふと)その杖を見ると、とても美しい青い色をしていて上に★がついていました。その杖を見たとたん、お医者さんはハッとしました。ずーと昔に聞いた話を思い出したのです。

それは・・どこかの国の森の奥に青い杖を持つ「クリス」 と言う魔法使いが住んでいる・・と言う話でした。お医者さんは(思わず)「おばあさんはクリスさんですか?」と聞きました。
すると「おや?よくわかりましたね。わたしはクリスですよ・クリスモーアです」と言うと、(その)青い杖を振り上げ呪文を唱えたのです。・・・すると戸口の外で物音がしました。おばあさんは「さぁ、きましたよ」と言って、戸口のところまでゆくと戸をあけました。
(すると)そこに一台のソリがいたのです。

けれどもソリをひいていたのはトナカイさんではありませんでした。可愛らしいコブタさんだったのです。コブタさんは鈴をつけていました。おばあさんはコブタさんに「さぁ、マース でかけますよ」と言いました。(そして)お医者さんとおばあさんがソリに乗ると、ソリはリンリンリンと鈴を鳴らして走り始めました。気がつくといつのまにか空を飛んでいたのです。ソリは森を越え 山を越え・・海を越え・・・飛び続けました。

(そして)どのくらいたったころでしょうか? いつのまにかどこかの森の中を走っていました。(いたのです)
やがて一軒の家の前で止まりました。
家の中に入るとベットにおじいさんが寝ていました。高い熱が出て(とても)苦しそうでした。お医者さんはすぐに 手当をしました。そして病院の庭に咲く白い花から作った薬をおじいさんに飲ませてあげました。・・

しばらくすると熱は下がり、おじいさんの具合はとても良くなりました。
おじさんはお医者さんにお礼をいいました。
けれども、もちろん、お医者さんはそれだけではありませんでした。
元気になったおじいさんに歌を教えてあげたのです。
とても楽しい歌でした。
おじいさんは 大喜び!すぐに覚えてその歌を歌いました。とても上手に歌えたのです!みな、手を叩きました!。・・・
おじいさんはクリスにお礼を言いました「クリスありがとう!」
コブタのマースにもお礼を言いました。マースもとても嬉しそうでした。

元気になったおじいさんはその夜、トナカイのソリに乗って遠くの国の子ども達に贈り物を届けにゆきました。

そうです! そのおじさんはサンタクロースさんだったのです!
それからというもの、サンタのおじいさんは贈り物を届ける日をクリスとマースの日!と言うようになりました。そしてクリスマースの日にはいつも必ずお医者さんから教えてもらったあの楽しい歌を歌いながら贈り物を
届けたのです。!

ほら今年もその歌が聞こえてきましたよ!(ここでジングルベルの曲をCDで流したり・ピアノやグロッケンでまずメロディーを弾いて・・その後にみんなで歌って下さい♪)(終)

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