三つの種

ある日、うさぎさんが歩いていると道に(小さな)種が三つ落ちていました。

うさぎさんはその種をひろって、家に持って帰りました。
そして、庭に埋めました。

一つめの種は部屋の、窓のすぐ下に、二つめの種は庭の真ん中に
 三つめの種は庭のはじっこに埋めました。

次の日から、毎日、一生懸命に、埋めた三つの種に水をあげました。
お日さまも、毎日キラキラと照っています.。

ところが・・・どうしたわけかいつまでたっても種は芽をだしません。

そこである日、一つめの種を埋めたところにいってしゃがみこむとこう言いました。

「タネよ、タネよ、芽をおだし、外はとってもよい天気!」

するとそのとたん、種はピョコと芽をだしたかと思うと、
どんどんのびてゆき、きれいな花をパッ!咲かせたのです。
それはアサガオ!だったのです。 うさぎさん大喜び!

(そして)次の日、二つめの種を埋めたところにいってまた言いました。
 
「タネよ、タネよ、芽をおだし、外はとってもよい天気!」

するとそのとたん、二つめの種はニョキと芽をだしたかと思うと、
ぐんぐん伸びてゆき、黄色い大きな花をひとつ、パッ!と咲かせたのです。

それはひまわり!だったのです。 うさぎさん大喜び!

そこで次の日、三つめの種を埋めたところへいってまた言いました。

「タネよ、タネよ、芽をおだし、外はとってもよい天気!」

けれども三つめの種は、どうしたわけか?芽をだしませんでした。
そこでもう一度大きな声で言いました。

「タネよ、タネよ、芽をおだし、外はとってもよい天気!」

すると・・・しばらくして、土の中から小さな声が聞こえてきたのです。

「うさぎさん、ごめんなさい。私、まちがって反対に芽をだしちゃったんです。そして土の中で 咲いちゃったんです。」

うさぎさんはびっくりしました。

けれども、土の中の声は続けてこう言ったのです。

「でもモグラさんやミミズさんがとても喜んでるんです。だから、私ここで ずーっと咲いています!」

うさぎさんはそれを聞くと、なんだか(たまらなく)うれしくなりした。

そしてそれから、毎日、アサガオとひまわりと、そして土の中に咲いている花に、一生懸命水をあげました。

(土の中には、一体どんな花が咲いたのでしょうね。)
 
 (終)

①( )の中の言葉はそのときの気持で言ったり言わなかったり
 してみてください

②語っていて「そして」と言う言葉が必要な場合はその箇所に入れてみて下さい

またその時は(そして)をはっきり言う(発音)する場合と
 言ったか、どうかわからない程度に発音する場合とがあります。
 その時々で使い分けてください。

③一行あいだが開いているところは(間)をとってください。

④「 」の前後には必ず間をとって下さい。

⑤ このお話の題名は言わずに語ってください。
 最後にそっと「三つの種・のおはなしでした。」と添えるように言っても良いのですが、言わなくても良いと思います。語り終えた時の気持ちでどうぞ。

⑥ 「おしまい」とか「終わり」と言う言葉はすぐに言わずにおはなしの余韻が聞き手と語り手の心にしみこむ時間を大切にしてください。