Walletって何だ

暗号資産を管理するためのウォレットアプリについて

Kentaroid
KUSAWARA
Apr 23, 2022

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暗号資産を管理するために使われるWallet。
仮想通貨を始めて私が一番戸惑ったのがこのウォレットの使い方です。
スマートフォンで使用するウォレットアプリの多くがメアド登録もパスワードもありません。それまでWeb2脳だったわたしにはまずこのことが理解できませんでした。同じような思いをされている方に少しでもお役に立てるよう、その仕組みについて私なりに理解したところをなるべく簡単にお話したいと思います。

まずウォレットで表示される暗号資産の情報は、取引が記録されるブロックチェーンを管理するサーバーにあります。
少し前に登場したクラウドの仕組みです。
ウォレットアプリはそのサーバーにアクセスしてアカウントアドレスにあるコインの種類や数量をアプリ上に表示したり、入出金の操作をサーバーに送って変更を加えたりするツールです。
なのでウォレットそのものに資産が記録されるのではなく、ウォレットにはサーバー上にあるアカウントアドレスにアクセスするための秘密鍵(プライベートキー)しかありません。

ちなみにサーバーに記録されたブロックチェーン取引の履歴は誰でも閲覧が可能です。例えば Solana(SOL) というブロックチェーン上での取引は以下のサイトで確認できます。このようなページがどのブロックチェーンにも用意されています。

話を元に戻すと暗号資産のアカウント(口座)には3つの名前があります。

  1. アドレス
  2. プライベートキー(秘密鍵)
  3. シードフレーズ

です。

この3つは全て同じ口座を指します ← 重要

「第45代IWGP三冠ヘビー級王者にして第4代・第6代無差別級キング・オブ・パンクラス王座」「甦ったサムライ」こと「船木正勝」

といった具合です。

これをもう少し暗号資産に近づけると

のようなイメージですが、もっと複雑に暗号化されています。

それぞれの役割を既存の銀行に例えると

  1. アドレス:口座番号
  2. プライベートキー:口座番号+暗証番号(ATM用)
  3. シードフレーズ:口座番号+印鑑(人間用)

です。

アドレスは公開可能なもので、送金を受け取る時に相手に渡して使用します。プライベートキーとシードフレーズは口座の所有者か否かを識別するもので、あるウォレットで使っているアカウントを他のウォレットにインポートすれば操作を行うことができます。シードフレーズを使ったインポートの一例を以下のストーリーで紹介しています。

言うまでもなく、プライベートキーとシードフレーズは絶対に他人に見せてはいけませんし、ハッキングによる盗難を防ぐためにスクリーンショットやテキストファイルをネットに繋がった端末で保管するのも推奨されていません。アドレスからはプライベートキーとシードフレーズを特定できませんが、プライベートキーとシードフレーズからはアドレスを特定できます。もちろんプライベートキーはシードフレーズも特定できますし、逆も同様です。(秘密鍵をパスワードに例えた記事をちょくちょく見かけますが、口座番号を特定できる暗証番号はありませんので、その例えはあまり正確ではないと思います)

プライベートキーとシードフレーズは共にネットに繋がらない場所での保管が良いとされています。手書きで保管できるよう人間が覚えやすいシードフレーズという仕組みがあります。端末が壊れたりアプリが消えたりしてもサーバーに保管されているデータは消えませんが、プライベートキーとシードフレーズの両方を紛失すると出金が不可能になり消えたも同然となりますから、シードフレーズのバックアップ(紙にメモ)は必ず行ってください。

以上のように暗号資産のアカウントへは自分だけが知ってるシードフレーズでアクセスするので、IDもパスワードも不要です。(ただアプリの多くにはそのアプリが他人に開かれないようパスワード機能が実装されています)

自分の預金口座を銀行に代わって自分自身が責任を持って管理するということで、ここがいわゆるDeFi(分散型金融)の入り口となります。(と私は理解しています)

またそれぞれのブロックチェーンにはそれぞれのウォレットアプリがあり、個人的にはブロックチェーンごとに専用のウォレットを使い分けるのが良いと思います。いずれこのことも紹介したいと思いますが、ウォレットの仕組みさえ理解できればここから先ほとんどのことはDYORで解決できると思います。

それでは Bye for now!

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