「コンピュータを使わない、コンピュータとプログラミング入門」の約1年を振り返って

PsychoHazard
kuzu/NULL
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10 min readJul 31, 2018

1年が経つのは、8月11日開催においてですが。課題だったこととそれへの対処などを。

まず、会場である山梨県大月市市立図書館に告知のポスターを貼っていただけないというところから始まります。理由は、公的な組織による後援などがないと掲示はできないということでした。まぁ、これはわからないでもありません。ごく私的な目的での利用もあるでしょう。もっとも、そのような目的ではポスターなどの掲示を求めることもないだろうと思います。また、「公的な組織による後援などがないと〜」ということを貫くなら、そもそも利用申請の際に公的な組織による後援などが必要という理屈も成り立つかもしれません。

さて、では公的な組織の後援をどうにかしようと、大月市学校教育課および教育委員会への後援依頼を申請しました。結論から言えば、後援はできないということでした。その後県の教育委員会への後援依頼を申請しましたが、こちらは理由の説明はなく、「申請を取り下げて欲しい」という結果でした。

大月市の学校教育課および教育委員会でなにが問題だったのかについてですが、詳細な資料を挙げるよりもこちらの方が手っ取り早いでしょう。次のものは、2018年 8月 11日に開催予定のもののフライヤーです。

ここでは、プログラミング、あるいはプログラミング教育の要素として、次のものを挙げています。

  • デザイン
  • コーディング
  • 検証

文部科学省からの資料では、このコーディングの部分での試行錯誤が勧められています。それに対し、こちらとしてはデザインや検証が必要だとしていました (全体としての試行錯誤は必要です)。大月市学校教育課および教育委員会は、「デザインや検証が必要だというのは、文部科学省からの資料や指導要領に反するため、後援はできない」という回答でした。(なお、「デザイン」については、問題の分析なども含んだものとしています。)

この点については、「では、その場で試行錯誤してプログラムをでっち上げればいいという文部科学省の資料や指導要領と、情報工学における小学生やそれ以上の年齢に対するプログラミング教育としてすこしはましと思われている内容と、どちらが妥当だと判断できるか」のための資料として、次の14冊を学校教育課に貸し出し、検討をお願いしました (刊行年順)。

  1. “別冊サイエンス 74: コンピューター・ソフトウェア” 〔サイエンティフィック・アメリカン 編, 日経サイエンス社, 東京, 1985.〕
  2. “別冊サイエンス 82: コンピューター・レクリエーション I: 遊びの発想” 〔A. K. デュードニー 著, 山崎 秀記 監修, 日経サイエンス社, 東京, 1987.〕
  3. “別冊サイエンス 102: コンピューター・レクリエーション II: 遊びの探索” 〔A. K. デュードニー 著, 山崎 秀記 監修 , 日経サイエンス社, 東京, 1989.〕
  4. “ACMチューリング賞講演集” 〔赤 攝也 訳者代表, 共立出版社株式会社, 東京, 1989.〕
  5. “アルゴリズムとデータ構造” 〔N. ヴィルト, 浦 昭二・國府方 久史 訳, 近代科学社, 東京, 1990.〕
  6. “プログラミング言語の意味論入門”〔M. ヘネシー, 荒木 啓二郎・程 京徳 訳, サイエンス社, 東京, 1993.〕
  7. “文芸的プログラミング” 〔Donald E. Knuth, 有澤 誠 訳, アスキー出版局, 東京, 1994.〕
  8. “マインドストーム 新装版”〔シーモア・パパート, 奥村 貴世子 訳, 未来社, 東京, 1995.〕
  9. “珠玉のプログラミング 本質を見抜いたアルゴリズムとデータ構造” 〔ジョン・ベントリー, 小林 健一 訳, ピアソン・エディケーション, 東京, 2000.〕
  10. “わかりやすいUML入門”, 樫山 友一, 日野 秦臣, オーム社, 東京, 2000.
  11. “コンピュータを使わない情報教育 アンプラグドコンピュータ・サイエンス” 〔Tim bell, Ian H. Witten and Mike Fellows, 兼宗 進 監訳, イーテキスト研究所, 東京, 2007.〕
  12. “Begining Programming FOR DUMMIES 4th Ed.”, Wallace Wang, Wiley Publishing, Inc., Indianapolis, 2007.
  13. ”プログラミング言語論”, 大山口 道夫, 五味 弘, コロナ社, 東京, 2008.
  14. “入門 データ構造とアルゴリズム” 〔Narasimba Karumanchi 著, 黒川 利明・木下 哲也 訳, オライリー・ジャパン, 東京, 2013.〕

当初、14冊だから2週間の貸し出しと申し出ましたが、2週間では読めないということで、1ヶ月に延長しました。

結果、まったく読まなかったわけではないのですが、読もうとしたのはこの内のどれかの数ページのみでした。「どれか」というのは、示されたのがどれだったかを私が忘れたためです。

このあたりについて、「大月市学校教育課および教育委員会では、こちらの主張している内容が妥当であるかどうかを判断する能力および知識を持たず、それらを学ぶ意欲もない」旨の念書を確認していただきました。その内容は、約束により公開できません。

これと並行して、近所になんとか残っているスーパーと、地域おこしの団体が運営している場所に、ポスターの掲示の依頼をはじめました。もぎり用の縮小版も付けており、毎月10枚ちょっとくらいはもぎられています。ただ、これが参加に直結していません。このもぎりを参加により強く結びつけるのが課題です。なんとなく思うことですが、「すぐに役に立つ」という面があれば、結びつくのかもしれません。「コンピュータを使わない〜」でも、考え方などすぐ役に立つ内容ではあるのですが、それを具体的に想像できないと難しいかもしれません。

先に示した方がよかったかもしれませんが、この1年分のフライヤー・コレクションに興味のある方はご覧ください。最初の6枚はデザインにあまり気を配っていません。そのデザインが変わったのが、学校教育課および教育委員会との交渉が終わった頃です。細かく言えば、気を配っていなかったのではなく、プログラミングにおいて無視できないデータ構造を前面に出そうとは考えていました。ですが、意味不明ではあるかと思います。

その後、8月開催分で1年が経ちますので、今後の参加者の見込みや告知の影響を見ようと、「広報おおつき」の市民からの告知用の原稿を、6月初旬に大月市役所秘書課に提出しました。本日、その8月分の広報が届いたのですが、残念ながら他の告知が掲載されていました。掲載するかどうかについての連絡があるはずだったのですが、連絡はありませんでした。これについては、市が直接的に関与するイベントについての告知の量なども関係していると思いますので、まぁ残念だったというところでしょうか。告知の影響を計れないのは痛いところではありますが。

この8月11日でひとまず1年が経ちますが、参加者は1〜数人でした。会場をすこし覗いていただけた方と話しができたりということもありましたが、参加ではないので人数からは外しています。

今後ですが、9月からも続けていきたいと考えています。以前ちょっとアンケートを取った際、「コンピュータを使わない」という文言がすこしばかりネックにはなっているようです。ただ、そこはよかれあしかれ、「プログラムが動いたからいい」という立場からは一線を引いておきたいという気持ちもあります。また、使うということになると、タブレットであっても電源とかルータとか物理的にだったり肉体的にだったり、こちらの負担が増えるという理由もありますが。

では、心機一転、もう一年やってみようと思います。

補 (Aug 01, 2018): 本文中の「でっち上げる」という文言ですが、これはブリコラージュに近い意味で使っています。とくに冒頭にある、

最終的に新しい物を作ること

ではなく、人類学の項目にある

当面の必要性に役立つ道具を作ること

に近い意味を念頭においています。

補2 (Aug 01, 2018): 地域おこしの団体について。そちらでの活動にしたらどうかという話もあるかもしれません。3月時点でメンバー登録の申請を済ませています。内々では承認されているのですが。ただ、その団体が使っている家屋を民泊可能にする改装がこの夏に構想されていまして、それが終わるまではメンバーの誰であってもまともな活動はできないだろうということから、正式な承認には至っていません。私個人の話としては、年会費をどう扱うかとかの問題があるためです。ちょっと問題なのは、構想は確かにあるのですが、実際の工事に着手する見通しが未だにないことです。これは笑い話のネタくらいの認識でかまいません。

補3 (Aug 17, 2018): Jan, 2018 (Feb, 2018開催告知用) ごろから、地域おこしの団体が利用している家屋にフライヤーおよびもぎり用の縮小版を付けていました (それ以前は、URLだけを書いた、よくある普通のもぎりでした)。ところが、掲示が屋外ということも大きいかと思いますが、イオン大月店に掲示してもらっているものと比べ、もぎり用の縮小版がまるごと剥がれていることがすくなくありませんでした。もぎり難さもあるのだろうと思い、今回は縮小版一枚ずつに破線カッターで切れ込みを入れた上で、フライヤーにステープラー止めしていました。勝手にぺらぺらと剥がれていくこともなく、3枚くらいならいっぺんにもぎれる程度になっていました (3枚までしか試していません)。昨日 (Aug 16, 2018)、もぎりの補充は必要かと確認に行ったところ、またまとまてちぎられていました。破線カッターの切れ込みのところからでもなく、ステープラーの針のところから剥ぎ取られていました。これは、今回の状況からは起こるとは考えにくい状態です (フライヤーにもぎり用の縮小版をステープラーで止め、その上で雨が染みた状態を再現して試してもみましたが、自然に落ちることも、1枚をもぎろうとして全部取れてしまうこともありませんでした。絶対にないとは言えませんが)。幸いになのかどうかはわかりませんが、意図的にと思えるようにそのように剥ぎ取っているところを見た方がいました。もし仮に意図的にもぎり用のフライヤーの縮小版をまとめて剥ぎ取っている方がいるのでしたら、止めていただきたいと思います。

補4 (Aug 17, 2018): URLしか書いてないようないわゆるもぎりの頃は数枚もぎられている程度でした。縮小版にしてからは十数枚もぎられるようになっています。この母数がもっと増えればとは思います。ただ、各回、もぎって行った人の半数、6〜8人の参加者でも、およそ一年での経験から一人で回すのはしんどいかなという説明や手順や内容を用意しています。当日呼び出せるアシスタントがいますので、なんとかなるかと考えています。内容や手順は、そのアシスタントの確認を受け、改訂しというのを何回か繰り返して当日持って行っています。

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ショートショートのコレクションについて:ショートショートの作法を無視しています。あとシリーズものっぽいのは、すべて計画の上で書いています。ごめんなさい、「計画の上で」というのは嘘です。思いつきの順番です。