LayerXがCryptorealtyプロジェクトにパートナーとして参画

Kazuki Yamaguchi (yamarkz)
LayerX-jp
Published in
7 min readSep 7, 2018

2018年8月30日にプレスリリースが出た通り、株式会社LayerX(以下、LayerX)と株式会社ツクルバ(以下、ツクルバ)はシンガポールのProperty Access Asset Pte. Ltd.(以下、PAA)が進める、東南アジア地域を対象とするブロックチェーン技術を活用したプロジェクト「Cryptorealty」にパートナーとして参画していくこととなりました。

本記事では「Cryptorealty」プロジェクトの紹介も兼ね、開発側として参画するプロジェクトの背景とその参画理由を紹介していきたいと思います。

Cryptorealty Spaces for people to thrive in.

目次

  • プロジェクトの背景
  • Cryptorealtyとは
  • 本プロジェクトにかける期待
  • 最後に

プロジェクトの背景

以前、プレスリリースを出させていただいたのですが、LayerXの前身であるGunosyブロックチェーンチームとツクルバは、ブロックチェーン技術の不動産領域への活用に向けた共同研究を2018年5月より進めてきました。

共同研究では世界中のブロックチェーン技術の不動産領域への活用事例調査や、既存の不動産領域が抱える課題分析、分析から見えてきた課題に対するブロックチェーン技術を用いた解決策のディスカッションをツクルバと共に重ねてきました。

不動産領域でのブロックチェーン技術の活用例は世界中で増えてきており、世界的な不動産販売プラットフォームの創出や、不動産情報を一元管理するプロジェクトなど、一重にブロックチェーン技術と言えど様々な切り口からプロジェクトが立ち上がってきています。

LayerXではブロックチェーン技術の進歩により、新たなデジタルアセットのあり方として注目を浴びる”トークン”を活用した不動産領域の課題解決を模索してきました。

これらの調査研究とツクルバとのディスカッションから、PAAが提案する新たな商業空間・サービスの創出・利用の民主化を促進する様なマーケットプレイスの可能性を見出し、「Cryptorealy」というプロジェクトにパートナーとして参画し、サービスの仮説検証を進めていく運びとなりました。本プロジェクトの仮説検証は東南アジア地域を対象として行なっていきます。

ブロックチェーン技術はしばしば既存市場を大きく破壊する可能性を持った技術であるという表現がされますが、私たちはブロックチェーン技術を用いて既存市場の破壊を目指すのではなく、新たな市場機会の創出を目指していきたいと考えています。

Cryptorealtyとは

Cryptorealty Project Summary

既存市場が抱える課題として「消費者を主体とした商業空間・サービス利用の需要とそれを満たせていない既存の空間開発者の存在」があります。

この課題の背景には既存の開発運営者の存在があります。
現在、大部分の商業空間およびサービスは、大規模な開発者及び運営者によって開発運営されています。

この状況は消費者の一定のニーズを満たした商業空間及びサービスが提供されているものの、
開発者と消費者の間には大きな隔たりが生まれており、
消費者の真のニーズが開発者に把握されないまま、一方的にサービスを享受する状況が作られています。

一方、消費者の真のニーズを満たした商業空間・およびサービス開発者が存在しています。
彼らは小規模ではあるものの、ユーザーの真のニーズを満たしたサービスを提供しているため、サービス開発者の周りには多くのファンが集まり、ビジネスを成功させています。

しかし、彼らはコアなファンを増やしビジネスを成功させているものの、大規模な開発・運営者と資本競争を強いられており、ビジネスの拡大に苦労しています。

これらの状況と課題に対して、私たちは新たな商業空間・サービスの創出とその利用の民主化を促進するマーケットプレイスをブロックチェーン技術を活用することで促進できないかと考えました。

これがCryptorealtyプロジェクトの最初の一歩です。

Cryptorealtyでは、商業空間・サービスの創出・利用の民主化を促進するマーケットプレイスの構築を目指しています。
このマーケットプレイスでは、商業空間・サービスを提供する運営者とそのプロジェクトを支援する支援者、そしてユーザーが空間及びサービスの利用権を販売や購入、レンタルをすることができます。

本プロジェクトにかける期待

LayerXの前身であるGunosyブロックチェーンチームは2017年秋に発足し、以後ブロックチェーン技術の研究開発を行ってきました。

研究開発ではブロックチェーン技術の起源とも言えるBitcoin、スマートコントラクトの実行基盤として大きな地位を築きつつあるEthereumのプロトコルレイヤーの研究開発を中心に行ってきました。
また、これらのブロックチェーンの基礎技術研究に加え、新たなデジタルアセットとして注目されているトークンの可能性や、トークンが作り出す経済的インセンティブの仕組みについても調査研究を行ってきました。

「Cryptorealty」はGunosyブロックチェーンチームから始まり、LayerXとして関わる最初のブロックチェーンプロジェクトとなります。

ブロックチェーン技術は大きな可能性を秘めていますが、
現状多くの課題(Scalability / Security / Privacy / User Experience etc…)が残っています。

LayerXではこれらの課題とその先にある可能性に真っ直ぐ向き合い、Cryptorealtyを通してブロックチェーン技術の可能性を示していきたいと思っています。

Cryptorealty: Technical Explanation

最後に

LayerXでは複雑で変化の激しいブロックチェーン技術の領域で一緒にチャレンジしてくれる方を募集しています。
我こそはという方は下記のリンクよりご応募お待ちしております。

エンジニア: https://www.wantedly.com/projects/175017

BizDev: https://www.wantedly.com/projects/225562

Cryptorealtyプロジェクトについてはこちらから

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Kazuki Yamaguchi (yamarkz)
LayerX-jp

Software Engineer / Blockchain / Bitcoin / Ethereum / Research & Development