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LayerX Newsletter (2019/04/01–04/07)

はじめまして。本年1月16日付でLayerXにジョインした畑島(@th_sat)と申します。

ブロックチェーン・暗号通貨との関わりは5年近くになりますが、2014年10月より日本デジタルマネー協会で「Bitcoin/Blockchain2.0概況」のブロードキャストを4年半・16回にわたって続けてきました(第15回以前の内容紹介とリンクはこちら)。

第16回 Blockchain2.0概況ブロードキャストの模様(日本デジタルマネー協会)

また、2015年末からこの3月末まで、ビットコイン研究所にて「今週のニュースまとめ」を3年強にわたって週次で配信してきました。

上記の私的/匿名ベースの活動と平行する形で、2018年12月まで野村総合研究所にてシステムコンサルタントとして、ブロックチェーン・暗号通貨のリサーチ・コンサルティング・PoCに関わってきたわけですが、こうした経験を踏まえて、この度LayerXに移り、新たな環境のもと当分野の発展に貢献してまいりたいと考えています。

その一環として、ブロックチェーン・暗号通貨に関する国内外の動向について、ニュースレターという形でオープンに発信していくことにいたしました。
この分野の発展は、大きく分けて「テクノロジーの進化」「ビジネス面でのユースケース探索」「法規制面の整備」の3つが渾然一体となって前進しています。
そこで、本ニュースレターの構成にあたり、「テクノロジーの動向(例えば、スケーリングやプライバシー面の課題解決にむけた動きなど)」に加えて、「ビジネス面の動向・規制の動向(金融・非金融・政府関連におけるユースケースや各国・地域における法規制トレンドなど)」も織り交ぜて、その週のトピックを幅広く共有していくことができればと考えています。

エンジニアを中心とした既にこの業界に精通している方々だけでなく、企業でデジタルイノベーション推進に携わる方においても、エンタープライズ面における暗号通貨・ブロックチェーンの利活用動向を把握するとともに、現時点の技術が抱える課題の解決にむけて世界中で研究開発が進められているテクノロジーの動向を把握することは、目先のPoCに止まらない中長期的な変革機会を探索する上で有用かと考えますので、鳥瞰的な視点からの動向把握の参考にして頂ければ幸いです。

なお、一口にブロックチェーンといっても、パブリックブロックチェーン(BitcoinやEthereumなど)とコンソーシアム・プライベートブロックチェーン(Hyperledger FabricやCorda、Quorumなど)とでは、その性質が大きく異なることから、金融機関やエンタープライズおよび政府関連の取組事例紹介に際しては、実装技術が明示されている場合において、できる限り特定した形で紹介するつもりです。

当記事の執筆に際しては、自身に加えて、証券トークン分野の動向に精通しているEisuke Tamotoと2名が中心となって取り組んでいきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに: 今週の注目トピック

0–1 @th_sat より

テクノロジー分野の注目トピックとして、Lightning Networkの動向を挙げたいと思います。
3/30–31にLightning Hackday Hong Kong(Lightning Network技術のイベント)が香港で開催され、日本からも3名が登壇し、加えて複数名が参加されました。
Lightning Networkは、「一秒間に平均7トランザクションしか処理できない」というBitcoinの課題を解決するために開発された技術です(2015年にホワイトペーパーとして提案され、2018年にメインネットにローンチ)。
Bitcoinのブロックチェーンを第一層とみなして、その上に上位層を作って、そこで決済を完了させることができるため、手数料がゼロに近く、高速なマイクロペイメントが可能なことが特徴です。
今回香港で開催されたLightning Hackdayは、Lightning Networkの可能性を探るべく、世界中から開発者が集まってそれぞれのプロジェクトを発表したものですが、この中では、デモの一環として、高速決済・マイクロペイメントの特徴を活かしたLightning NetworkベースのATMが発表されるなど(詳細は下記1–1参照)、現状の技術課題を踏まえた提案や、その実装について具体的な進展が見られるようになってきました。
1ML.comの統計によると、Lightning Networkを構成するチャネルのキャパシティは、1076BTC(約540万ドル相当)に達し、1000BTCを突破しました。
一年前(2018/4/1時点)はわずか10.5BTCに過ぎなかったので、1年間で100倍に成長した計算になります。
同様にノード数は7827、チャネル数は38980であり、これも一年前と比較するとそれぞれノード数は1503、チャネル数も4118に過ぎなかったので、それぞれ5.2倍、9.5倍に成長した計算で、エコシステムの成長が伺えます。
この週末には、Lightning Networkのハッカソンとして、Bolt-A-Thonが開催されており、今後も、Lightning Networkの技術動向およびその応用にむけた取組に注目していきます。

0–2 Eisuke Tamotoより

証券トークン関係での今週の注目トピックはやはり「SECがトークンの証券性判断に対するガイドライン」を発表したニュースになります。(詳細は下記2–1参照)
従来からアメリカでのトークン証券性判断はHowey Testによるとされていましたが、このテストをトークン発行に当てはめる場合の要件が明確化されたことはなく、SECによる発表を関係者は長らく待つという状態が続いていました。今回のガイドラインでは各要件がトークン発行に関する具体例を交えながら明確に説明されたため、発行に向けた環境がさらに整備されたといえるでしょう。
特に、Howey Testで抽象的な要件となっていた「第三者の管理・運営に基づく利益期待」の部分が、「第三者性」と「利益期待」とがそれぞれ場合分けして説明された部分は注目です。ブロックチェーンではパブリックチェーンを利用した完全分散型のエコシステムに対するトークンなのか、パブリックチェーンを利用しつつも管理者が実質存在するといえるトークンなのか、はたまたコンソーシアム型やプライベート型を利用しているのか等エコシステムの設計がカギになりますが、これらの点をガイドラインでは「第三者性」の部分に一番文字数を当てて説明しています。これは、SECがブロックチェーンを細かく理解して適切なガイドラインを設計しようとする姿勢が表れていると感じられます。
同時に、SECは初のノーアクションレターを発行しました(こちらも下記2–4参照)。その条件はガイドラインの要件に一致しているので、証券性判断におけるケーススタディとして最適であると考えています。
先週は香港でもSTOに関するガイドラインが発表されました。世界の主要国で続々と法規制が整えられてきて発行の土台が固まりつつあります。日本でも先月、ICO/STOなどもスコープに入った法案が閣議決定されました。今後どのような法案が作られ、そしてガイドラインが発表されるのか注目です。

Section 1: Technology

1–1 Bitcoin

●Lightning NetworkベースのBitcoin ATMがLightning Hackday Hong Kongでお披露目

https://bitcoinmagazine.com/articles/bitcoin-dev-demos-first-lightning-enabled-bitcoin-atm/

https://twitter.com/larrysalibra/status/1112280775427162114?s=21
https://twitter.com/bitcoinorghk/status/1112294787585982465?s=21

  • 通常のBitcoin ATMが着金までに数分間の待ち時間を要するのに対して、ほぼ即時で受け取ることができる
  • 加えて、マイクロペイメントの特性を活かして、法定通貨との換算で正確な金額のBitcoinを受け取ることができる点が特徴

●Radar、LN向け開発ツール提供しハッカソン実施

https://medium.com/radartech/developer-tools-and-lightning-hackathon-78b2009f17c1

https://boltathon.com/
https://boltathon.com/sessions/#/hackathon-projects

https://ion.radar.tech/developers

  • チャネル開設やリクエスト、送受金のためのインボイステスト、インボイスのデコーダなどの開発ツールを提供
  • ハッカソン(Bolt-a-thon)は4/5–4/7の期間で開催された

●Schnorr署名の解説
https://medium.com/scalar-capital/schnorr-signatures-754038368b87

●HTLC解説記事
https://liquality.io/blog/hash-time-locked-contracts-htlcs-explained/

●スマートコントラクトについて
https://zmnscpxj.github.io/bitcoin/unchained.html

●Scaling Bitcoin 2018復習シリーズ第6弾。RSAアキュムレータのセッション

https://techmedia-think.hatenablog.com/entry/2019/04/06/172737

●Accumulator向けクラスグループについて
https://www.michaelstraka.com/posts/classgroups/

1–2 Ethereum

●ProgPoWに対する意見表明投票、4/10頃に予定されている期限を前に93%が賛成

http://progpowcarbonvote.com/

  • ProgPoWは、現行のEthashと比べ、ASIC耐性をより高めるPoWアルゴリズムとして提案されているもの
  • 有志により議論が重ねてこられた経過を踏まえ、より広くコミュニティの意思を確認するものであり、投票結果は今後の展開にむけ参考にされると位置づけられている

EthereumのSharding概論

https://www.slideshare.net/bitbankink/ethereum-132664122

●AZTEC Protocol 1.0.0の仕様

https://github.com/AztecProtocol/specification/blob/master/README.md

●IC3が提案している秘密共有プロトコルCHURP

http://hackingdistributed.com/2019/04/05/CHURP/

1–3 Bitcoin/Ethereum以外

●Algorandの概説
https://medium.com/algorand/algorands-core-technology-in-a-nutshell-e2b824e03c77

●COMSA、開発状況を一部公開、今夏より正式版順次発表へhttps://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1178046.html

1–4 統計・リスト

●Bitcoin関連のブロックチェーンやLightningなどの統計を時系列で可視化しているサイト
https://bitcoinvisuals.com/

Bitcoin Mempool・手数料の統計
https://jochen-hoenicke.de/queue/#0,1w
https://p2sh.info/dashboard/db/fee-estimation?orgId=1
https://bitcoinfees.earn.com/

●Staking エコシステムマップ

https://www.theblockcrypto.com/2019/04/04/mapping-out-the-staking-ecosystem/

●クリプトエコシステムへの投資プレイヤーのマップ

https://www.theblockcrypto.com/2019/04/01/mapping-out-the-investors-in-the-crypto-ecosystem/

Section2: Business

2–1 Regulation : 規制動向

米SEC、暗号通貨がいつどのように証券認定されるかを示すフレームワークを発表

https://www.sec.gov/news/public-statement/statement-framework-investment-contract-analysis-digital-assets
https://coincenter.org/entry/coin-center-analysis-of-sec-cryptocurrency-guidance

  • Howey Testの基準解説が中心
  • 大きく「投資を募っている」「共同事業であり」「第三者の努力による収益性」のうち、特に第3項「第三者の努力による収益性」にボリュームを割いたもの
  • すでに販売されたトークンの評価基準としては、「すでに開発が済んでいること」や「投機ではない利用シーンを対象としていること」「価値保存手段として機能すること」などを挙げている
  • CoinCenter曰く、今回新たに示されたガイダンスは必ずしも結論ではないものの、従来にも増して明確な形で、どのように投資契約として提供されたものが証券にあたるかを示している

●マルタ当局MFSA、仮想金融資産(VFA)エージェントとして14業者を承認

https://www.mfsa.com.mt/wp-content/uploads/2019/04/PR-VFA-Agents-In-Principle-Approvals-02-04-20191.pdf

  • 暗号資産向け規制に向けた取組みの一環
  • エージェントはVFA法のもとに、発行者・サービス提供者をサポートし、当局への申込を代行するなどするもの
  • 申込に先立ち事業計画などの整合性を評価することによって、市場や公益を保護することに資することが期待されている

●ベルギー当局FSMA、不法業者リストを公開

https://www.fsma.be/en/warnings/companies-operating-unlawfully-in-belgium

https://www.fsma.be/en/warnings/cryptocurrency-fraud-fsma-updates-its-list-suspicious-sites-0

  • 新規追加された7業者をふくめ120業者がリストされている
  • 暗号通貨の専門家でなくとも安心安全で儲かるとして、いつでも引き出せる形で代わりに投資するので資産を預けて欲しいと言って被害者から資金を集めるなどする業者をリストしている

●中国当局、ブロックチェーン関連の認定業者リスト発表

http://www.cac.gov.cn/1124305122_15539349948111n.pdf

https://cointelegraph.com/news/chinese-regulator-approves-first-197-blockchain-firms-including-tencent-alibaba-baidu

http://www.china.org.cn/business/2019-04/02/content_74636929.htm

・Tencent、Alibaba、Baiduなどを認定

・中国における進行中プロジェクトは263件で世界の約1/4を占めるほか、2018年のブロックチェーン関連特許数(企業別)で1位はAlibaba

●香港SFC、STOの法規制要件まとめたガイドライン発表

https://www.sfc.hk/web/EN/news-and-announcements/policy-statements-and-announcements/statement-on-security-token-offerings.html

https://www.ethnews.com/hong-kongs-securities-and-futures-commission-releases-sto-guidelines

・証券法の対象としてライセンス取得や商品リスクなどに関する情報開示を義務化

●金融庁、仮想通貨交換業者などの疑わしい取引の参考事例を公開

https://www.fsa.go.jp/str/jirei/index.html#crypto

  • 特に注意を払うべき取引として、以下の類型を提示している
  • 1) 多額の現金による仮想通貨売買を行うなど、現金の使用形態に着目した事例
  • 2) 架空名義口座などを用いた入出金など、真の口座保有者を隠匿している可能性に着目した事例
  • 3) 口座開設後に短期間で高頻度・多額の入出金が行われるなど、口座の利用形態に着目した事例
  • 4) 通常取引が無いにも関わらず突如多額の取引が行われるなど、取引形態に着目した事例
  • 5) 資金洗浄・テロ資金供与対策に非協力的な国・地域に拠点を置く顧客に関する取引など、外国との取引に着目した事例

●金融庁、広報誌の中で暗号資産に関する注意喚起に言及

https://www.fsa.go.jp/access/30/188a.html

・暗号資産(仮想通貨)への注意喚起として「価値を保証したり推奨したりするものではない」「法定通貨ではなく突然無価値になるリスクがある」「取引時には金融庁登録業者か確認必要」「取引時には価格変動リスク・セキュリティリスクなどをよく理解することが必要」であることを挙げている

●G20、6月予定の財務相・中央銀行総裁会議で暗号通貨によるマネロン対策規制に合意見通しとの報道

https://this.kiji.is/486425428320715873

●欧州委員会、International Association of Trusted Blockchain Applications (INATBA) を立ち上げ

https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/launch-international-association-trusted-blockchain-applications-inatba

2–2 Crypto Adaptation: 暗号通貨の普及・応用

Coinbase、XRPおよびUSDC用いた国際送金サービス開始

https://www.coinbase.com/international

  • 受信したあとに暗号通貨からローカル法定通貨に交換される
  • 送信先がXPR・USDCを法定通貨に交換できることを確認した上で、送金額をXRP・USDCに交換して送金する

●米Coinbase、クリプト保険プログラムを提供へ

https://blog.coinbase.com/on-insurance-and-cryptocurrency-d6db86ba40bd

  • Specie(正貨保険)と呼ばれるコールドウォレットの秘密鍵紛失や物理的損傷に備えるもの、およびCrimeと呼ばれるホットウォレットのハッキングなどに備えるもの、の2種類を提供
  • なおCrimeプログラムにおいて、51%攻撃は対象外とのこと

●PayPal、Cambridge Blockchainへ投資

https://www.forbes.com/sites/michaeldelcastillo/2019/04/02/paypal-targets-identity-ownership-with-its-first-blockchain-investment/

  • Cambridge Blockchainは、ブロックチェーンによるデータ共有・認証を行うもので、分散アイデンティティFoundationメンバー

●米SEC、BitwiseおよびVanEck/SolidXによるBitcoinETF提案への可否判断を5月以降へ再び延期

https://www.sec.gov/rules/sro/nysearca/2019/34-85461.pdf

●スイスSIX、Ethereum担保の上場取引型金融商品(ETP)を上場

https://www.six-group.com/exchanges/exchange_traded_products/trading/newlistings/2019_en.html

2–3 Decentralized Finance : DEXやトークンなど

●英ポンドベースやカナダドルベースのStablecoin

https://www.coindesk.com/a16z-backed-trusttoken-launches-stablecoin-pegged-to-uk-pound

https://www.businesswire.com/news/home/20190404005805/en/Coinsquare-Announces-Pre-Launch-eCAD%E2%84%A2-Canada%E2%80%99s-Fiat-Backed-Stablecoin

  • TrustTokenがTrueUSDに続くGBPベースのStablecoinとして、TrueGBP(TGBP)を発表
  • 一方、CoinSquareはカナダドルベースのeCADを発表

●0x、Standard Relayer APIに代わる流動性ソリューション0x Mesh発表

https://blog.0xproject.com/0x-roadmap-2019-part-3-networked-liquidity-0x-mesh-9a24026202b3

●Kyber Ecosystem Report #1

https://blog.kyber.network/kyber-ecosystem-report-1-e9b8a4128226

●オープンファイナンス系の統計サイト

https://loanscan.io/
https://mkr.tools/
https://dex.watch/
http://crystalball.be/stats/
https://stablecoinindex.com/

2–4 Security Token : 証券トークン関連

SECが初めてノーアクションレターを発行https://www.sec.gov/divisions/corpfin/cf-noaction/2019/turnkey-jet-040219-2a1.html

  • TurnKey Jet Incが行うトークン発行に対してSECのDivision of corporate financeがノーアクションレターを発行
  • 証券法対象外とする条件は以下の通り
  • 今回のトークンは「成熟したプラットフォーム」上で発行される
  • トークンに対する発展可能性がない
  • 発行後「即」トークンが利用可能である
  • TKJはTKJが発行するウォレット以外への「譲渡を制限」している
  • トークンはUSDに価格がpegされており、かつ利用用途がチャーター代に「制限」されている
  • 償還時は発行時よりも「安い価格」で買い取ることが表明されている
    時間が経つにつれて価格が上昇するという可能性が排除されている

●フランスにて不動産証券化のワーキンググループが発足
http://www.globallegalpost.com/big-stories/law-firm-leads-french-real-estate-tokenisation-38118533/

  • 参加者は弁護士事務所とブロックチェーンスタートアップ
  • 弁護士事務所:CMS Francis Lefebvre Avocats
  • ブロックチェーンスタートアップ:Olarchy
  • 5年での実用化計画
  • フランスでは今後数週間で不動産証券化フレンドリーなThe Pacte Lawが可決され今年後半には施行される見込み

●Digital Assetが金融商品化に特化した言語DAMLを開発https://cointelegraph.com/news/blockchain-software-firm-digital-asset-open-sources-its-daml-language

  • Ditigal AssetがDLT上での金融商品化に特化したDigital Asset Modeling Language(DAML)を開発
  • スマートコントラクト(Solidity)に似た形の言語
  • 一方、規制準拠等に特化したプライベートな執行にフレンドリーな言語となっている
  • すでに既存大手企業に導入が勧められている模様(Accenture, オーストラリア証券取引所等)

●アブダビ銀行が$500Mのブロックチェーン債の発行を実行https://www.coindesk.com/abu-dhabi-bank-settles-500-million-bond-on-a-blockchain

  • アブダビの政府系銀行が$500Mのイスラム5年債の発行をブロックチェーンを経由して完了したことを発表
  • 技術を提供したのは、Jibel Network
  • Jibel Network:UAEに拠点を置くフィンテックスタートアップ
  • 目的としては、シャリーア法に準拠したシームレスな譲渡を行うこ
  • シャリーア法に則ったsukuks債発行が他国でも存在(2017年は前年比50%増加の発行額:$97.9Billion)

● smartlandsがShojin_financial_Servicesを買収
https://smartlands.io/news/smartlands-acquires-shojin-financial-services-limited-first-sto-underway/?utm_source=securitytoken-it-newsletter

  • STOプラットフォームのSmartlandがShojin financial services(以下、SFS)を買収
  • SFSは ロンドンに本社を置く投資プラットフォーム(英国でinvestmentライセンスを取得)
  • この提携の後、UKの不動産証券化案件を開始
  • ノッティンガムのマンションを証券化

●SecuritizeがHyperledgerプロジェクトに参画https://tokenpost.com/Quant-Network-Securitize-and-others-join-Hyperledger-blockchain-project-1544

  • SecuritizeがQuant NetworkらとともにIBM中心のHyperledger実用化プロジェクトに参画

● AmazixがSecuritizeと提携
https://medium.com/amazix/amazix-seals-partnership-with-securitize-for-facilitation-of-digital-securities-services-25cb2e8fecd4

  • AmezixはクリプトやSTに出資する投資家コミュニティを運営する団体
  • Securitizeが作る案件を投資家につなげることを目的にしてpartnershipを締結

●ドイツ二番手の取引所 Borse Stuttgartがブロックチェーンベースの取引所開設へ

  • Borse StuttgartがFinanzen.netと協働してブロックチェーンベースの証券取引所を開発することを発表
  • Stuttgartが株式の過半数を握る形でJVを作成
  • 2019年夏のローンチを予定
  • 個人・機関両投資家向けの取引所とすることを予定

●スマートコントラクトプラットフォームのUMAが株式の電子取引を開始https://www.theblockcrypto.com/2019/03/27/a-crypto-venture-is-launching-a-tokenized-version-of-the-stock-market/

  • スマートコントラクトプラットフォームのUMAがS&P 500のindexのブロックチェーン上での取引を開始
  • 北京に本拠地を置くDEXサービスのDDEX上で取引を実行
  • 法律の関係上US国民は参加不可
  • DAIが決済手段として利用される模様

● Alpha Pointが機関投資家向けのSTプラットフォームを開発https://www.coindesk.com/alphapoint-appeals-to-institutions-with-security-token-tech-upgrade

  • PEなどが簡単にABSできるようになるのが目標
  • secure かつ privateに発行できるのが売り
  • PEのMuirfield Investment Partnersなど2社が既に参戦

●Reg CFのプラットフォームRepublicがRegenを買収
https://www.crowdfundinsider.com/2019/03/145681-republic-acquires-rengen-labs-token-and-private-equity-platform/

  • クラファンプラットフォームのRepublicがST発行事業を行うRengen社を買収
  • Rengen社:ST発行プラットフォームでtZeroのSTOもサポート

●eToroがFirmoを買収
https://www.coindesk.com/etoro-acquires-smart-contract-startup-for-tokenized-asset-boost?amp

  • eToroがFirmoを買収
  • Firmo:複数のチェーン上でABS化を可能にするコントラクトを開発 FirmoLangという言語で開発している

2–5 Financial Institutions : 金融機関による応用ケース

●BarclaysとRBS、CordaベースのInstant Property Network (IPN)用いて40社で不動産購入トランザクション

https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-04-04/barclays-rbs-join-blockchain-trial-to-speed-property-sales

https://search-acumen.co.uk/News/Read?Ref=w4Ld5q

  • 買い手や売り手の他に8人の参加者が介入するなど、紙やメールベースで複雑なプロセスを処理する不動産売買に要する時間を3カ月から3週間へ短縮
  • グローバルで見たときに1600億ドルのコスト低減に資する可能性

2–6 Enterprise/Government : 非金融分野の応用ケース

LVMH、ラグジュアリー商品のトラッキングシステムAURAをQuorumベースでローンチへ

https://www.coindesk.com/louis-vuitton-owner-lvmh-is-launching-a-blockchain-to-track-luxury-goods

  • 傘下に抱える60超のブランドで導入し、真正性証明や皮革材料のトラッキングを行うもの
  • IBM/Maerskのコンソーシアムが参加者獲得に苦戦している状況を鑑み、IPについては参加ブランドにより保有される別エンティティへ寄付するものとしている

●スイスの食品設備大手Buhler、食品トレーサビリティ透明性向上ソリューション発表

https://www.buhlergroup.com/global/en/about-buehler/media/media-releases/details.htm?rss=871_2622_e5gs00.xml

https://jp.cointelegraph.com/news/food-tech-giant-buhler-reveals-blockchain-ready-tools-to-combat-salmonella-and-e-coli

  • サルモネラ菌対策などの食品安全性を担保する上で、透明性の高い監査履歴を提供するとのこと
  • リアルタイムでの食品安全性監査を可能とした上で、サプライチェーン参加者に監査結果を開示できる仕組み

●ドバイ通信大手Du、Ethereum・Hyperledger Fabric互換のBlockchain Platform as a Service開発

https://cointelegraph.com/news/smart-dubai-endorses-blockchain-platform-from-major-local-telecoms-operator

http://wam.ae/en/details/1395302752822

  • ドバイでは国家戦略として、IoTやAIなどデジタルテクノロジーを通じた変革を進めるSmart Dubaiを掲げており、その支持を取り付けて、今後普及を進める見込み

●オーストリアのエネルギー大手Wien Energie、Boschと協業で冷蔵システム構築

https://www.wienenergie.at/eportal3/ep/contentView.do/pageTypeId/67831/programId/74495/contentTypeId/1001/channelId/-53365/contentId/4203192

https://cointelegraph.com/news/austrias-largest-energy-provider-develops-blockchain-fridge-with-bosch

https://thenextweb.com/hardfork/2019/04/05/bosch-blockchain-smart-fridge-dumb/

https://www.coindesk.com/bosch-and-wien-energie-demo-blockchain-powered-refrigerator

  • 持続可能なエネルギー消費への関心の高まりを背景として、太陽光由来・風力発電由来などの出自をトレースした上でエネルギー源を選択・切り替え可能
  • 安全かつ透明にエネルギー消費をブロックチェーン上に記録した上で、コントロール(温度設定可能なスマートデバイスアプリ通じてエネルギー消費をコントロール。ドアが開いたままなどのアラート送付などのフィードバック)

●経産省、ブロックチェーン用いたコンテンツサービスに関する報告書を公表

https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190405006/20190405006.html

2–7 Startup : 個別プレイヤー・アプリケーション

●Ocean、データ共有むけマーケットプレイス
https://www.youtube.com/watch?v=6BiBwOE3n9k&feature=youtu.be

  • 暗号通貨がマネーをオープン化したのと同様に、データもGAFAの元からオープン化すべく、データを持つ企業とデータを欲しいデータサイエンティストを繋ぐ
  • 来歴付きでプライバシーを維持しながらデータを共有するマーケットプレイスとして、ヘルスケアや自動車やAIや小売などの分野で展開中

●Chainlink、TownCrierを買収したオラクルサービス

https://www.youtube.com/watch?v=BvySkHcq1ac&feature=youtu.be

  • コントラクトはオフチェーンの外部データに接続できずオラクルの必要性が提唱されているが、集中型オラクルは単一障害点であり、分散化されたオラクルネットワークが必要
  • TownCrierはTEEを通じたオラクル。コントラクトをオン/オフチェーンに分割し、プライベートやスケーラビリティが必要なコントラクトはオフチェーン処理
  • 例えばTEEのオフチェーン計算からランダム性を提供(クジ引き向けの乱数ライブラリ利用など)した上で、分散化を通じて信頼性を提供するとのこと

●Longenesis、BitFuryと協業でヘルスケアむけ医療データ取扱に関するユーザー同意システム開発

https://cointelegraph.com/news/new-bitfury-joint-project-to-manage-medical-data-permissions-with-blockchain-tech

  • メディカルデータのマーケットプレイスの構築にあたり、関連データの利用者の同意取り付けを管理するもの
  • 収集したデータはタイムスタンプ付きで記録され監査可能とするほか、ユーザ同意に基づくデータ利用管理をできるようにする
  • GDPRやHIPAAといったデータ保護やポータビリティに関するコンプライアンス対策を促す仕組み

Lightning Power Users、LNのインバウンドキャパシティを提供するサービス

https://lightningpowerusers.com/home/

●Boltz、LN上のノンカストディデジタルアセット交換

https://boltz.exchange/

●dType、データ型を共有し相互運用性をもたせる提案

https://medium.com/@loredana.cirstea/dtype-decentralized-type-system-functional-programming-on-ethereum-4f7666377c9f
https://github.com/ethereum/EIPs/pull/1900

●ZKDAO、AZTECによる匿名投票ベースのインデックスファンド

https://liamz.co/blog/building-the-first-ever-zkdao-at-ethparis/

Section3: Articles & Papers

3–1 論考

米Rand研究所、テロ組織の資金洗浄目的での仮想通貨利用についてレポート
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR3026.html
https://coinpost.jp/amp/?p=77708

・取締機関による追跡機能向上などを背景として、資金洗浄目的には優れたものではないとの指摘
・法規制整備および取締機関の国際協力が課題
・今後、仮想通貨の普及が進み、規制下にないDEXが普及するなどすれば、資金洗浄を促す一因にもなりうるとしている

●WEFによる中銀デジタル通貨に関するレポートhttp://www3.weforum.org/docs/WEF_Central_Bank_Activity_in_Blockchain_DLT.pdf

  • 40の中央銀行が中銀デジタル通貨にむけて取組を進めている
  • 利点としてはリテール・ホールセール双方における高速なペイメント手段や、KYC/AMLの提供などを挙げている
  • 一方、欠点としては金融安定性リスクや、プライバシーリスク、セキュリティ脆弱性リスク、スケーラビリティリスクなどを挙げている

●Bitcoin Standard著者のToken2049での講演

https://www.youtube.com/watch?v=-QVCVL60bQE&feature=youtu.be

  • 「SoVとしての需要を踏まえた価格維持と採掘利益、供給量増加せず難易度調整通じて採掘に要するハッシュパワー高まる中でネットワーク攻撃難易度がSoVに繋がる」というインセンティブループが特徴であり、「ペイメントネットワークよりセツルメントネットワーク」に適しているとのこと

●BitcoinとVisa, Master, PayPalの比較https://datalight.me/blog/researches/longread/bitcoin-becomes-the-main-method-of-international-payment/

●What we talk about when we talk about security
https://medium.com/@imnotjk/what-we-talk-about-when-we-talk-about-security-96dac66eb1b4

3–2 論文

EthereumにZerocashをインテグレートしようとするZethの提案は、ミキシングのスマートコントラクトを実行することによって、プライベートなペイメントを可能にするもの。コミットメントとしてミキサー上に格納されるzethNotesを通じてファンドをデポジットし、プライベートにネットワーク内で流通できるようにするとしている

その他、IoTやセンサーデータの格納、教育記録レポジトリに関する論文などが挙げられている

●Benchmarking Privacy Preserving Scientific Operations

https://eprint.iacr.org/2019/354

●SoK: A Taxonomy for Layer-2 Scalability Related Protocols for Cryptocurrencies

https://eprint.iacr.org/2019/352

●LightChain: A DHT-based Blockchain for Resource Constrained Environments

https://eprint.iacr.org/2019/342

●MixEth: efficient, trustless coin mixing service for Ethereum

https://eprint.iacr.org/2019/341

●Blockchain for Economically Sustainable Wireless Mesh Networks

https://arxiv.org/abs/1811.04078

●Blockchain-based Charging Coordination Mechanism for Smart Grid Energy Storage Units

https://arxiv.org/abs/1811.02001

●A survey of blockchain frameworks and applications

https://arxiv.org/abs/1903.12553

●On the Convergence of Blockchain and Internet of Things (IoT) Technologies

https://arxiv.org/abs/1904.01936

●Blockchains Meet Distributed Hash Tables: Decoupling Validation from State Storage

https://arxiv.org/abs/1904.01935

●Towards a First Step to Understand the Cryptocurrency Stealing Attack on Ethereum

https://arxiv.org/abs/1904.01981

●Workflow Management on the Blockchain — — Implications and Recommendations

https://arxiv.org/abs/1904.01004

●Blockchain-based Lightweight Authentication Mechanism for Vehicular Fog Infrastructure

https://arxiv.org/abs/1904.01168

●An Efficient Blockchain-based Hierarchical Authentication Mechanism for Energy Trading in V2G Environment

https://arxiv.org/abs/1904.01171

●ZETH: On Integrating Zerocash on Ethereum

https://arxiv.org/abs/1904.00905

https://github.com/clearmatics/zeth/blob/master/README.md

●Momentum and liquidity in cryptocurrencies

https://arxiv.org/abs/1904.00890

●NEWSTRADCOIN: A Blockchain Based Privacy Preserving Secure NEWS Trading Network

https://arxiv.org/abs/1904.00184

●IoT-Fog: A Communication Framework using Blockchain in the Internet of Things

https://arxiv.org/abs/1904.00226

●A decentralized method for making sensor measurements tamper-proof to support open science applications

https://arxiv.org/abs/1904.00237

●A Blockchain-based Educational Record Repository

https://arxiv.org/abs/1904.00315

●LightChain: A DHT-based Blockchain for Resource Constrained Environments

https://arxiv.org/abs/1904.00375

●A survey on efficient parallelization of blockchain-based smart contracts

https://arxiv.org/abs/1904.00731

●Blockchain And The Future of the Internet:A Comprehensive Review

https://arxiv.org/abs/1904.00733

●Token Exchange Games

https://arxiv.org/abs/1904.00746

●Distributed Ledger Technology for IoT: Parasite Chain Attacks

https://arxiv.org/abs/1904.00996

Section4: Future Events

●Deconomy (4/4–4/5 @ Seoul)

https://deconomy.com/seoul2019/

●Understanding Bitcoin(4/5–4/7 @Malta)

https://understandingbtc.com/
https://www.youtube.com/watch?v=40mdFIAEh4E&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=l2iv2MiGaYI&feature=youtu.be

●THE 2ND ZKPROOF WORKSHOP 2019 (4/10–4/12 @ Berkeley Marina)

https://zkproof.org/workshop2/main.html

●EDCON(4/8–4/14 @Sydney)

https://www.edcon.io/

●ETHCapetown(4/19–4/21 @Capetown)

http://ethcapetown.com/

●CryBlock 2019–2nd Workshop on Cryptocurrencies and Blockchains for Distributed Systems(4/29 @Paris)

http://www.cryblock.org/

●Fluidity Summit (5/9 @NYC)

https://www.fluiditysummit.com/

●Ethereal Summit(5/10–5/11 @NYC)

https://etherealsummit.com/

●Magical Crypto Conference(5/11–5/12 at NYC)

https://www.magicalcryptoconference.com/

●Consensus 2019(5/13–5/15 @NYC)

https://events.bizzabo.com/208980

●Token Summit (5/16 @NYC)

http://tokensummit.com/

●IEEE International Conference on Blockchain and Cryptocurrency(5/15–5/17 @Seoul)

http://icbc2019.ieee-icbc.org/

●Breaking Bitcoin(6/8–6/9、Amsterdam)

https://breaking-bitcoin.com/index.html#tickets

●IEEE Security & Privacy on the Blockchain (6/17–19June @Stockholm)

https://blockchain.kcl.ac.uk/ieee-sb2019/

●Zcon1 (6/22–6/24 @Split, Croatia)

https://www.zfnd.org/zcon/

●Crypto Valley Conference(6/24–6/26 at Zug, Switzerland)

http://www.cryptovalleyconference.com/

●ETHIndia(8/2–8/4 @Bangalore)

https://ethindia.co/

●ScalingBitcoin (9/11–9/12 @Tel Aviv)

https://telaviv2019.scalingbitcoin.org/

●Baltic Honeybadger 2019(9/14–9/15 @Riga)

https://bh2019.hodlhodl.com/tickets

Disclaimers

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