「書体選び」 #レイアウトのスキマ
よく「書体ってどうやって選んでますか? 詳しくないのでイマイチわからないんだけど…」と聞かれることがあります。そういう自分も文字マニアではないので体系的な知識はないのですが、独学我流の私がどんな基準で文字選びをしているかをすこし書いてみたいと思います。
- 本文か見出しか
- 長文か短文か
まずこれがはじめの基準になると思います。そのテキストが、どんな文脈で読まれるのか、という基準です。
- 情緒的なのか、そうでないか
- 大きめに使われるのか、ちいさめか
このあたりも加われば、もう少し絞られてきます。どんなタッチで読ませたいのか、また、強調されるものなのかどうか、という基準になります。
結論から言えば、長文でしっかり読ませたいなら明朝体が基本、もうすこしドライ/ライトにするなら条件付きでゴシックでしょう。なぜなら、明朝体はそもそも手書きの筆致をわずかに残していますから(だいぶ乱暴にまとめてしまいましたが…)、縦書きの本文に適していますし、すこし情緒的なイメージを持っています。
一方、テイスト的にゴシックでいきたい場合は、フトコロの広いゴナ系(モダンスタイル)のゴシックよりは、主に仮名がちいさめのオールドスタイルなものを選ぶとよいでしょう。漢字仮名交じり文のとき、文章を面でみたときに濃度差がつくことで、長文が読み進めやすくなるからです。これは欧文の組版とはすこし考え方が異なっていますね。
その上で、見出しだったり大きく扱われる場合は、その書体のもつクセなどを活かしたい場合もあります。その場合はかたちに特徴のある書体を選ぶのもいいかもしれません。
まとめると、「明朝/ゴシック」「モダンスタイル/オールドスタイル」という2つの軸でどうしたいのかをまず考えることで、ざっくり使うべき書体が絞られてきます。あとは、感覚で選ぶなり、もう少し書体のことを調べるなり、試しにざっと組んでみるなどして、絞り込んでいくとよいと思います。とはいえ、敢えてセオリーとは逆に用いるとか、世の中にはさまざまな書体がありますから、一概にひとつの基準では分類は難しいのですが・・・。
記事を短くまとめるためにかなり乱暴に書いてしまいましたが、文章中で気になる言葉などがある方は詳しく調べたり、本を読むなどしてみてくださいね。