「UD」 #レイアウトのスキマ
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2 min readApr 28, 2017
さいきん、フォントメーカー各社から「UDフォント」というものが多くリリースされるようになりました。ユニバーサルデザインの略でUDなわけですが、文字が表示される媒体は多様になりましたし、さまざまな環境を想定してすこしでも読みやすく、という配慮は重要ですね。
しかし、UDフォントというのは「なんらかの基準で可読性や視認性が担保されたフォント」というだけであって、それよりも大事なことがあります。それは、例によってレイアウトです。
「どんな媒体で、どんな環境で読まれ、どんなふうに見せるべきか」という視点で、書体選び・文字サイズ・行間・文字間・行長などが適切に処理されているかどうかのほうが、もっと大事だったりします。その延長で、「これは多様な環境やユーザーが接する可能性が高いから、UDフォントを採用しよう」とか、「識字が苦手な人が読解に困るものになると支障があるから、学参フォントにしよう」といったような判断があるわけです。
時には「なんらかの基準で可読性や視認性が担保されたフォント」という事実それ自体が必要で、採用に至ることもあるかもしれません。ですが、「UDフォントだから読みやすい」ということは本来ありません。読みやすさといったものは、かなり多様な要素が複合的に絡み合って成り立っているものだからです。
まず第一に適切なデザイン上の判断があった上で、ひとつの選択肢として考える、というくらいの距離感がいいのかもしれないな、と思っています。