日本でスタートした私のキャリア:テレコムスクエア・徐鳳花の物語

Ryoji Okuda
LIGHTENED
Published in
11 min readMar 29, 2019

テレコムスクエアは、東京に拠点を置く通信サービス会社です。「多様性」に重きを置く社内では、さまざまな国籍、年齢、性別のスタッフが一緒に働いています。今回は、多言語サポートチームのアシスタントマネージャーである徐鳳花(Fenghua Xu)が、これまでの人生、テレコムスクエアで歩んできたキャリアについて語ります。

私は、2014年に日本の大学を卒業した後、テレコムスクエアに新卒入社しました。

中国の小さな村から東京の大学へ

幼少時、私は、中国・吉林省の朝鮮自治区、延辺で育ちました。この村は、小さいながらも親しみやすいところで、私は韓国と中国の2つの文化に触れながら育ちました。学校の授業は中国語でしたが、家では韓国語を話し、韓国料理を食べていました。母は韓国企業の中国支社に勤め、韓国本社と中国支社間のコミュニケーションをサポートする仕事をしていました。今思い返すと、母の仕事に対する情熱は、私のキャリア形成に強く影響しているのかもしれません。

私たちの生活は常に2つの文化が混在していたので、その2カ国の架け橋になっている母の背中を見ながら育ったことは、私にとってグローバルな環境で働きたいと考える、きっかけになりました。

今は、仕事で毎日日本語を使っていますが、実は高校に入学するまで、日本語は全く勉強していませんでした。高校に入って勉強を始めてから少しずつ日本語を勉強して、高校卒業前に、何とか日本語能力検定試験の2級レベルにまで達しました。

日本語を勉強するのがとても楽しくて、日本の大学に進学をすることになったのですが、スピーキングではかなり苦労をしました。大学入学当時、私は学年で唯一の留学生でした。授業は全て日本語で行われており、それまで日本語を習っていたものの、日常的に使うことがなかった私は、とても苦労しました。私が日本語を自由に話すことさえできたら、何度もそんなことを思ったことを覚えています。

しかしながら、この辛さは、次第にモチベーションに変わっていきました。日本での生活が2年を過ぎた頃あたりからは、以前よりも流暢な日本語を話せるようになりました。私はようやく、たくさんの友達を作ったり、教授と密にコミュニケーションを取ったりできるようになりました。そのタイミングで私は他の大学に入り直しました。コミュニケーションが取れるようになってはじめて、私は日本での生活を楽しむことができるようになったのです。

この壁を乗り越えた経験があったからこそ、私は一歩踏み出して、日本でキャリアをスタートさせてみようかなと考えるようになりました。

テレコムスクエアでのキャリアの始まり

卒業後、中国に帰国する、日本に残る、はたまた他の国に行く、という3つの選択肢がありました。私は勉強するために日本にやって来たので、「これまで学んだことを生かして仕事の経験を積んでいきたい。そのためには、少なくとも数年は日本で過ごしたい」と思っていました。当時、自分のスキルや知識に絶対的な自信はなかったものの、これまで学んだことを最大限に活用したいと考えていたので、自分自身が成長できる環境を求めていました。私は自分が進みたい方向性がまだ分からなかったので、自分自身の可能性を広げるために、専門的なスキルを磨くことが大事だと考えていました。

私はテレコムスクエア と出会ったのは、フルタイムの仕事を探す前のことでした。私がまだ大学生だった時に、テレコムスクエアの多言語対応のパートタイムアシスタントの募集を見つけたのです。母国語を使いながら日本語を磨くことができる絶好の機会だと思ったので、私はすぐに応募することを決めました。その時のインタビューは今でも鮮明に覚えています。インタビューには、私の他に、もう一人の朝鮮系中国人女学生がいました。インタビューでは、相手の方が上手く受け答えをしていたので、インタビューが終わってから私はしばらくがっかりしていたのですが、採用されたのは何故か私だったのです。正直なところ、彼女よりも日本語が決して上手くはなかった私が会社に選ばれたことにはとても驚きました。それと同時に、アルバイトの私にも成長する機会をテレコムスクエアは与えてくれるのだと嬉しくなったのを覚えています。私は当時即戦力ではなかったからこそ、この会社は私に期待をしてくれているんだ、と胸が熱くなりました。

私の役割は、私たちの製品を使用してくださっているお客様に様々な言語でサポートを提供することでした。もちろん、最初は決して簡単な仕事ではありませんでした。私たちは、時には厳しい苦情に対処しなければならず、また技術的なサポートを提供するためには、電気通信に関する専門的な知識が必要でした。私たちがお客様に提供していた製品は、インターネットサービスのような分かりやすいものではなかったので、最初はとても難しく感じましたが、私は毎日、できることが増えていくのがとてもスリリングだと思いました。時間が経つにつれて、テレコムスクエアで働くことがますます面白くなっていきました。あるとき、経営メンバーからフルタイムで仕事をするかどうかを聞いて頂いたとき、私は即座に「はい!ぜひお願いします!テレコムスクエアで働くの、とっても楽しいんです」と答えました。

入社したばかりに撮った同僚との1枚。

率先してリーダーになる

テレコムスクエアは以前、海外パートナーとのコミュニケーションの問題を抱えていました。お客様が当社のWi-Fiルーターを使っている間にトラブルがあった場合、当社はその問題を解決するために現地パートナー企業に連絡し、彼らの対応を待ちます。国を超えるコミュニケーションには時間がかかってしまっていたため、お客様はさらにフラストレーションを抱えることになり、結果として対応するオペレーターにとっても大きな負担となっていました。

この問題を解決するためには、海外のパートナー企業との密な連携が必要でした。何度も出張したり話し合ったりした後、提携事業者と一回一回連絡を取らなくても、問題を解決できるシステムを構築することができ、その結果、お客様を待たせることがなくなりました。私は、サービス向上に貢献したことが認められ、コンタクトセンターアワード2018の「リーダーオブザイヤー賞」を受賞することができました。今振り返ると、これは簡単な仕事ではありませんでした。さまざまな部署を調整し、中国のパートナーとコミュニケーションをとることは、骨の折れる仕事でした。中国と日本の職場文化は異なるため、調整するのは非常に困難です。また、私は中国語を母国語としていますが、エンジニアが使用している技術的な用語には慣れていませんでした。でも、グローバルビジネスの一員になることが私の夢だったので、最終的に、私はこれらの障害を乗り越えて、海外のパートナーとつながるだけでなく、私たちの製品を改善することによって旅行者の満足に貢献することができて、心から嬉しかったです。

コンタクトセンターアワード2018の「リーダーオブザイヤー賞」を頂きました。
コンタクトセンターアワードは、全国各地の企業のコンタクトセンターの中で、優れたカスタマーサポートを提供した人に授与されます。

今の仕事が大好きな理由

私がテレコムスクエアで働く中で一番好きなのは、自分の成長を応援してくれる仲間がいることです。日本の会社では、同僚や上司に助けを求めるのは難しいことが多いですが、私はテレコムスクエアでそのように感じたことは一度もありません。入社したその日から、テレコムスクエアが私の成長を後押ししてくれるのを強く感じています。

最初の日に、私はメールを書くように頼まれました。当時の私にとって、日本語でメールを書くのはとても大変なことでした。そんな中、私の上司は私が苦労しているのを見ると、メールの書き方を手取り足取り親切に私に教えてくれました。立場や役職に関係なく、自分の価値を発揮できるような環境はとても働きやすいです。

テレコムスクエアで働くことのもう1つの魅力は、会社として新しい挑戦を積極的に奨励しているところです。私はアシスタントマネージャーとしての任務のほかに、多くのサイドプロジェクトに関わっています。例えば、私は現在、カスタマーエクスペリエンスを向上させるための新しいチャネル開発に取り組んでいます。テレコムスクエアの全員がそれぞれの主な職務の外に、大小を問わず何らかのプロジェクトに自主的に取り組んでいます。私はこの仕組みが大好きです。毎日自分の主要な仕事をするだけでは、個人の成長や楽しさが制限されてしまうかもしれません。スタッフの好奇心を刺激し、個人の成長と組織の革新を同時に推進しているのは、テレコムスクエア の大きな魅力です。

職場の雰囲気は深く集中する時とリラックスする時があって、上手くバランスが取れているように感じます。会議などで意見が分かれたときには、私たちは積極的に意見をぶつけ合います。スタッフ全員が積極的に議論に参加するため、普通の日本の職場と比較すると、もしかしたら厳しい雰囲気だと感じるかもしれません。しかし、これは決して悪いことではないと思っています。スタッフは仕事の外でも本当に仲良しです。花見、バーベキュー、キャンプ、食事会など、社内でさまざまなイベントを開催しています。社員の関係は日本本社の中だけではありません。海外支店のスタッフとも非常に仲がいいです。海外スタッフが仕事や旅行で日本に旅行するときには、私たち日本スタッフも彼らと一緒に出かけて、食事や観光を楽しみます。

スタッフの間には、バックグラウンドを越えた強い絆があります。

若い同僚を成長させる私の決意

私は数ヶ月前にアシスタントマネージャーに昇進しました。私はマネジメントする立場になったので、自分のタスクだけに集中することはなくなりました。異なる部署を調整し、他のメンバーの目標達成を助けるために、より包括的なアプローチをとっています。私は2014年にテレコムスクエアで新卒としてキャリアを始めて以来、私はこのチームのために働いてきて、このチームの中で育ってきました。チームの後輩が、自分が若い頃に直面したのと同じ問題に引っかからないように、自分の長年の経験を活用して導いてあげたいと思っています。また、自分がもらってきたいろんな機会を、同じように若いメンバーにも与えてきたいと思っています。もちろん、マネージャーとして私は他の職務を持っていますが、私は事業としての成長だけでなく、個人的な成長やスタッフの育成に重点を置きたいと思います。自分のスキルだけを磨くことに専念していた時期もありましたが、今は自分のもつ専門知識や経験を同僚と共有して、お互いに刺激しあって働けるようになりました。

学生へのメッセージ:過去ではなく未来​​に目を向ける

自分の大学時代を振り返ってみると、私は未来思考ではなかったと反省しています。大事な意思決定をする時には、私は自分の長所と短所を書き出してリストを作り、それを基にして、物事を決めてきました。当時の私は自分が既に持っているものだけを気にしていました。今その時の自分にアドバイスするとしたら、もっと未来思考になった方がいいよ、と伝えてあげたいです。これは、キャリアとプライベートの両側面に当てはまることだと思います。自分の未来のビジョンを作成し、それに向けてのステップを計画することが重要です。自分が達成したい未来をビジュアル化することができたら、強いモチベーションに繋がります。これを読んでいるみなさんのうち、何人かは既にそうやって行動できているかもしれません。でも、もし何かに迷うことがあったら、こんな考え方をしてみてください。そうすれば、きっとあなたは後悔することなく人生を歩んでいけると思います。

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