ホテル×ワーク×ローカルで生まれる、新たなコミュニティとは?

#SharingEconomy 6/9

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2017年9月に開催された第1回「LivingTech カンファレンス」。全9セッションの中から、「シェアリングエコノミー―空間を活用した新たな価値観や収益機会の創出」と題して行われたセッション(全9回)の6回目をお届けします。シェアビジネスの新たな可能性に迫るべく、テーマは各社の最新動向へ。グローバルエージェンツ山崎氏が挑んでいるという、新たなコミュニティ創出に迫ります。

登壇者情報

  • Chris Hill 氏 /WeWork Japan CEO
  • 小原崇幹 氏 /and factory株式会社 代表取締役CEO
  • 山崎剛 氏 /株式会社グローバルエージェンツ 代表取締役
  • 重松大輔 氏 /株式会社スペースマーケット 代表取締役(モデレータ)

住むだけじゃない家、泊まるだけじゃないホテル

重松: それでは、最後のテーマいきましょう。各社さんが考えるそれぞれのビジネスの未来や、こういう社会にしていきたい、こういうビジネスをどんどん展開したい、ということがありましたら、それをシェアしていただければと思っています。それでは、山崎さんから夢を語っていただきたいと。

山崎: 今、大きく事業としてやっているのがソーシャルアパートメントという事業で、これが今40棟・2,000室やっております。ここでいわゆる「住む」という軸でコミュニティをつくっていると。

今までの単に住むだけのマンションや家のような、いわゆる住むという生活機能だけではなく、プラスアルファで、交流や新しい可能性の発見を提供する。せっかく24時間の半分を過ごす場所なのだから、住むだけの機能に集約させるなんてもったいないじゃないですか。だったら、もうちょっと可能性のある、自分の成長につながるようなことを加えていったほうが、絶対に人生を有効活用できるので。

そういう思いで、ソーシャルという文脈を入れた新しいアパートメントというものを始めたのが12年前になるんですけども。非常に可能性を感じていまして、この領域は前年比2倍の規模で成長させたいと思っています。

加えて、住む以外の機能、例えばWeWorkのような「働く」であったり「泊まる」などありますが、我々は最近、ホテルも強めていまして。東京の根津と京都、沖縄、札幌と、4棟のホテル・400室弱やっています。ここは &AND HOSTEL と若干かぶるのもあるのですが、いいことはいいことなので(笑)。

ソーシャルアパートのホテル版ということで、ただ泊まるという機能だけ、ただ寝るという機能だけではもったいない。せっかく泊まる場所なのだから、そこに交流という新しい可能性を生み出している。食事をする・観光地をめぐるといったことも旅の魅力ですが、何と言っても現地の人との交流は旅の大きな醍醐味です。それをホテルで体験できる。こういうユーザーエクスペリエンスを提供していくモデルでして、これもミレニアル世代を中心に可能性を感じているので、大きくしたいという気持ちはあります。

ホテル×ワークで生まれる、新たなコミュニティ

さらに、そこに「ワーク」という機能をハイブリッドさせた新しいコンセプトのモデルを、実は京都でオープンしています。ホテルのロビーラウンジって、あれだけたくさんのお金をかけてつくり込むんだから、それをホテルの宿泊者だけではなく、ワークスペースとして使ったらより有意義だよね、と。

加えて、先ほど旅の醍醐味と申し上げましたが、その醍醐味には旅行者との交流もあれば、ローカルの人との交流もあります。それをワーキングユーザーが担うことによって、より面白い多様性のある交流・出会いというのが体験できるわけです。

単純に、今まで我々がやっていたモデルですとスタッフとの交流やほかの旅行者との交流だけだったのが、そこにコワーキングユーザーが入ってくることによって、より多様性のあるコミュニティというのが生まれるんじゃないかと。そういう思いで、ハイブリッド型のコワーキングスペースというものを提供しています。

空間の機能を拡張する、テクノロジーの存在

そういうことで、liveだったり、workだったり、stayだったり、eatも提供していますが、それぞれの機能の再定義をしていき、且つそれをマージしていく。垣根を低くしていく。そういう新しい文化というものをつくっていきたいなと思います。

そしてそれを受け入れてくれる世代が、ミレニアル世代中心に広がっているなと感じていますので、先ほども境界線が曖昧になっているなんて仰っていましたけれども、本当にそういう社会・世界をつくっていけると面白いですし、我々としてはそういう社会を目指していきたいと思っています。

その中で、テクノロジーというのはマストになってくる部分です。我々も出身としては不動産というところではあるんですけれども、テクノロジーを使ってより進化させていくというか、申し上げたようなコンセプトを体現していくための必要十分条件になっていますので、テクノロジーには今後フォーカスして、IoTをはじめどんどん投資をしていこうと考えています。

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