LIFULL井上氏×VUILD秋吉氏―もう手が届くところにある、未来の暮らしを考える。

#FutureLiving 1/9

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2017年9月に開催された第1回「LivingTech カンファレンス」。全9セッションの中から、「FutureLiving」と題して行われたセッションの模様を、9回に渡ってお届けしていきます。まずはモデレータのLIFULL代表・井上氏のトークからスタートです。

登壇者情報

- 秋吉浩気 氏 /VUILD(ヴィルド)株式会社 代表取締役 CEO アーキテクト

- 井上高志 氏 /株式会社LIFULL 代表取締役社長(モデレータ)

LIFUL代表 井上高志の胸のうち

井上高志氏(以下、井上): まずは、LIFULL本社にお越しくださいましてありがとうございます。

井上高志 Takashi Inoue / 株式会社LIFULL 代表取締役社長。 リクルートコスモスを経て、1997年に株式会社ネクストを設立。不動産・住宅情報サイト『HOME’S(現 LIFULL HOME’S)』を立ち上げ、総掲載物件数No.1のサイトに育て上げる。現在は国内外に14社のグループ会社を擁し、世界57ヶ国にサービスを展開。2017年に社名を「株式会社LIFULL(ライフル)」に変更。一般財団法人Next Wisdom Foundation 代表理事、一般財団法人Endeavor Japan ファウンディングボードメンバー、一般社団法人21世紀学び研究所 理事等も務める。

築50年のビルを全面的にフルリノベーションしまして、ここは「LIFULL Table」というヘルシーで美味しい食事を楽しめるカフェスペースです。社員だけでなく、だれでも利用していただけますし、今日みたいにイベントスペースとしてよく貸し出したりもしています。2階はビジネスゾーンとして「LIFULL HUB」、皆さんのハブになりたいということでインキュベーションスオフィスがあったりコワーキングスペースがあったり。

それからまだ工事中なんですが、裏にはファブリケーションのスペースを作っています。これから3Dプリンターやレーザーカッターなどを置いて、テック系・ものづくり系の方々が集まる場所にしたいと考えています。

実はここはもともと銀行が使っていたビルで、地下4階まであります。地下4階はなんと天井高が6メートルくらいあるところで、まだ使い道が決まってません。

アートとクリエイターの場所にしたいと思っているので、お知恵をいただける方は「こんなことやってみたらどう?」といったお声がけをいただけたらと思っています。

ビジネスとものづくり、テック系とクリエイターが集まる場所になって、ここで昼メシを食べながらコ・クリエーションが始まる。オープンイノベーションが始まる。そんな場所になったらいいなということで、今日もこうしてカンファレンスの会場として使っていただいております。ありがとうございます。

さて、今日はVUILDの秋吉さんをお迎えしてのセッション。2人しかいないのに、1時間15分あります。随分としゃべりたい放題なんですけれども、ネタがつきると思いますので……。2人で話す、一番ゆるいセッションにしようと(笑)。

秋吉浩気氏(以下、秋吉): そうですね。30分だけ我々が話して、あとはみなさんが聞きたいことを。

井上: シナリオとしては、僕が15分、秋吉さんが15分だけです。あと45分はみなさんにゆだねながら、双方向で作っていきたい。こういうゆるい会にしたいと思いますので、ご協力よろしくお願いします(笑)。

“新しい生き方”は、大企業のしがらみを乗り越えうるか?

いきなりなんですが、ちょっと会場の皆さんに。セッションが始まる前にいきなり聞くってなんだよと言われるかもしれませんが、怒らないでください。

みなさんは、今日こちらに何を聞きに来たのでしょうか? 「こんなこと聞かせてほしい」「こんなこと期待している」というところを自由に言っていただきたいなと。

「LivingTech」なので、テクノロジーの話があるのかな? Living Anywhereと言っているから、どこででも生活できるというような話をするんでしょう? そんな期待を持って来ていただいているのでしょうが、特にこういうところを聞きたいというところがあれば、どんどん言ってください。

いかがでしょうか。逆に指名しましょうか。Living Anywhereに参加されていたパナソニックの濱松さんいますか。

質問者1: はい。

井上: いた(笑)。

実は8月に12日間、北海道の南富良野町というところで、Living Anywhere、つまり普段のオフィスや自宅を離れて、土地に縛られない生活が実際どこまでできるのか、オフグリッド生活をやってきました。何か聞きたいこと、話したいことがあればいただけますか。

質問者1: 2点あります。1点目はLivingTechカンファレンスの“テック”という意味でいうと、私はパナソニックという家電のカンパニーにおりまして、IoT家電プロジェクトに携わっています。まさにより良い快適な暮らしの実現ということで、IoTという手段を使ってパナソニックに何ができるかという、そのヒントを異なる業界の皆様からいただきたい。

自分が会社に持って帰るものを、TechとLiving、というところからヒントを得たいというのが1点目です。

井上: パナソニックの立場から、IoTとかスマートハウス系の暮らし、テック系とか。そのあたりのお話をと。

質問者1: 私も井上さんに招待されてLiving Anywhere Weekに参加したのですが、いわゆる大企業の制約・制限といったものがある中で、そういうものがある人たちにどう広げていくのか。自分自身の課題と思いつつも、どうやっていけばいいのかなと。それもヒントを得たいなあと。

井上: 大企業でどうやって広げていくか。

質問者1: 例えばLiving Anywhere、Working Anywhereをやりたいけれども、なかなかできない。そう思っている人が多いと言われているなかで……

井上: 決まったところで意見しないといけないよねとか、なに2週間も連続で休みとってるんだよとか、いろいろな制約がある中でどうやって広げていくかと。大企業および世の中にどう普及させていくか。

場所の制約を超えた地域貢献は可能か?

他に、こんな感じでちょっと聞いてみたいテーマなどありますか。たぶん話そうと思えばいろんな切り口があると……あ、お願いします。

質問者2: 廣岡といいます。シグマクシスという会社で、コンサルティングと事業投資をやっています。

今のお話にも少し関連するのですが、私どもコンサルティング会社の仕事は、おそらく日本企業には類を見ないほど自由な環境で、どこで仕事をしてもいいと。パソコンと携帯1台渡されて、好きな時に好きな場所で仕事をしなさいと。でもバリューだけはしっかり出してねと、そういうワークスタイルをとっています。

ハードルのある大企業とは全然違う環境で働いているのですが、我々にも課題がありまして。私は関西出身なのですが、だいたい中堅になってくると、地元の企業や地元に対して貢献したいという意欲が出てきます。しかし大企業や我々のような東京の中堅メンバーが、地方都市や地元企業に対してどういう価値貢献ができるか考えると、意外とハードルが高い。

2拠点居住という話にも広がってきたり、暮らしと仕事という話にもなるのですが、ここをテクノロジーで解決できないか。あるいは、これはもうテクノロジーの世界の話じゃないかもしれない。そもそもの生き方、働き方、過ごし方に対する価値観の再定義から落とし込む必要があるのかもしれませんが、仕事においてもプライベートでいろんな活動をするにあたっても、非常に大きな障害が出てきている。

こういうところについて、みなさんが徐々にそういう方向へとシフトしていく中で、何がキーになるのかというところをお伺いしたいなと思っています。

井上: とてもすてきな質問、ありがとうごございます。

他ありますか? では3つ出ましたので……答えられるかどうかはわかりませんけれども(笑)、いきたいなと思います。

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