人、組織、アライアンスの問題を解決せよ ―サイバーエージェント×LIFULL×三井不動産×リノベる
#TeamBuilding 1/9
2017年9月に開催された第1回「LivingTech カンファレンス」。全9セッションの中から、「事業開発のための組織・人材開発 〜いかに社内の壁を乗り越えるか〜 」と題して行われたセッションの模様を、9回に渡ってお届けします。初回は登壇者の紹介から。各社がこれまで人、組織、アライアンスにおいて直面してきた課題について共有されました。
登壇者情報
- 羽田 幸広 氏 /株式会社LIFULL 執行役員 人事本部長
- 光村 圭一郎 氏 /三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 事業グループ 主事
- 曽山 晢人 氏 /株式会社サイバーエージェント 取締役 人事管轄
- 山下 智弘 氏 /リノベる株式会社 代表取締役(モデレータ)
成長とともに変化する組織の課題とどう向き合うか
山下智弘氏(以下、山下): こんにちは。それでは、始めます。今回は、人=個の部分と、組織、アライアンス、この3つについてお話ししたいと思っています。
まずはじめの定義として、個人が「こんなアイデアがあったら面白いな」と思うことで組織が決まります。
個人が連鎖し合って組織になり、自分たちの組織にないものを他の組織と組み合わせて何か新しいことを起こしていこうという動きが、ベンチャー・大企業に関わらず、いろんなところで起こっていますが、そこにはいろんな問題があります。
私が代表をしているリノベるは現在8期目、従業員数200人ほどでやっていますが、やり始めた頃と今では問題の質が変わってきています。
そのあたりを今日は、それぞれの立場で悩みを繰り返し、ハードルを超えてきたお三方にお話を聞いていきます。それでは、順番に自己紹介をしてください。まずは曽山さんからお願いします。
サイバーエージェントが歩んだ、組織拡大における挫折と積み上げの18年
曽山晢人氏(以下、曽山): 皆さん、こんにちは。サイバーエージェントで人事責任者をしている曽山と申します。
サイバーエージェントは今、インターネットテレビのAbemaTVなどをやっていて、不動産には直接の関係はありません。が、私が人事責任者をしているということで、今回ご一緒させていただくことになりました。
現状、私は人事の責任者としてグループ全体で8,000名の従業員を見ています。私が入った1999年の従業員は20名でした。そこから約18年の間で伸びてきた中での、組織の急拡大における挫折と積み上げの変遷についてお話をしていきます。
あと、最近ですと合弁会社をつくるケースが多いです。例えば、サイバーエージェントとテレビ朝日さんでAbemaTVというインターネットテレビをつくったり、エイベックスさんと一緒にAWAという定額制音楽配信アプリをつくっていたり……アライアンスをどううまくやっていくかというところも、今日の材料になると思っています。
私自身、人事の責任者の顔ともう1つ、サイバーエージェントグループ子会社で動画制作会社の社長という顔を持っています。人事のセミナーを動画で撮って共有する、人事の勉強会のための会員制コミュニティ、ヒューマンリソースラーニングコミュニティ(HLC)をつくっています。ちょうど先日、日経でも取り上げていただきリリースをしました。会員数は、2017年9月頭から始めて、既に100人以上。今で言うところのサロンですね。社内、社外のネットワークをつなげた形で組織開発しています。
今日のセッション、楽しみにしています。よろしくお願いします。
LIFULL人事責任者が語る、日本一働きたい会社のつくり方
羽田幸広氏(以下、羽田): 皆さん、おはようございます。
LIFULLの羽田と申します。今グループ大体1,200人ぐらいの人事責任者です。私は2005年に当時のネクストに入社して、社員数が80人くらいの頃から1,200人というところまで、いろいろな失敗もしつつ会社を伸ばしてきました。
今回の会場(編集部注:今回のカンファレンスは2017年にオープンしたLIFULLの新社屋にて開催された)も、「ENGAWA(縁側)」というコンセプトで、外と中が交わるような場所をつくって、外部の人とどんどんコミュニケーションを取り、一緒に何かをつくっていくという目的があります。
1階には街の食堂をイメージしたカフェを設けていて、社食兼誰でも自由に食事できるスペースになっています。利用者の7割ほどが外部の方です。
2階にはコワーキングスペースがあり、スタートアップやフリーランス等の方に入っていただいています。当社も徐々に、外部のいろいろな知恵を取り入れながら一緒に事業をやっていこうというフェーズになってきています。
今日はいろいろと勉強させていただきながら、出せるものは出していこうと思っております。よろしくお願いいたします。
三井不動産がアライアンスパートナーにスタートアップを選ぶ理由
光村圭一郎氏(以下、光村): おはようございます。三井不動産のベンチャー共創事業部をやっている光村と申します。
キャリアですが、実は私は三井不動産のプロパー社員ではなく、最初は出版社の講談社に就職をし、編集者をやっていました。その後、5年ほど経った後に三井不動産に転職をしています。三井不動産の中でも変わったやつだな、変なやつだな、と思っていただければと思います。
転職してからはオフィスビルの開発や運営管理など、いわゆる本業の源のところをやっていましたが、この5年ぐらいは新規事業を担当しています。私が所属するベンチャー共創事業部では、大きく3つのことを手がけています。
1つは、インキュベーションです。前提として、この場ではアライアンスという言い方をしていると思いますが、オープンイノベーションをするときに組む相手先として特に注目しているのはスタートアップ企業です。
スタートアップ企業と付き合いながら、スタートアップ企業が今つくろうとしているマーケットの可能性に対して大手企業としてどういう取り組みができるか、ということが基本的なオープンイノベーションの考え方になっています。
それを実行するために、そもそもベンチャー企業やスタートアップを育てて、支援するというような文脈のインキュベーションをやっていますし、その本流であるオープンイノベーションの活動もしています。
あとはファンドを持っていますので、ファイナンスの活動もしています。
いろいろなスタートアップと話をしながら、最終的には三井不動産の新規事業につながるものや、既存ビジネスのイノベーションにつながるような事業共創を生み出していくことを意識してやっています。
このような大きな会社、まさに昭和的な日本大企業という感じだと思いますが、こういうことをやっているとなかなか苦労も多いので、今日はこのあたりのお話をできればと思っております。
山下: ありがとうございます。