仮想現実&人工知能の未来はすぐそこ。早期からのデータ蓄積が命運を握る。

#VirtualReality 9/9

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2017年9月に開催された第1回「LivingTech カンファレンス」。全9セッションの中から、「空間の作り手とユーザーのギャップを埋めるVRの可能性」と題して行われたセッション(全9回)の最終回をお届けします。AIもスコープに入れた変革期において、いまやっておくべきこととは? ツクルバの中村氏がモデレーター、InstaVRの芳賀氏とDVERSEの沼倉氏をパネラーに迎えて語られた、VRの現在地と未来。

登壇者情報

  • 芳賀洋行 氏 /InstaVR株式会社 代表取締役社長
  • 沼倉正吾 氏 /DVERSE Inc. CEO Founder
  • 中村真広 氏 /株式会社ツクルバ 代表取締役 CCO(モデレータ)

モン・サン・ミッシェルのツアーを500円で提供?

芳賀: ありがとうございます。マネタイズですよね。まず建築というか、建物に関係することですと、VR空間でみんな何をやっているんだと言うと、エンタメの領域ではみんなVRの中で、広い部屋でNetflxを観ているんですよね。あるいはHuluや普通の映画を観ていたりします。

そのときに背景の場所が超高級ホテルだったり、眺めのいい部屋だったりというところで……いま皆さんのお持ちの物件の写真で、いわゆるテンプレートというかテーマとして、例えば300円で加工するといったビジネスモデルなんかもできます。

質問者3: それはVRの中の世界で、例えばその中のテレビの画面ではNetflxを見せるとか?

芳賀: テレビの中はNetflx、周りは御社の物件の3DCGの画像をレンダリングしたものを入れる。

質問者3:例えばこの空間(編集部注:セッション会場)でいうと、この空間のVRがあって、京都にいる人がここにいる感じで、だけどスクリーンではNetflxが?

芳賀: はい、大丈夫です。Netflxと組めばそうだし、例えば日本でコンテンツ持たれているところであればそこですし。そのへんは、気軽に言ってもらえればやってもいいです(笑)。

面白いけど、そもそもVR見てる人、エンタメ見てる人どれだけいるのかなとなると、今だと少し若めのマニアックな人がどちらかと言うと多いので……。あ、逆に言うと、そういうコンテンツならいいのかな。いろいろな考え方があります。例えば、声優さんのコンテンツ見せながら、声優さんのお家に入れる、これありですよね。

このマネタイズに関しては、時間と空間がいくらでも越えられますので、観光に関しては、実際に行くことのできないおじいちゃんやおばあちゃんに、例えばモン・サン・ミッシェルに行きましょうと。モン・サン・ミッシェルのツアーをちょっと安めに売ってあげたりとか。500円で売ってあげるような、体験が切り売りになるというのは全然できるかなと思います。

他だとなんでしょうね。ジムとかですね。漫才の最前席とか、相撲の最前席。スポーツのテーマの真ん中だったり、ゴールキーパーさんだったり。そんなところですね。

質問者3: なるほど、ありがとうございます。

中村: 今日、別のセッションもありまして、スペースマーケットさん。まさにスペースマーケットはいろいろな場所でいろいろな体験をやろうというところだと思うんですが、それを実はVRでも気軽にできちゃうと。

前半でもお話ありましたけど、まさに時間と空間の制約がある体験をするということが、もっとプレミアムになるかもしれないなという理解が勉強になりましたね。お時間もそろそろですね。

皆さんのおかげでだいぶ、質問もたくさんいただきましたけども、最後にお二方から告知や今後の展開などを1つずついただいて、終わりにしたいなと思います。

VRにAIを掛け合わせて、無限の可能性に挑戦

沼倉: まず、先ほどお話したようにビジネスで使うためのツールというのを開発していますので、現場の方がこういうふうに使いたい、こういうふうにうちだったら使ってるといったお話をいただいて、開発のほうに出してます。

もし、興味のあるお客さまいらっしゃったら、お気軽に声をかけていただいて、名刺交換させていただければと思いますので、「こんなふうに使いたい」など送っていただければなと思います。

今後、我々のソフトというのは、実はVRだけではなくて、機械学習というAIのものも社内でやっておりまして。中にあるものがなんなのか。大きさがどれぐらいの大きさで、これが椅子でドアで窓で机でスイッチで……というのを全部自動的に認識するようにしているんですね。

それができるとなにができるかと言うと、例えば部屋の3D CADの中の、「この机と同じ大きさで同じテイストのものを出して」と言うと、それを察知して出せるというものです。

ですので、よりクライアントさんが言葉でなかなか表現しづらいものを、むしろテクノロジー側が把握して、それを具現化させてあげる。イメージを実体化させてあげるということがVRの中でも可能になっていきます。

難しいものというよりは、非常に簡単な、シンプルなものにどんどんなっていきますので、もしこういったところで活用方法とか、こういうふうに使いたいというのがあれば、どんどん声を掛けていただければと思います。ありがとうございます。

中村: ありがとうございます。では、芳賀さんにも。

早期導入によるデータの蓄積が、将来の拡張性に

芳賀: ありがとうございました。InstaVRのほうですね、InstaVRの年間のアップデート数って300回を超えるぐらいのものすごい勢いで新機能がついています。

ちょっとかぶってしまうところなんですが、先ほどの機械学習も提供していまして。例えば「この人、ソファー見て買ったんですかね? それともキッチンを見て買ったんですかね?」ということを追えるようになっていたりですとか。

ヒートマップを使ってみたりとか。お客様が見たという行動そのものをデータとして蓄積してお金にしていくというモデルに変えていけるようにしています。

ですので、まず気軽にできます。「今日買って、今日使ってみましょう」というところで。早めに経験値を積んでいただいて、あとはさらにデータが蓄積していくので、将来的に使えますよという形で、今からすぐ初めていただければなと思っております。

中村: ありがとうございます。では、これでセッションは終わるんですけれども、まだお二方にこの場に多少残っていただけると思いますので。ぜひ追加の質問や名刺交換など、このあとお二人にもお話かけていただければなと思います。では、午前中1発目のセッションありがとうございました。

(終わり)

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