シェアリングエコノミーと相性の良いサービス―デカい、オモい、タカいの三拍子とは?

#SharingEconomy 5/6

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2018年11月に開催された第2回「LivingTech カンファレンス」。『POST2020』をテーマに掲げ、2020年から5年後の社会を考えるトークセッションが展開されました。人口減少、少子高齢化、過剰供給……。社会課題について交わされた13セッションの中から、「シェアリングエコノミーでどうLiving techを変えていくか」と題して行われたセッション(全6回)の5回目をお届けします。

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登壇者情報

  • 久保 裕丈氏:CLAS 代表取締役社長 バチェラー・ジャパン 初代バチェラー
  • 韓 英志氏:ユニオンテック 代表取締役社長
  • 東 克紀氏:YKK AP事業開発部 部長
  • 重松 大輔氏:スペースマーケット 代表取締役 /モデレータ

シェアエコビジネスは、Bから始めてCを狙う?

重松 ということで皆さん結構自己紹介すごく長かったんですけど、各社の概況について、そもそもサービスを始めたきっかけとか、あと現在の状況ぶっちゃけどうか、イケてるとか、あと「ここ手ごたえ感じてる」ところを教えて頂ければなと。

じゃあ久保さんから。

久保 はい、若輩なので。

じゃあ僕から言うと家具のレンタル、サブスクリプションのサービスで、最初はどちらかと言うとC向けをメインに取り組みたいなと思ってました。

当然B向けもやるつもりではいたんですけど、覚悟してたのが、家具のサブスクリプションは文化形成系の商売なので、相当時間かかるだろうなと。

重松さんがまさに最初半年は売り上げが無くて、そこからユースケースを積み上げてって徐々に拡大して行ったというお話だったんですけど。うちらの成長カーブもそういう感じかなとある意味覚悟していたんですけれども、今法人向けの需要がすごく大きいです。

やっぱり法人の方々が家具を使うときは、だいたい不動産系の方がすごい多いんですけど、あんまり家具がメインじゃないんですよね。コスト的にすごく大きいのが施工費用で、家具はそんなにフォーカスが当たらなかった。

なので、そこまでのコスト感覚とか、あとはバランスシートをどう綺麗に作っていくかという感覚はなかったんだけども、実はサブスクリプションはレンタルでやるとコスト的にもすごいダウンサイジングできるし、バランスシートが綺麗になるよという部分にちょっとずつ焦点が当たり始めて、今はもうB向けですね。

さっきお話したホテルとか、マンスリーマンションで、もう1個が元々賃貸を運営していたデベロッパーさんがマンスリーマンションに変えると、だいたい家賃収入が4割から5割くらいアップするというのがあるんですね。

これは相場的にですけど、そういったマンスリーみたいなシェアリング型にしていくとどうしても、単価が高くなって利益構造が良くなるところから、賃貸からマンスリーに転換するときに家具家電をすべてうちで入れさせてもらう需要は多いと思ってますね。

重松 こればかりはやっぱりやらないと分からないですよね。やってみてわかる。

久保 (個人にも法人にも)両張りしておいて良かったなと。

個人は時間が、それでも今、何百人単位のお客様がいてくださってるんですけども、思ったより時間かかりそうだなというのが正直な感想ですね。

重松 垂直立ち上げですね。

僕も話をすると、先ほど見せた状況で本当は始めて半年は本当に鳴かず飛ばずで、大丈夫かなという時期もあったんですけども、やっぱり時間をかけます。

プラットフォームのビジネスなんで、(ある変曲点を越えると)雪だるまみたいにどんどん大きくなってくるところがあって。

久保さんと一緒なんですけど、最初は法人、B to Bから始めて信用を蓄積してって、だんだん個人が使うようになってきて、今本当に個人のホスト、ゲストが増えてます。

ある程度プラットフォームが大きくなると、プラットフォームonプラットフォームじゃないですけど、代行会社が結構出てきていて。

数人で100件物件を回す方々も出てきて。彼らはデザイン性とかオペレーションも長けているので、結果的に安心して使えるスペースが増えてきてる。

彼らをモデルとして個人の方も頑張っていくみたいな、Airbnbが成長する過程と割と似てるんですけども、最近そういう良い循環が見えてきてます。これをどれだけ広げていくかも来年のチャレンジです。

シェアリングで見えてきた、職人が求めるのは金より情?

重松 じゃあ韓さん、CraftBankの話、お願いします。

僕さっきお伝えした通りドイツに2年半いて、ベルリンは人種のるつぼで、シェアエコ大国なんですね。

それは色んな規制が緩いのもあるんですけど、例えば日本によくある車のシェアとか、あんなのはもう余裕で流行ってて、僕も家のすぐ近くで適当に探してすぐかりてとか、そういうレベルなんです。これはドイツは駐車場が無料というのはあるんですが。

そういう世界で、6年くらい海外を飛び回って思ったのは、日本でこれはないだろうという体験が海外では結構多かったんです。

例えば、ドイツではアパートの引っ越しをするときスケルトン引っ越しと言って、キッチンとか自分で作らなきゃいけないんですよね。キッチン作るのに職人を呼ぶんですけど、3か月かかるんです。

ドイツはマイスター制度(編注:ドイツ語圏の高等職業能力資格認定制度)をしいている国なのでめちゃくちゃレベル高いと思ったんですが、全然レベルが低くて。たまに「壊して帰ってるだけなんじゃないか?」と思うぐらいのケースもあるんです。

そういう環境の中で、日本が誇れるものなんだろうというのはアニメと職人だと思ってます。ヨーロッパでは日本のアニメがめちゃくちゃバズっていて、誰もがドラゴンボールは知ってます。

でもアニメはある程度認知されてるんですけど、日本の職人技術の高さはまだいまいち認知されていないので、職人のためのサービスにしたいなというのでCraftBankを作りました。

まずうちがエスクロー(編注:取り引きにおいて第三者を仲介させて安全を担保する第三者預託、仮払い)をはさむので、職人に当日報酬を払うんですね。

だいたい(業界慣習として)みんな40日後に払うことが多いんですけど、(CraftBankは)当日現金で報酬を払います。

あわせてユニオンテックは内装業で業界の一般価格を把握しているので、公示価格を提示して、そこから20%以上は下げられないようになってるんです。つまり中抜き業者は発注者になれない構造になってるんです。

なので、何を言ってるかと言うと職人からすると普通よりも1.5倍の報酬がその日のうちの貰えますということです。

ただし放っておくと、資格やスキルのない人もたくさん登録してしまうので、完全招待制にしていて、かつユニオンテックの内装業で取引のある人しか(現時点では)登録させてないんです。

これは何かというと、シェアエコがバズったりするとマーケットが広がりますって言うんですけど、それによって工事単価が必要以上に下がったり、破壊されちゃったり、本来ある大切なものが失われたりもするじゃないですか。

僕はここを本当に慎重にやりたかったので、敢えてスケールはまださせてなくて。

その中でも見えてきて面白いなと思うのは、さっきの「(工事価格が)40%削減できましたよ」という話は一般のユーザー目線で分かりやすいんですけど、実はこの裏側はもう少し面白い構造になっています。

職人は12,000円の給料が15,000円になっても、嬉しいですけどそれがクリティカルでもないんですね。それよりもさっきちらっとお伝えした多重請負構造になってるので、職人さんって基本的に施主と会話はしないんです。

要は、納品する相手の人から「ありがとう」って言われない仕事なんですよね。

なので、直接付き合うことでの「ありがとう」とか、「何々さん、これむちゃくちゃいいからこっちもやってくんない?」というこのワクワクのほうが結構大事

もしかしたらスペースマーケットさんに近いかもしれないですね。

重松 コミュニケーション上手な職人が評価高くて稼げる可能性がありますよね。

そういう方向に向けようと思ってますね。

なので、今は工事マッチングアプリと言ってるんですけど、まさに今方向転換中で、自分が作ったものを見てほしいとか、こういう活動が一番大事だと思ってます。

重松 面白い、そんなビジネスやってたんですね、知らなかった(笑)。

久保さんと韓さんの話し聞いてて、さっきのパネルの話し合ったコンテナハウスは絶対いるなと思ったんですよ。それがひとつ繋がるのと。

久保 是非とも。

そういう場じゃないかもしれないけど(笑)。

重松 コンテナハウスはちなみに結構(スペースマーケットに)登録もあって、稼働するコンテナもあるんですよ。

あれでもまだ暑いですよね、夏とか。その辺を改善していけば、全然いいですね。もう少し快適に住めるような環境にしたものを出して。

あと工事の話、仕組みづくりを色々やろうと思ってるんですけど、軸組フレーマー大工さん、あの人達若い人たちが結構世の中にいっぱいいて、段取りでお金もまあまあ貰えるんで、でもあの人たちもそういう協会じゃないけど、なんか登録したがってる人が結構多い。

そこをぜひ。

やりましょう。

本当に結構色んな人が救われると思うんで。やっぱり世の中の課題解決が仕事になるので、今日話しただけでもあるなと。すみません、まとまらなくて。

重松 いやいや、とんでもないです。

ビニ傘よりも、最後の一押しに人の手が介在するものを

重松 それぞれシェアリングエコノミーに関わるLiving techというところで、次はこんな質問です。

まず上の2つですかね、はい、じゃあ今回は韓さんから。

やってて思うのはまずサービス提供側で言うとシェアエコと言いながら、シェアエコはあくまでプラットフォーム構築の手段でしかないです。もちろん良いところと悪いところがあります。初期の立ち上げがしやすくて、ソーシャルグッドな感じで立ち上げやすい。

ただカスタマーサクセス系のコストがかかったりする。与信が大事なので、事業者としてはキャッシュフロー構造は成立しづらいんです。

一方でサービス側に目を向けると、いわゆる商材単価が低いような、コモディティ化された商材、タクシーもそうなんですけど、こういうのって最適化というか、あくまで合理的な方法論。

もう一つは一品性というかそれぞれの人の最後の一手が必要なもの、この当たりのやつは、ワクワク感とか楽しみをどこまで作れるかは結構大事です。

それに近い業界なので、イメージはこう、さっき重松さんが言ってましたけど、中国で傘のシェアサービスとかああいうのはきついよねという、単価が低すぎるし。

重松 あれはきついですね。

別に誰の傘でもいいし。

それよりもいいものは人がやって、それ以外はシェアしていくという、この世界が通用しやすい領域かを見てます(笑)。

重松 傘のシェアリングってなんかよく相談来るんですよね、結構いろんな人から。なんですかね、やっぱり人の心をときめかせる何かがある傘みたいな。やっぱりみんなもったいないと思ってるんですね。

久保 ユーザーペインがあるのかもしれないですけどね。傘はすぐ無くすとか、ビニール傘はいっぱいある。

需給バランスがめっちゃ難しくないですか? 必要な時にみんな必要だけど、いらない時は誰もいらないという。

重松 そうそうそう。

重松 では久保さん、どうでしょう?

シェアリングがハマるのは、大きくて重くて高価なもの

久保 シェアリングという文脈がハマるものは何だろうと考えたときに、ハマりやすさでひとつあるのが、すごく簡単に言うと、でかくて重くて高いものはやっぱりシェアリング文脈がハマります。

というのもひとつあるのが、今結構若い世代を中心にすごくライフスタイルとかライフステージの変化がとにかく早くなってる。それを働き方改革もあったりして、住むのに便利な場所がどんどん変わってくんですよね。

副業やってたりとか、フリーランスの人がどんどん増えていたりだとか、となってくると、でかくて重くて高いものを持つこと自体が自分の選択肢をひとつ妨げてチャンス逃すことにも繋がります。

そういったところから今度は、徐々にシェアリングが広まってくると思ってます。まさに住宅は、今後凄くハマってくるはず。

ただそうなると、今度は法規制だったりとか、あともう1個、モビリティが付いてこない。家具で一番重たいのは運搬輸送物流なんですよね。

重松 そうですね。

久保 ここでひとつ必要になってくるのが、じゃあ家具とか住宅とかをシェアするために必要な製品の規格、あるべき製品の規格がたぶんガラッと変わってくるだろうなという。

全部がユニット化されてるパネルで、家とかができちゃう。たぶん今までの概念からいくと、「変動性だったりとか耐震性大丈夫なの?」という疑問符がついちゃうと思うんです。

たぶんそこから変えていかないと、本当の意味でのシェアリングは成立してこないというのが僕の仮説ですね。

重松 面白いですね、じゃあ東さんどうですか。

いや、いいこと言いますね(笑)。

久保 ありがとうございます。

コンテナのパネル住宅はまさにそういう規格で作る部分と、シェアしてく部分の、家の中に入っているのがセットになってるということですよね。

JRが車から家まで全部プラットフォーム化してくという、それはひとつの仕組みづくりの中で、あとハードでそういう家を提供していくところを糸島で具現化したり、そこで全部見れるようにすれば結構ね、ぶっ飛んでるようで実はまとまってる姿は見えるので、ぜひ糸島に来てください(笑)。来年の10月以降ですけどね。

流動性の高さが、シェアエコ×リビングの肝となる

昨日(CLASと)提携したんですけど。今後内装業って変わっていくと思うんです。その中で従来の内装工事って減っていくと思うんですよね。めちゃくちゃ自己否定なんですけど(笑)。

重松 言ってましたね。

そうです。なんですけど、やっぱりこれでなんか最近、うちの内装は従業員エンゲージメントを絡めた提案をしてるんですけど、これをやると作業効率が良くなるとか、従業員エンゲージメント高まるというので始めてます。これは従来の内装業にはない提案プロセスです。

一方で、従来のプロセスの中で要らなくなるものもあって、今回まさにCLASさんと一緒にやろうって言ったのは、だいたい1億くらいのオフィス内装工事というと、だいたい15%から20%くらいは家具代なんですよね。

1,500万とかかかっちゃうんです。でもだいたい2年くらいでまた移転するんですよ。このコストってシェアリングで下げられるじゃないですか?それで、やろうって話が合って提携しました。

一方でCraftBankの話もそうなんですけど、基本的にはCLASさんと同じで、一番相性がいいのは賃貸管理会社。

入居者が退居する際、退去立会いをして原状回復工事をして、引き渡しをするというのがあるんですけど、普通は管理会社が工事会社や代行会社に依頼するんですよね。でも本来工事見積もりや、退去立会いといった面倒な工程って管理会社はやりたくもないんですよね。別の工事会社に流れてまたマージン抜かれたり、ここはとっかかりで始めてるんです。

一方で、実は発注者の3割くらいが一般ユーザーだったりするんです。(一般ユーザーへの広告は)何もやってないですけど、どこで見たんだろうと思うくらい。

それが便器の取り付け一つを例にしてもネットなどで便器を買って、取り付ける人がいたら圧倒的にコストが下がります。たぶんそれがシェアでできる話とできない話と、この切り分けをどう設定していくか。

今の内装工事の仕組みは将来はたぶんなくなるんですけど。たぶん家具から順番になくなります。そういう世界観なので、おっしゃるとおり大きいものからね。

重松 本当に否定するようであれですけど、企業のスタートアップの移転と、移転に伴う原復費用と、同じようなのをまた作るじゃないですか。あれのもったいなさ加減は本当、半端ないですよね。

久保 スペースマーケットさんも今まで結構お引っ越しとかされてるんじゃないですか?

重松 してるんですけど、居抜きでやってるんです。

久保 なるほど。うちも借りたばっかりですけど、もう数か月後には引っ越しをしかねなくて。その時って、それこそ家具って持ってかないんですよね。

持っていくだけでもお金かかるんで、毎回それで10%、15%かけて買ったものを捨てていったりというのが、これもなんか馬鹿馬鹿しいなって。

引き取りがいいですよね。

久保 うちは引き取りやってるんですよ。

重松 手堅いですよね。

久保 今は個人もそうだし法人もなんだけれども、変化のスピードに業界自体の流動性だったりとか、あともうひとつはサービスを提供するまでの時間軸。

契約だったりとか審査だったりがどうしても長くなるので、提供者側の時間軸がユーザーに追いついてないのはすごく感じるんですよね。

あとはうちなんかは、両親はもう全員子供が出ちゃってるんですけど、家が2階建てで部屋が何部屋もある家に住んでて。

重松 そういう家はいっぱいありますよね。

コンテナですね。

久保 そうなんです。逆にそういう家とかを新しい子供出来たばっかりの夫婦にシェアして、逆にそういったコンテナみたいな、悠々自適に暮らしたいでしょうから、住みたい場所に住んでいくみたいな。すごく流動性の高い世界観ができればいいのにな、と僕は思うんですよね。

あとはタイヤをつけるだけですか(笑)。

久保 ぜひ自動車メーカーさんに。

法的なところも結構クリアできそうですね。YADOKARIさんが先行してやってくれてるけど、横浜市とか東京中央区とか一番ハードル高いところで。

重松 テーマはやっぱり流動性ですね。あらゆるものがどんどん簡単に流動的になるという大前提があると思っていて。

それこそ住む所も1週間単位、下手したら1日単位で住む家を借りたりとか、仕事だってそうじゃないですか。好きなように選べたり、仕事を1日単位で違う人としたりとか。

最近面白いなと思ったのは「Taimee」という会社があって、あと1時間後にこの辺で人が足りない飲食店とかを、すぐ応募してすぐ働けるサービスがあって結構伸びてるらしいんですよ。究極はそういう感じかなと思います。

レンタルスペースも非常にやっぱり伸びてるスペースは、即借りれるスペースなんですよね。渋谷であと30分後や1時間後にちょっと打合せしたりとか、ちょっと女の子としっぽり飲みたいみたいな、すぐ探せてブッキングできて、なんならUber Eats呼んで食べ物とって、掃除とかもお願いしたり、そういう世界観がもうまさに今きていて、たぶん5年後にはたり前になってると思ってます。

僕が考えるリビング領域でこのサービスはやっぱり、まさに、「重たくて高くて固いもの」でしたっけ?

久保 でかくて重くて高いですね(笑)。

重松 全部違う(笑)、すいません。

それこそ車もそうだし、やっぱりヨーロッパで伸びてるサービスで「Peerby」というオランダ発のサービスがあって、何でもご近所さんと物を貸し借りできるですね。

家具もそうだし、ケルヒャーとかドリルとか。ケルヒャーを思わず買っちゃったのですが、ほとんど使わないんですよ。

なので、近所の人たちみんな借りに来るみたいな、雪もほとんど振らないからスコップ使わないから、近所の人誰か1個持ってたらそれをみんなで貸し借りする。ちょっと悪いんでお金を払うみたいな、そういうプラットフォームがあって、伸びてたりするんですね。

そういう共同でシェアしてくみたいな、それはコミュニティで誰かが持ってるのを貸し出されて借りに行くのか、ケルヒャー的な芝刈り機とか、持ってて全然使わないものが結構ありますよね。まさに、高くてでかくて固いものですね。

久保 違う違う(笑)、でかくて重くて高いです。

重松 (笑)。そういったものが、どんどんシェアされていくと思います。その辺がすごい可能性あります。

あとUberがドライバーだけじゃなくてお手伝いさん、そういう掃除とか「何でもやります」みたいな、要するに人の流動性を高めるサービスをやってますね。

シェアリングが向かう先は、原点回帰か

自分のやってることを研究していくと昔に原点回帰してる感じがして、今39歳なんですけど、僕が小さい頃に近くに電気屋があって、電球はもちろん高い。だけどそこで買ってると、村上さんという電気屋さんのおじさんが、良く遊びにきて、家電とかの様子もついでみてくれたりしたんですよね。それがなんなく希薄化していってる世界観と、それがまた戻っていく感じがしてます。

CraftBankもそうで、昔あったような街に一軒電気屋があって「俺に任せろ」という世界観に最後はローカライズしていくイメージがあるので、そこに集まると良いなという気がします。

重松 確かに原点回帰してる感はありますよね。

久保 あとはユーザーがサービスを受けられるまでの即時性ですよね。

電気屋のおじさんならすぐ来てくれるとか、さっきの飲食店も面白いと思ったんですけど、人が必要な時って即時性が必要だけど、どうしても派遣会社だと、まず契約をして、面接してとか、なんだかんだか段取りがものすごい多いですよね。

引っ越しでも思ったのが、すぐに簡単にポンと見積もり出してそれですぐに運んでくれればいいのに、すごくいっぱい業者さんから連絡がきて、そのステップがすごく多かったので。

シェアエコ文脈である程度のレーティング、それぞれのサービスを提供する人に個別にレーティングされていくことによって、今おっしゃったとおり最後は実は1対1でそこで信頼で繋がってる即時性のあるサービスが実現するといいですね。

契約行為の簡略化ですよね。

久保 おっしゃる通りです。

重松 住設とかは最たるものですよね。なんで対面でやらなければいけないのかみたいな。

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