チャージバックのターゲットとなる顧客層とビジネスの対策情報 False Positive — Demographic Population of the Most Targeted

Manatsu
Lizuna
Published in
6 min readAug 9, 2020

偽造注文やクレジットカードの不正使用の件数が増える中で、EC運営者の懸念となるのがFalse Positiveです。これはクレジットカードの決済がされた場合にその取引が悪質ではないにも関わらず、カード会社や不正検知システムが悪質であると誤検知した場合のことを言います。False Positiveはチャージバック、顧客獲得単価の減少、顧客満足度の低下など様々な面からEC運営者様のビジネスに悪影響を及ぼします。そのため、質の良い機械学習の導入やマーケティングソフトウェアを用いることで効率的に回避していくことが必要です。本記事では、False Positiveが起きる背景とFalse Positiveと判断される割合が最も高い人口統計や要素を説明していきます。

False Positiveが起きる際に注目する要素として、まずは商品単価と消費者の年齢層が挙げられます。Secured Touchの調査によるとFalse Positiveと審査された取引のうち、40%の単価が250米ドル以上でした。

そして興味深いことに、35歳以下の比較的若年層(Generation Y)の顧客がFalse Positiveと審査される場合が多いことがグラフから読み取れます。同社の調査によると、24%の若年層顧客が1年の中で最低1度はFalse Positiveに遭遇することが判明していて、この顧客層はカード決済がキャンセルされるとその取引を完全に放棄する割合が一番高い層でもあります。Javelin Strategyというマーケティング戦略・コンサルタント会社の調査によると、39%の顧客が取引がキャンセルされた場合には対象となる商品・サービスの購入を諦めるそうです。全体のクレジットカード利用者のうち15%がFalse Positiveに遭遇するということから、これは決して稀な出来事ではないことが明らかです。また、グラフから年収10万米ドル以上の富裕層が一番False Positiveに遭遇する割合が高く、全体の22%を占めているという結果となりました。

False Positiveが発生する原因として一番に多いのが、不正検知システム(36%)、手動でEC運営者により不正だと審査された注文(24%)、リスクスコアを参考に高リスクだと審査された注文(14%)、偽造防止管理システム内の選択肢に限りがあることを理由としてFalse Positiveと審査された注文(14%)、そして顧客の位置情報などを理由として法律的・自動的に取引がキャンセルされた注文(11%)と様々でした。

参考:paymentsnext.com

また、False Positiveに影響される割合は産業・業界の種類により異なることが調査の結果判明されました。例えばFalse Positiveによる収益ロスが一番高い業界はPaypalやCash Appなどの決済代行システム(29%)、飲食業(24%)、旅行業(22%)、美容と健康産業(18%)、発券業務(18%)、そしてアパレル業(15%)でした。なお、NPO法人関係の団体やそしてFalse Positiveによる収入ロスが比較的低い業界はソーシャルメディア業界(0%)、趣味・指向・ペット業界(0%)、草刈や窓を直すといったプロフェッショナルなサービス(6%)、そしてジュエリー業界(8%)でした。False Positiveによる収入ロスは一般的なビジネス全体収益の5%~10%に上ると言われているにも関わらず、対策案を方針として固めている会社は半分以下です。

False Positiveの削減に多く投資している業界はゲーム業界(36%)、ジュエリー業界(36%)、決済代行システム(36%)、コンピューターや機器業界(33%)、遠距離通信業界(33%)、教育業界(33%)、そして飲食業界(31%)という結果となりました。

False Positiveを追跡する戦略として、35%のビジネス運営者はクレジットカード決済がキャンセルされた後に再度購入を試みた顧客を識別し、33%は過去の決済情報やチャージバックの分析を基にキャンセルされた取引を識別することが調査の結果として判明しました。False Positiveを追跡するビジネス運営者のうち73%はチャージバック分析システムを用いることで取引が拒否された顧客を追跡することに成功したと回答し、17%は不成功、そして10%は追跡することが可能であることを知らないという調査結果となりました。追跡することに成功したうちの68%のビジネスは取引を完了させ、収益に繋げることに成功しました。

収益ロスを防ぐため、False Positiveの削減に投資することは不可欠といっても過言ではありません。驚くべきことに、67%のビジネス運営者はビザカードのTC-40やマスターカードのSAFEレポートなどのサービスを知らないという調査結果となりました。このようなサービスを用いることでより効果的なFalse Positive対策に繋げることができます。

False Positiveが発生した場合には様々な面からビジネスの収益ロスに繋がってしまうことは以前の記事に記載しました。False Positiveの対策に投資し、データを分析して収入に繋げることで、より効率的にビジネス拡大に繋がっていくのではないのでしょうか。

Lizuna (https://lizuna.com/) は、3つのテクノロジーを用いてオンラインショッピングサイト上の詐欺や悪意のある注文を監視・防止する会社です。EC運営者の安全なビジネス経営のため、日々研究に刻苦勉励しています

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