ザンビアの医療を変える医学生
アフリカ、ザンビアの医療の現実とは???
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内容
アフリカ、ザンビアの医療の現実とは?教育や社会インフラはどうなのか?日本にいるだけでは分からないザンビアの今を、宮地貴士さんにお話し頂きました。
●自己紹介
医学部5年生。2年前からお金を集めてプロジェクト完成(病院建設)のためにザンビアへ。2年間はザンビア風お好み焼きのレシピを頂いて、日本全国で売り歩いてお金を集めた。
●現地に病院を建設することが正しいのか?
建物を建てるのはいいが、ランニングコスト・メンテナンスが大変。中村さんもミャンマーに行ったときに同じ課題を聞いた。ハードよりもソフト・システムの構築が大変。
●ザンビアの医療教育
医学部は6個あり、独立後50年後なりに充実している。マケニ村の場合、医療を受けるために4時間歩く必要がある。社会インフラがまだまだ整っていない。
●日本人の感覚が「正しい」基準か?
4時間が「課題」「問題」なのか?妊娠?by中村さん
●住民教育の充実
医者や看護師の数が足りていないので、民間教育が充実している。
●なぜ「ザンビア」にフォーカスしたのか?
国境なき医師団を見て、中学2年生のときに医者を目指した。吉田先生(滞在先)が学生団体にザンビアを紹介してくれたのが「ご縁」。2年前に来たときに「超、大変やん!」と思って、取り組みを始めた。しかし、今考えてみると「困っている」という【前提】があったのかもしれないと、これまでの自分の考えを疑うようになってきた。
●本当にそうなのか?本質の問題なのか?と考えること
ヒアリング重視で住民の声ばっかり集めて、客観的なデータを集めていなかった。
●実際のデータ上のポイントは?
感染症に対する治療などは住民ができるようになっている(例:マラリア・HIVなどキットで可能)。むしろ、血圧や血糖のコントロール(生活習慣病)の方が難しい。死亡原因が不明なケースも多い。
治療をするという選択がないから、自然と治療をしない。そして、キリスト教圏なので、「神からの迎えが来た」という認識が現状。逆に治療をするという選択しか「ない」状態(例:日本)が幸せなのか?
●NGO(ジャイカ等)に入らずに個人で動いている理由は?
学生団体で入ったというのが前提にあった。NGOは期限が限られていたり、政府に依存していたりする。一番は、期限が限られている点。本質的な調査が困難になる。「ちょっと今・・・悩んでいるんです・・・」と言えることが、自分たちでやっていることのメリット。
●上先生
社会問題を体験するようなツアー。ザンビア風お好み焼きを食べるイベントに来た人が繋いでくれて、インターンしている。
●Facebookメッセンジャー(医学生が剛速球投げ合う場)
情報のストックになっている。投稿内容を検索できる。気になったときに検索かければ出てくる。KURATA君@アメリカにZOOMで相談したby中村さん。
●どういうビジョンを描いているのか?
初期研修は日本。3~4年で内科系を診れるようになったらザンビアに行こうかなと考えている。心外など高度化した外科のニーズはあるが、自分は外科系じゃないなと。
●ザンビア
医者の数は全然足りてない。人口1700万人(増加中)で、医者が2100人。僻地の医療は、もはやインフラ。下痢が多い、マラリアが多いなどは、インフラで解決する課題(医療というより社会環境?)。
●行政は?
いや~、嫌いだよね、行政は(笑)病院を建てる金はないといいつつ、医者や看護師や薬の予算はある。謎が多い。「やってもらうこと」が当たり前になっている、受け身状態。国→州→群で、群のオフィサー(医師・ウクライナ卒)はキャリア意識が強すぎて、嫌いだね~(笑)
ミャンマーのときは所得が少なすぎて、そこに病院があるのに病院にかかれない。一方、ザンビアは基本的に医療無料。病院ごとに違う。医療費は基本的に安い。グローバルファンド・各国のドナーが費用負担してくれている(自分の国内では回せていない)。村の住民ボランティアがマラリア検査や処方をやっているが、基本的に無料。例えば、お金のない交通外傷の医療費は、ソーシャルファンドでカバーする仕組みもある。
●ザンビアの行政の危機感は?
危機感の無さは日本も同じだよね(笑)少なくとも思うのは、外国人がお金配って「甘やかす」のは絶対に良くない。
●ザンビア
反・HPVワクチンなどの動きはない。中央政府と地方との政治的な対立などはある。賄賂は如実に、実に分かりやすく行われている。
●41分~:スマホを持ちながらザンビアの風景
だいたいの家は「井戸」を使用している。この地域はカルシウムが多いみたいで、水道管がカルシウムで詰まって大変なことになる。
●ご飯は?
お米もあり、メインはトウモロコシの粉。ヴィレッジ・チキンはむちゃくちゃ美味い。脂肪ではなくて味が詰まっている。味付けは「塩と油」。たまにトマトと玉ねぎが入る。野菜はレイク(菜っ葉・大根の葉っぱみたいな)が多い。
●中村さんの授業&最近はどう?
解決しなければいけない「課題」の本質は何か?と、お金をどうやって回すか?でグルグル回っている。嚥下障害・口腔内障害を持っている人など、適応可能な疾患がどれだけあるのか?を探っている。医療系をやろうとしたら、教科書ではダメで、臨床をやらないと実際のところは分からない。
●アクティベート?(難病患者さんのプラットフォーム)
アプリ・製薬会社・マッキンゼー出身。「コミュニティ」化は実に難しいと感じているby中村さん。10年・20年経ってやっと価値が出てくるのではないか?そこまで待てるか?コミットできるか?
●テクノロジー系云々、プロダクト云々、遠隔云々をやろうとしていたけど、俺がやることじゃないな・・・と思ったby宮地さん。
ザンビア風お好み焼きの「Face to Face」は結構いいよ。医者としてのバリューを発揮できるポイントは、臨床研究ではないかと考えているby宮地さん。
楽しくやっている人のところに、人は集まってくる・・・が、悩むんよね(笑)「何もない」状況である自分のところに、支えてくれたり、協力してくれる人が集まって頂けるのは嬉しい。
ザンビア風お好み焼きをバンバン売って、ポジティブになっていたこともあったが、一線を越えてくると、「俺はそもそも誰のために、何のために活動しているんだっけ?」と虚しく感じるときもあった(笑)