私達はどうやって宇宙にハードウェアを「メール」したか


私は同僚といっしょに、ラチェットソケットレンチを国際宇宙ステーション(IIS)に、カルフォルニアにあるコンピューターでコマンドをいくつか打つだけで3Dプリントした。

IISの操縦士Barry Wilmore(“Butch”)がラジオを通じてレンチが必要だと言っているのを聞きつけ、それをCADでデザインし、ロケットがなしうるよりも早く彼に届けた。これは、史上最初の宇宙へのハードウェアの送信だ。

ISS 操縦士Barry “Butch” Wilmore が宇宙ステーション内で3Dプリンタで製造した直後のラチェットレンチをを握っている(Image Credit: NASA).

私達は、宇宙向けの最初の3Dプリンタを設計、製造するためにMade In Space, Incを設立した。最初のプリンタは、9月に宇宙ステーション向けに製造して、11月に最初の物体がプリントされた

我々が製造したソケットレンチは、地上で設計され、宇宙にデジタルで送られた最初の物体となった。これは、私達の最初の実験の終了を意味した。それは、地表を離れて製造された、最初のツールと物体を同時に作る21の印刷工程のことだ(他の20の物体は宇宙ステーションに飛ぶ前に設計された)。

宇宙で印刷したばかりの、いくつかのオブジェクト

地上で製造された同一の物体と比較するため、これらの最初の印刷物は、試験のために地上に運ばれるだろう。私達は、自分たちの3Dプリンタの工程で、長期に渡る極小の重力がどういう影響をあたえるか確認するために使ってみる。そうして、今後は、宇宙で作ったものの性能を模倣し、予想するのだ。

ところで、私達はどうやって宇宙にハードウェアを「メール」したのだろうか?

  1. CAD(通常AutodeskのInventor)で部品をデザインし、G-codeと呼ばれる3Dプリンタ用にフォーマットを変換する。
Made In Space’のNoah Paul-Ginがラチェットソケットレンチをデザインする

2. カルフォルニアのMoffett Fieldのオフィスから、NASAと連携する内製のソフトを使って、NASAに送信する。

Made In SpaceのJason LamとMike SnyderがMade In SpaceのオフィスrからIIS 3Dプリントの実験を指揮する。

3. NASAが、Huntsville Operations Support Centerを通して、宇宙ステーションに向けて送信する。ここで、IISの積み荷に関して、地上で開発者と研究者が連携している。

Marshall Space Flight CenterにあるHuntsville Operations Support Centerの内部。スクリーン上に3Dプリンタを確認できる。(Image Credit: NASA).

4. 部品のコードは、Columbus研究所の区域にあるMicrogravity Science Glovebox内に設置された3Dプリンタで受信する。そこでは、レイヤーごとに物体が製造される。

3DプリンタはIIS内部のMicrogravity Science Gloveboxに設置される。(Image Credit: NASA).

5. 宇宙飛行士がプリンタから物体を取り出す。

Butchが3Dプリンタを操作するためにMicrogravity Science Gloveboxに手を突っ込む。(Image Credit: NASA).

実際の物体を送る(ロケットを用意するのに数ヶ月から数年待たされる)よりも、デジタルデータで迅速に送信できる(光の速度で通信できる)ため、可能な時は、それらを準備するよりも、宇宙で3Dプリントするほうがよっぽど理にかなっている。

IISでは、このタイプの技術が、より低コストな実験、素早いデザイン、乗組員のための安全で優れた実験に貢献する。彼らは、壊れた部品を取り替えたり、必要な道具を新しく作ったりするために、こうした技術を使う。しかし、本当に喜ぶべきことは、地球の軌道を超えて、人類の宇宙の冒険にこれらが与えることができるインパクトだ。

月や火星、更にその向こうで最初の人類の植民地が誕生するとき、私達は必要な物を運ぶのにロケットを使わないだろう。必要な物は、必要なとき、そこで作るようになるだろう。

さあ、宇宙を目指そう。

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