インターネットよ、私はもうインスピレーションなんていらない

Hiroshi Takeuchi
5 min readOct 1, 2015

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photo credit: jessica zollman

周りの人が超ポジティブでありえないくらい明るい性格だと、私は逆に冷めてしまう。世の中にはあなたにインスピレーションを与えるものが沢山あるけど、最後にはあなたは一人取り残されて人間として生まれたことを恥じるのだ。

私にとっては、

「すべての出来事には理由がある!」

「人生は冒険!」

「愛はすべてを解決する!」

「幸福は選ぶもの!」

なんていうのは簡単なことだろう。

言うのは簡単。考えるのも簡単。簡単簡単。でもそういうのは現実世界ではカラカラに乾いて粉々に砕け散っていく。

これ以上ポジティブな、幸せな、望まれる、強い人間になれないかもしれない…そんな自分が悔しくて眠れなかった夜なんて数えたらきりがない。よくそういった輝いている人たちを目にすると、自分は一体どこで道を間違えたんだと思ってしまう。どうしてこんなにも周りに振り回されてしまうのだろう?どうして毎日を冒険のように感じないのだろう?あの人たちは請求書の支払いをしなくちゃいけなかったりとか気まずい空気の会話をしてしまったりとか朝起きたら斧でかち割られたような頭痛がしたりとか、そういうことがないの?自分の身に起きたことにいちいちこんなにも影響を受けているのが自分だけのような気がするのは何故?

これ以上インスピレーションなんていらない。そんなのくだらない。ただの綺麗事。守られる事のない約束にどっぷり浸かってる。

周囲から自分は理解されていると感じたい。みんなが私の意見に耳を傾けてくれていると感じたい。変でひねくれててダークなこの考え方と恐怖と感情は私だけじゃなくみんなが持っているものなんだと感じたい。別に雲みたいにフワフワな甘い言葉で私の経験を打ち消して欲しいわけじゃない。砂まみれとか、本物とか、そのままとか、そういうのが欲しいんだ。ヘマなんか絶対しないって素振りをしてる人たちよりも、本当にヘマしている人たちに会いたい。

より良い、より大きな、より幸せな人生を送るようにと私にインスピレーションを与えようとしている人たちに私はもううんざりしている。このままの私でいいじゃない。不器用な私でいいじゃない。暗くて長いトンネルの中で光の欠片を探させてよ。自分のクソくらい自分で始末させてよ。もう私達には偽物のインスピレーションなんていらない、本物が欲しいの。偽物の最後の審判の日も、偽物の幸せもいらない。もっと本物のクソを。説教もいらない。もっとストーリーテリングを。アドバイスもいらない。もっとコミュニティーを。

周りが私の人生を完璧にしようとするのをやめてくれる事を強く願う。みんなが幸せになれる魔法のピルを売っている。なんで24時間365日ハッピーでいなきゃいけないの?そんなの生きてるって言えるの?

私が伝えたいのは、もしあなたが笑顔を絶やさない人間じゃなくても、あなたはそのままでいいんだってこと。時々物事に感謝を忘れてしまっても、でもそれでいい。世の中や自分に不満を感じているのに、元気を振り絞って今が最高に幸せって言うのってとても辛い。でもそんな時は元気が出なくてもいい。怒ったって、暗くなったって、周りから変な奴って思われたって、ずっとポジティブの塊じゃなくたっていい。時々退屈になって「幸せって退屈、でもまあ幸せってそういうもんだよね」とか考るけど、それでいい。時々憂鬱になったり悲しくなったり、物思いにふけったり、ワインとかピザとか気持ちいいセックスとかで悩みを解決したりするけど(まあ私はそんなセックスに出会った事ないけど)、それでいい。そういった問題が全部解決しなくても、答えが無くても、この話のポイントがよくわからなくてもいい。

自分の立っている場所がグラグラと揺れて不安定なときだってある。でも全ては一時的なもの。足元が崩れた次の瞬間には世界の頂上に立っているかもしれない。瞬きした瞬間に物事は変わってしまう。幸せなんて儚いものなんだから。より良い人間になれる治療薬を売っているかのように振る舞う偽物のセールスマンたちは、本当に私を粉々にする。彼らは全てを解決するその万能薬を持っていないあなたに恥を感じさせて薬を買わせようとする。彼らはあなたの向上心を売って、恥をオーブンで焼いて万能薬を作っているのだ。

約束してほしい、あなたが最後にやることは人間として生まれたことを恥じることだと。恥じることからは何も良いものは生まれない。それはあなたがコントロール可能な範囲で一番感情が落ち込んでいる状態だ。恥やあなたを恥じ入らせるものに近づかないようにしよう。そしてそれらをあなたのエナジーフィールドから引きずり出し、地獄へ落としてしまおう。恥はあなたのモチベーションを上げてなんかくれない。消耗させるだけだ。

もしあなたが自身に一つだけ約束できることがあるとしたら、これを約束してほしい…私は他人と違うところがあったって、それを恥じたりはもうしない。ポジティブなハッタリなんて気にしない。この約束、言葉、精神状態があなたの人生を大きく変えてくれる。恥に対して怖気つける人間はヒーローだ…彼らはこの世界が私たちに恥を植え付ける理由をすごく考えているからだ。恥の感情を我慢することはラディカルな抵抗なのだ。あなたを、あなた自身の手で、本当の意味での自由にしてあげよう。

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Hiroshi Takeuchi

Medium Japanでボランティア翻訳をしていました (現在は違います) 。ここに書いてある記事はすべて当時に翻訳された記事です。私個人の見解または創作物ではありません。引き続き公開はしますが、質問または訂正リクエスト等は受け付けません。ご了承ください。