何故ゲームにおいてブロックチェーンが重要か?

ブロックチェーンとRMTの熱い関係

Yugo Tokuchi
Metaps Blockchain JP
6 min readOct 31, 2019

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はじめに

初めまして、メタップス社でミームのBizDev担当をしている徳地です。

本文では、現在どの様にブロックチェーンがゲームで使われているのか、そこにブロックチェーンでなければならない理由はあるのかを、RMT(リアルマネートレード)に焦点を当ててご紹介したいと思います。

ブロックチェーンゲームの仕組み

2018年末の現在、一定数のユーザーを有するブロックチェーンゲームはほぼ全てブラウザで動作しており、ブロックチェーンはゲームで使うアイテムの所有権管理、つまり、仮想通貨によるRMT(リアルマネートレード)の目的で使われています。

そのため、ユーザーがゲームをプレイしている際は、ブロックチェーン上で処理が行われている訳ではなく、アイテムをトレードする時だけに何らかの方法でブロックチェーン上でアイテムの所有権を有効化し、ゲームアイテムを売買しています。

つまり、ブロックチェーンゲームとは、一般的なゲームのアイテムをブロックチェーンに記録して仮想通貨で売買できる様にしたもの の事をさします。

ブロックチェーン以前の技術でRMTを実装する際の問題

それは、所有権をユーザーに渡してしまうと、運営の都合で売買プラットフォームを終了する事ができないという点です。

仮に、ウェブでユーザーにアイテムの所有権を与えRMTを許可する場合、ゲーム会社は所有権の譲渡、売買システムを自社で開発し、ユーザーが希望する限り、半永久的に所有権を管理するサービスを維持し続ける必要があります。何故なら、所有権がユーザーにあるため、ゲームが終わっても、ユーザーが所有権を保有するアイテムを消滅する事ができないからです。

所有権管理を行うシステムを構築するコストと手間も問題ですが、それ以上に、停止する事が極めて難しいサービスを各ゲーム会社が個別に運用するのは不可能に近いです。

そのため、中立な第三者的機関で永続的に所有権の管理を行ってくれる業者に任せるのがベストなのですが、その様な都合の良い機関があるわけもありません。

結果として、何十万円分ガチャを回していようともゲーム内のアイテムの所有権はゲーム会社が保有し、ユーザーはその利用権を保有すると言う立て付けでゲームが運用されてきました。

ブロックチェーンは所有権管理からゲーム会社を解放する

ブロックチェーンを使うと上述した問題は完全に解決します。

ブロックチェーンを使えば、ゲーム会社と全く関係なく、どこにも依存しないネットワークで所有権を管理でき流からです。

また、RMTの取引はブロックチェーン上のスマートコントラクトで執行されるため、取引の処理を実装するコストも劇的に下がります。弊社で運営しているミームの様なサービスを使うと、ユーザーはゲーム外に持ち出したアイテムを、自由に売買する事が可能です。

こと、ゲームのRMTは今まで、適当な中央管理者がいない事が問題であったため、中央管理者不在でも、取引を確実に執行できるブロックチェーン技術と非常に相性が良いのです。

ブロックチェーンはゲームアイテムの資産性を担保しない。

一般的にブロックチェーンゲームは、アイテムの所有権をユーザーが持つため資産性が高いと言われていますが、この観点からは真逆で、

ブロックチェーンを使っているからこそ、いつでもゲーム会社はゲームが終了できる、と言えます。

ブロックチェーンはゲーム内で価値の保存目的でなく、中央に機関を置く事なく同意する二者間で価値を確実に交換する仕組みとして使われているので、ゲームが終了し、アイテムの購入を希望する人がいなくなれば、価値を交換する事ができなくなります。

もちろん、これは、ゲームのエコシステムとして開発会社がアイテムに資産性を持たせ、続編に引き継がれていく様な設計を否定するものではありません。ただ、これはあくまで、ゲーム会社が実装したゲーム内での仕組みで、ブロックチェーンにより担保されてるものではありません。

RMTは現在も頻繁に行われている。

現在、ほとんどのゲーム会社はRMTを規約で制限していますが、少し検索しただけで、三つのサービスが出ているように、潜在的需要があるだけでなく、既にかなりの取引が水面下で行われています。

仮に同種のゲームでRMTできるものとできないものがあれば、ほとんどのユーザーはRMT可のゲームを選択すると思われるので、RMTがメジャーなゲームに実装され始めれば、ほとんどのゲームがブロックチェーンを使ったRMT要素を持つようになると思われます。

(任天堂のようにブランド力が強く同種のゲームを競合が作る事が不可能な場合を除く。)

ブロックチェーンゲームの近未来

ブロックチェーンは既存のゲームに取り入れる技術的難易度がそこまで高くありません。ゲームとブロックチェーンを繋ぐ部分の実装が手間ではありますが、弊社のような外注先を使えば、社内に新規リソースを抱え込まないで開発ができます。

RMTは前述の通り、既にかなり需要のある機能のため、新しくブロックチェーンゲームというジャンルを新興のゲーム会社が開拓していくというより、すでに知名度の高いゲームがリアルマネートレードの要素を導入した時にもっとも強みを発揮する技術の様に思います。

弊社でも、ゲームやIPホルダー様と協業案件が何件か動いておりますし。(技術提供+コンサルティング)他社さんでも、同じ様な動きの話がちらほら出ています。2020年は比較的大きめのゲーム会社さんから、お金をかけて作られているブロックチェーンゲームが、何個も出てくるでしょう。

ゲームに関しては、ブロックチェーンを使う意味、ブロックチェーンが解決する課題が非常に明確なため、ブロックチェーンの実装が今後急速に進んでいくものと思われます。

ではでは

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Yugo Tokuchi
Metaps Blockchain JP

Working at Metaps Alpha Inc. Owner of “Yugo Sushi” in Mumbai, Bandra.